✿三国志小話をAI挿絵と共に✿

阮籍と60日目

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『白眼視』

「阮籍どの、私の話を聞いているか？」
　
「司馬昭さま、先ずは酒を酌み交わしましょう。いやぁ、旨い酒だ！」

「‥もうよい。この話は忘れてくれ」
「ん？何の話でしたっけ？」

「失礼する」

60日目にして俺は勝った！司馬一族当主の司馬昭から縁談を持ちかけられて、超迷惑だったが‥どうやら諦めてくれたようだ！

私は何よりも縛られるのが嫌いなんだ。酒を飲み気に入った相手と清談に明け暮れて、あとは寝るだけ。そんな生活が好きだ。

そんな私を縁談を餌に陣営に引き入れようとするなど、無駄無駄無駄！

 そんなわけで、私はこの60日間は司馬昭の前でひたすら酒を呑んで酔い続けた。ふふふ、司馬昭には縁談の話を切り出す隙も与えなかった。

そうして酔い続けること６０日間！司馬昭はついに諦めて帰っていった。これでよい！政争に巻き込まれるのは嫌だからね。私は好きに生きていく。

「阮籍、司馬昭さまが怒って帰ってしまったよ？良かったのかい？」

「いいの、いいの。それより共に飲もう、我が友よ」

「まったく‥竹林の七賢の一人がこれとは困ったものだ」


◇◇◇

三国志時代末の人物。
阮籍（げんせき)