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第二王子 ブリギッタ殿下
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◆◆◆◆◆
第二王子のブリギッタ殿下は、俺たちをにこやかに執務室に招き入れた。
「聖女様、突然の呼び出しに応じて頂き有り難うございます」
「お久しぶりです、ブリギッタ殿下」
殿下はパウル陛下の同母弟にあたるため、容姿がよく似ている。ウエーブのかかった金髪と碧眼の瞳の美丈夫。でも、ブリギッタ殿下は陛下よりも優しい印象を受けるな。
「さあ、セツ様。どうぞソファーにお座り下さい。乳母兄弟のウルスラより、聖女様は紅茶とチョコレートを好まれると聞きました。用意した紅茶と菓子が口に合うと良いのですが」
「殿下の気遣いに感謝します」
護衛騎士のウルスラと第二王子は、今でも良好な関係にあるようだ。乳母兄弟の絆ってやつか。
それにしても厄介な事になった。
ブリギッタ殿下の右首筋を見て、ため息を付きそうになる。第二王子の首筋には、呪いの魔方陣が刻まれていた。しかも、陛下に刻まれていた呪いの魔方陣より大きく成長している。
「セツ様?」
第二王子が目ざとく俺の視線に気がつき、動揺をみせる。そりゃ、三十代のおっさんに首筋を見つめられたら気持ち悪いよな。
「うーん。ブリギッタ殿下、首筋を甘噛みしてもよろしいでしょうか?三十歳になりましたが、口臭には自信があります。少しちくっとしますが、噛みますね、ブリギッタ殿下」
「はぁ!?」
「セツ様、お待ち下さい!」
ブリギッタ殿下に近づこうとして、ウルスラに立ちはだかれた。なんだか、いつになく怖い顔をしている。
「セツ様、いけません!第二王子とセツ様の会合については、陛下より許可がおりています。しかし、セツ様が殿下を襲うことは、想定には入っておりません。もしも、我慢ならぬほどの突然の性欲に、セツ様が見舞われていらっしゃるならば、俺の首筋を噛んで下さい!」
「何を言っている、ウルスラ?」
「セツ様との仲に嫌疑を掛けられても、俺ならば大丈夫です。何故なら、拷問には馴れているからです!水責めも鞭打ちにも耐えられます。ですが、第二王子は拷問には慣れておられません。どうぞ、俺の首筋を噛んで下さい、セツ様!」
「いや、待て!乳母兄弟を拷問に掛ける訳にはいかない。セツ様、俺の首筋をおもいっきり噛んで下さい!」
俺は二人のやり取りに、苦笑いを浮かべて口を開いた。
「お二人とも・・私を性欲の塊とでもお思いか?まあ、説明が不足していた自覚はあります。ブリギッタ殿下、右の首筋に呪いの魔方陣が刻まれています。その魔方陣を砕くために、聖女として殿下の首筋に噛みつきたいのです。お許しいただけますでしょうか、ブリギッタ殿下?」
俺は聖女らしく見えることを願いながら、微笑みを交えて丁寧に説明した。まあ、三十歳のおっさんが聖女らしくみえる訳がないけどね。
「せ、聖女様が・・噛みつく」
ブリギッタ殿下が少し頬を赤く染めて、俺を見つめすぐに視線をそらした。いやぁ、陛下の弟なのに反応が可愛いなぁ~。初だねえ~。
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第二王子のブリギッタ殿下は、俺たちをにこやかに執務室に招き入れた。
「聖女様、突然の呼び出しに応じて頂き有り難うございます」
「お久しぶりです、ブリギッタ殿下」
殿下はパウル陛下の同母弟にあたるため、容姿がよく似ている。ウエーブのかかった金髪と碧眼の瞳の美丈夫。でも、ブリギッタ殿下は陛下よりも優しい印象を受けるな。
「さあ、セツ様。どうぞソファーにお座り下さい。乳母兄弟のウルスラより、聖女様は紅茶とチョコレートを好まれると聞きました。用意した紅茶と菓子が口に合うと良いのですが」
「殿下の気遣いに感謝します」
護衛騎士のウルスラと第二王子は、今でも良好な関係にあるようだ。乳母兄弟の絆ってやつか。
それにしても厄介な事になった。
ブリギッタ殿下の右首筋を見て、ため息を付きそうになる。第二王子の首筋には、呪いの魔方陣が刻まれていた。しかも、陛下に刻まれていた呪いの魔方陣より大きく成長している。
「セツ様?」
第二王子が目ざとく俺の視線に気がつき、動揺をみせる。そりゃ、三十代のおっさんに首筋を見つめられたら気持ち悪いよな。
「うーん。ブリギッタ殿下、首筋を甘噛みしてもよろしいでしょうか?三十歳になりましたが、口臭には自信があります。少しちくっとしますが、噛みますね、ブリギッタ殿下」
「はぁ!?」
「セツ様、お待ち下さい!」
ブリギッタ殿下に近づこうとして、ウルスラに立ちはだかれた。なんだか、いつになく怖い顔をしている。
「セツ様、いけません!第二王子とセツ様の会合については、陛下より許可がおりています。しかし、セツ様が殿下を襲うことは、想定には入っておりません。もしも、我慢ならぬほどの突然の性欲に、セツ様が見舞われていらっしゃるならば、俺の首筋を噛んで下さい!」
「何を言っている、ウルスラ?」
「セツ様との仲に嫌疑を掛けられても、俺ならば大丈夫です。何故なら、拷問には馴れているからです!水責めも鞭打ちにも耐えられます。ですが、第二王子は拷問には慣れておられません。どうぞ、俺の首筋を噛んで下さい、セツ様!」
「いや、待て!乳母兄弟を拷問に掛ける訳にはいかない。セツ様、俺の首筋をおもいっきり噛んで下さい!」
俺は二人のやり取りに、苦笑いを浮かべて口を開いた。
「お二人とも・・私を性欲の塊とでもお思いか?まあ、説明が不足していた自覚はあります。ブリギッタ殿下、右の首筋に呪いの魔方陣が刻まれています。その魔方陣を砕くために、聖女として殿下の首筋に噛みつきたいのです。お許しいただけますでしょうか、ブリギッタ殿下?」
俺は聖女らしく見えることを願いながら、微笑みを交えて丁寧に説明した。まあ、三十歳のおっさんが聖女らしくみえる訳がないけどね。
「せ、聖女様が・・噛みつく」
ブリギッタ殿下が少し頬を赤く染めて、俺を見つめすぐに視線をそらした。いやぁ、陛下の弟なのに反応が可愛いなぁ~。初だねえ~。
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