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第5話 違法薬物
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◆◆◆◆◆
「怖いに決まってる。」
「秋山君は正直ですね。でも、そういうところが好きです。そうですか、怖いですか‥‥。でも、僕は秋山君に酷い扱いをするつもりはありませんから!僕の大切な友達だから」
友達が誘拐なんかする訳がないだろ。ふざけるな!くそ、こいつこそ死ねばいいのに。
「‥‥二号監房の事は分かった。三号監房の事を教えてくれ。」
「誘拐が失敗したことで、僕は方針転換をしました。要は彼らが自らこの場所に来るように誘導すればいい。その為に違法薬物を使う事にしたんです。」
「違法薬物?」
「白い粉です。残りの三人に近づき彼らに薬物を手渡しました。高校時代から奴等がMDMAに手を出してたのは知ってたので簡単でしたよ。」
「彼らは高校時代から薬物乱用していたのか?」
「彼等は高校時代から僕を金蔓にしてましたよ。実家が金持ちってのも考えものですね。そんな彼等が僕にタカるのに、そう時間は掛からなかった。次の薬物を求めて三人とも僕に接触してきたんです。」
「薬を求めて?」
「そうです。最初は八木をこの別荘に誘い出し、彼を薬物でフラフラの状態にしました。後は簡単で監獄にぶち込むだけです。玉木と梅田も同様にここに呼び出して監房に監禁しました。」
クスリで正体を無くした男達を監禁したにしたも、相当な労力だっただろうな。それだけ憎んでいたのか。
「秋山君?」
「いや‥‥話を続けてくれ」
俺がそう促すと金田は素直に会話を再開する。
「その後、薬物を与えた囚人を同房にすると、喧嘩の末にセックスし出す事に気がついて‥‥それが、三号監房のあの状態です。僕は囚人同士のセックスを飴として与える事にしました。監獄の秩序は飴と鞭で成りたってる感じですね。」
「飴と鞭‥‥薬とセックスが飴か」
「そうです。この『飴』は、思った以上に効果がありました。クスリとセックスに依存した彼等は、自ら望んで家族に『探さないで欲しい』と連絡しました。お陰で、監獄生活を警察に邪魔されず維持できています」
俺は絶望的な気分になった。三人も失踪すれば警察は動くだろうと思っていたが‥‥無理かもしれない。
でも、一人が殺された事は俺にとっては救いかもしれない。警察が殺人事件の捜査から三人の失踪の関連性に気がついてくれたなら‥‥‥。
俺は人の死を喜んでいるのか?
俺は‥‥。
「秋山君」
「え?」
「廊下の突き当りにつきましたよ。上に繋がるエレベーターです。」
俺はぼんやりと目の前のエレベーターを見つめた。
◆◆◆◆◆◆
「怖いに決まってる。」
「秋山君は正直ですね。でも、そういうところが好きです。そうですか、怖いですか‥‥。でも、僕は秋山君に酷い扱いをするつもりはありませんから!僕の大切な友達だから」
友達が誘拐なんかする訳がないだろ。ふざけるな!くそ、こいつこそ死ねばいいのに。
「‥‥二号監房の事は分かった。三号監房の事を教えてくれ。」
「誘拐が失敗したことで、僕は方針転換をしました。要は彼らが自らこの場所に来るように誘導すればいい。その為に違法薬物を使う事にしたんです。」
「違法薬物?」
「白い粉です。残りの三人に近づき彼らに薬物を手渡しました。高校時代から奴等がMDMAに手を出してたのは知ってたので簡単でしたよ。」
「彼らは高校時代から薬物乱用していたのか?」
「彼等は高校時代から僕を金蔓にしてましたよ。実家が金持ちってのも考えものですね。そんな彼等が僕にタカるのに、そう時間は掛からなかった。次の薬物を求めて三人とも僕に接触してきたんです。」
「薬を求めて?」
「そうです。最初は八木をこの別荘に誘い出し、彼を薬物でフラフラの状態にしました。後は簡単で監獄にぶち込むだけです。玉木と梅田も同様にここに呼び出して監房に監禁しました。」
クスリで正体を無くした男達を監禁したにしたも、相当な労力だっただろうな。それだけ憎んでいたのか。
「秋山君?」
「いや‥‥話を続けてくれ」
俺がそう促すと金田は素直に会話を再開する。
「その後、薬物を与えた囚人を同房にすると、喧嘩の末にセックスし出す事に気がついて‥‥それが、三号監房のあの状態です。僕は囚人同士のセックスを飴として与える事にしました。監獄の秩序は飴と鞭で成りたってる感じですね。」
「飴と鞭‥‥薬とセックスが飴か」
「そうです。この『飴』は、思った以上に効果がありました。クスリとセックスに依存した彼等は、自ら望んで家族に『探さないで欲しい』と連絡しました。お陰で、監獄生活を警察に邪魔されず維持できています」
俺は絶望的な気分になった。三人も失踪すれば警察は動くだろうと思っていたが‥‥無理かもしれない。
でも、一人が殺された事は俺にとっては救いかもしれない。警察が殺人事件の捜査から三人の失踪の関連性に気がついてくれたなら‥‥‥。
俺は人の死を喜んでいるのか?
俺は‥‥。
「秋山君」
「え?」
「廊下の突き当りにつきましたよ。上に繋がるエレベーターです。」
俺はぼんやりと目の前のエレベーターを見つめた。
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