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陛下とセツ
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◆◆◆◆◆
エクストランド王国のトップ。
パウル・エクストランド陛下は、ソファーに深々と座り俺を見つめていた。そして、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「セツ、何をしていた?王を待たせるとは、よい度胸だな・・」
俺は一礼して言い訳を口にした。
「陛下、遅れて申し訳ありません。久しぶりのお召しの為、入念に化粧をしてきました。なんと申しましても、今年で三十歳になりましたので・・」
「化粧をしているなら、薄化粧すぎるだろ?俺を煽る気が全く感じられない。俺の聖女のくせに、実に不実だ」
「そう責めないで下さい。陛下が新しい聖女をお迎えになったことは、聞き及んでおります。陛下との別れが辛く泣き濡れては、化粧が醜く剥がれます。私は陛下の為に薄化粧にしたのです。ところで、ソファーに座ってもよいですか、陛下?」
陛下は不意に笑って、ソファーを指差した。そして、快活に笑いながら口を開く。
「お前が俺と二人きりの時に『私』と口にするのを久々に聞いた。悪くないな。ほら、ソファーに座れ。よく来てくれた、セツ」
俺は肩を竦めて陛下を見つめ、ソファーにゆっくりと向かった。だが、陛下の右の首筋に呪いの魔方陣を見つけて眉を潜めた。放っておいても砕ける程度の物だが、聖女の役目として放ってもおけない。
「パウル、右の首筋に呪いが掛かってる。魔方陣を砕くから、そのまま動かないでくれ」
「お、悪いな」
俺はパウルに近づくと、右の首筋にキスをした。パリンと小さな音がして、呪いの魔方陣が砕ける。
「終わったよ、パウル」
「そうか」
不意に陛下に抱かれて、唇を奪われた。差し込まれる舌に俺はゆっくりと応じる。まあ、この役目もあと少しだ。新しく召喚された聖女が、陛下の身を護るだろう。
「んっ・・、はぁ・・陛下」
「久々にキスをしたな、セツ」
「そういえば、そうかも?」
「このまま、寝所に行くか?」
「は?」
「寝所だ。しばらく、お前としていない。その事について話し合いたい」
俺は慌てて、陛下の腕を本気でつねった。そして、パウルの束縛から逃れる。
「うお!おまえ、国王をつねるとかマジか。不敬罪で首をはねるぞ」
俺は再び肩を竦めて、陛下の向かい側のソファーに座った。そして、気になっていた事をパウルに尋ねる。
「早速だけど、パウル。俺は聖女の役目を返上し、新たな聖女を歓迎することを誓う。どうぞ、新しい聖女には優しく接してあげて欲しい。それと、これからの生活費として年金が欲しいのだが、いくら出せる?」
「ちょっと待て、セツ!」
「なんだよ、パウル?」
「確かに聖女は召喚された。だが、お前が聖女の役目を返上する事を俺は認めていない。そんな事は、認められない!」
「いや、そう言われても~。小耳に挟んだところでは、今度の聖女は十代の可愛い女の子らしいじゃないか。良かったな、パウル!」
「確かに聖女は女だが十歳だ」
「ならば、三年は我慢だな。しかし、聖女召喚って完全に犯罪だよな。少女を拐って、十三歳で性交を迫るとか。とにかく、異世界人には優しくしてやってくれ、パウル。じゃあ、これで」
俺が立ち上がると、パウルも立ち上がった。そして、俺の腕を掴むと無理やり引き寄せられた。
「閨の相手をしろ、セツ」
「え、なんでだよ!?」
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パウル・エクストランド陛下は、ソファーに深々と座り俺を見つめていた。そして、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「セツ、何をしていた?王を待たせるとは、よい度胸だな・・」
俺は一礼して言い訳を口にした。
「陛下、遅れて申し訳ありません。久しぶりのお召しの為、入念に化粧をしてきました。なんと申しましても、今年で三十歳になりましたので・・」
「化粧をしているなら、薄化粧すぎるだろ?俺を煽る気が全く感じられない。俺の聖女のくせに、実に不実だ」
「そう責めないで下さい。陛下が新しい聖女をお迎えになったことは、聞き及んでおります。陛下との別れが辛く泣き濡れては、化粧が醜く剥がれます。私は陛下の為に薄化粧にしたのです。ところで、ソファーに座ってもよいですか、陛下?」
陛下は不意に笑って、ソファーを指差した。そして、快活に笑いながら口を開く。
「お前が俺と二人きりの時に『私』と口にするのを久々に聞いた。悪くないな。ほら、ソファーに座れ。よく来てくれた、セツ」
俺は肩を竦めて陛下を見つめ、ソファーにゆっくりと向かった。だが、陛下の右の首筋に呪いの魔方陣を見つけて眉を潜めた。放っておいても砕ける程度の物だが、聖女の役目として放ってもおけない。
「パウル、右の首筋に呪いが掛かってる。魔方陣を砕くから、そのまま動かないでくれ」
「お、悪いな」
俺はパウルに近づくと、右の首筋にキスをした。パリンと小さな音がして、呪いの魔方陣が砕ける。
「終わったよ、パウル」
「そうか」
不意に陛下に抱かれて、唇を奪われた。差し込まれる舌に俺はゆっくりと応じる。まあ、この役目もあと少しだ。新しく召喚された聖女が、陛下の身を護るだろう。
「んっ・・、はぁ・・陛下」
「久々にキスをしたな、セツ」
「そういえば、そうかも?」
「このまま、寝所に行くか?」
「は?」
「寝所だ。しばらく、お前としていない。その事について話し合いたい」
俺は慌てて、陛下の腕を本気でつねった。そして、パウルの束縛から逃れる。
「うお!おまえ、国王をつねるとかマジか。不敬罪で首をはねるぞ」
俺は再び肩を竦めて、陛下の向かい側のソファーに座った。そして、気になっていた事をパウルに尋ねる。
「早速だけど、パウル。俺は聖女の役目を返上し、新たな聖女を歓迎することを誓う。どうぞ、新しい聖女には優しく接してあげて欲しい。それと、これからの生活費として年金が欲しいのだが、いくら出せる?」
「ちょっと待て、セツ!」
「なんだよ、パウル?」
「確かに聖女は召喚された。だが、お前が聖女の役目を返上する事を俺は認めていない。そんな事は、認められない!」
「いや、そう言われても~。小耳に挟んだところでは、今度の聖女は十代の可愛い女の子らしいじゃないか。良かったな、パウル!」
「確かに聖女は女だが十歳だ」
「ならば、三年は我慢だな。しかし、聖女召喚って完全に犯罪だよな。少女を拐って、十三歳で性交を迫るとか。とにかく、異世界人には優しくしてやってくれ、パウル。じゃあ、これで」
俺が立ち上がると、パウルも立ち上がった。そして、俺の腕を掴むと無理やり引き寄せられた。
「閨の相手をしろ、セツ」
「え、なんでだよ!?」
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