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護衛騎士のウルスラ
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◆◆◆◆◆
いつの間にか眠っていたみたい。目覚めて隣を見るが、陛下はいない。何時もの事だけど何だか寂しい。ベッドに陛下はいないが、一輪の花とメッセージカードが添えられている。
「えーと・・『愛するセツ、俺の愚痴を聞いてくれ。公務が嫌だ。公務が面倒だ。公務が最悪過ぎる。では、公務に行ってくる』なにこれ?何が愛するセツだ。愚痴の部分が多すぎるだろ。もうちょっと、俺に愛を囁けよ~」
俺はメッセージカードを床に投げ飛ばした。でも、花は貰っていく事にする。何故なら、俺の好きな花だからだ。それにしても・・。
「何時もの事だけど・・あんなに精液でどろどろだったベッドが、目覚めるとふかふかでシーツは新品。俺の体も全身ピカピカで、臼衣を身に纏ってる。完璧な仕事だ!」
俺はシーツに顔を埋めたまま、独り言を続ける。
「しかし、尻の中までスッキリ綺麗になっているのは何故だ?寝ている間に湯浴みされて・・中のモノを掻き出されているのか?いや、流石に眠ったまま尻を弄られたら目覚めるよな?うーむ、睡眠薬でも盛られ尻を弄られているのかな。すげー、恥ずかしい状態だよな。ん?まさか、陛下が俺の尻を清めてるなんて事はないよな。流石に国王がそんな事はしないよな。やはり、使用人かな。しかし、知らない人に尻を弄られるとか嫌だな。だからって、知り合いでも嫌だしな。もしも、護衛騎士のウルスラが俺の尻を弄っていたら・・絶対に泣く」
「俺は無実です、セツ様」
「・・・」
部屋に響いた言葉に俺は沈黙した。しかし、無視はできずに恐る恐る声のした方向に視線を向ける。
そこには、護衛騎士のウルスラ・ステンホルムがいた。
「ウルスラ!?」
「陛下の命により衣服をお持ちしました。戦争が近いこともあり、セツ様には常に護衛が付くことになりました。寝室内での護衛も陛下より許可がおりましたので、セツ様がお目覚めになるのをお待ちしておりました」
「そ、そうなんだ・・」
「また、セツ様が三十歳になられたことを機に、情報封鎖を解除する事が陛下より示されました。セツ様のご質問にはできる限り誠実に対応する所存です。これからもよろしくお願いします、セツ様」
やはり、俺は情報弱者だったようだ。不要と思われる情報は何も与えられず、聖女という名の陛下の男妾。
陛下の親友だと思っていた自分が恥ずかしい。恥ずかしくて・・切ない。
「セツ様?」
俺は護衛騎士のウルスラを見つめて口を開いた。
「分かった!では、情報開示の手始めとして誠実に答えなさい!俺の、いや、私の下品すぎる発言をどこまで耳にしたか正直に答えよ、ウルスラ!」
「・・全て耳にしました。申し訳ありません、セツ様」
「ぐおーー!」
俺は恥ずかしさのあまり、ベッド上で蹲った。
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いつの間にか眠っていたみたい。目覚めて隣を見るが、陛下はいない。何時もの事だけど何だか寂しい。ベッドに陛下はいないが、一輪の花とメッセージカードが添えられている。
「えーと・・『愛するセツ、俺の愚痴を聞いてくれ。公務が嫌だ。公務が面倒だ。公務が最悪過ぎる。では、公務に行ってくる』なにこれ?何が愛するセツだ。愚痴の部分が多すぎるだろ。もうちょっと、俺に愛を囁けよ~」
俺はメッセージカードを床に投げ飛ばした。でも、花は貰っていく事にする。何故なら、俺の好きな花だからだ。それにしても・・。
「何時もの事だけど・・あんなに精液でどろどろだったベッドが、目覚めるとふかふかでシーツは新品。俺の体も全身ピカピカで、臼衣を身に纏ってる。完璧な仕事だ!」
俺はシーツに顔を埋めたまま、独り言を続ける。
「しかし、尻の中までスッキリ綺麗になっているのは何故だ?寝ている間に湯浴みされて・・中のモノを掻き出されているのか?いや、流石に眠ったまま尻を弄られたら目覚めるよな?うーむ、睡眠薬でも盛られ尻を弄られているのかな。すげー、恥ずかしい状態だよな。ん?まさか、陛下が俺の尻を清めてるなんて事はないよな。流石に国王がそんな事はしないよな。やはり、使用人かな。しかし、知らない人に尻を弄られるとか嫌だな。だからって、知り合いでも嫌だしな。もしも、護衛騎士のウルスラが俺の尻を弄っていたら・・絶対に泣く」
「俺は無実です、セツ様」
「・・・」
部屋に響いた言葉に俺は沈黙した。しかし、無視はできずに恐る恐る声のした方向に視線を向ける。
そこには、護衛騎士のウルスラ・ステンホルムがいた。
「ウルスラ!?」
「陛下の命により衣服をお持ちしました。戦争が近いこともあり、セツ様には常に護衛が付くことになりました。寝室内での護衛も陛下より許可がおりましたので、セツ様がお目覚めになるのをお待ちしておりました」
「そ、そうなんだ・・」
「また、セツ様が三十歳になられたことを機に、情報封鎖を解除する事が陛下より示されました。セツ様のご質問にはできる限り誠実に対応する所存です。これからもよろしくお願いします、セツ様」
やはり、俺は情報弱者だったようだ。不要と思われる情報は何も与えられず、聖女という名の陛下の男妾。
陛下の親友だと思っていた自分が恥ずかしい。恥ずかしくて・・切ない。
「セツ様?」
俺は護衛騎士のウルスラを見つめて口を開いた。
「分かった!では、情報開示の手始めとして誠実に答えなさい!俺の、いや、私の下品すぎる発言をどこまで耳にしたか正直に答えよ、ウルスラ!」
「・・全て耳にしました。申し訳ありません、セツ様」
「ぐおーー!」
俺は恥ずかしさのあまり、ベッド上で蹲った。
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