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◆◆◆◆◆
現在、俺は王都にある王立病院に入院している。元婚約者のアナトリーが、全てを手配してくれた。ありがたい。
「サド、リンゴが剥けたぞ」
「ありがとう、アナトリー。ねえ、俺の聴取に来る騎士団副団長って、怖い系?」
「ダミアン = レスピナスは、俺の王立学園時代の学友だ。今は、王国の治安維持を預かる騎士団に所属している。見た目はがっちり体型で顔は怖いが、理不尽に暴力を振るう奴じゃないから安心しろ」
「それはつまり、正当な理由があったら殴りまくる怖い顔の奴って事だよね?」
「殴られる理由があるのか?」
「いや、ない!全然、ない!」
グルボコフスキー家の屋敷前でアナトリーと出逢った俺は、彼に抱きつき必死に嘘を付きまくった。まじで、必死に嘘をついた。
まず、屋敷に侵入した変態犯罪者に長く監禁されていたと嘘をついた。そして、変態野郎に脅されて、犯罪に荷担してしまったと泣きながら告白。少年を殺害するよう強要された俺は、遂に錯乱状態に陥り変態犯罪者を殺してしまったと咽び泣いた。最後に監禁された少年たちを救って欲しいと懇願して、俺はそのまま気絶した。
厄介事を丸投げされたアナトリーは、大いに困った事だろう。それでも、彼は投げ出さずに処理に当たってくれた。もう感謝しかない。今日病室で聴取を受けることになった俺の為に、立ち会いを申し出てくれた。
「ありがとう、アナトリー」
「構わないさ。それより、屋敷の件なんだが、俺の両親が管理を申し出ていているんだが・・サドの考えを聞かせて欲しい」
アナトリーが少し言いにくそうに、屋敷の事を切り出した。俺の父親が亡くなった時に、領地の件でアナトリーの両親と揉めた過去がある。その事があり、俺は彼らとは完全に縁を切った。その影響で、婚約者のアナトリーとも別れる事になった。
「確かに・・アナトリーの両親に、屋敷の管理を任せた方が良いかもしれない。今回の一件で屋敷に一人で住むのが怖くなったから、これからは王都にある邸に住もうかな?王都にはアナトリーもいるしね」
「それは良い考えだと思うぞ」
「だけど、アナトリーの両親は厚意から屋敷の管理を申し出た訳じゃないよね?俺が子を成さずに死んだら、爵位も領地も屋敷も君が引き継ぐことになるだろ?その為の地固めとしか思えないね。いずれは、領地の管理もタイミングをみて申し出ると思うけど違う?」
「・・違わないだろうな」
◆◆◆◆◆
現在、俺は王都にある王立病院に入院している。元婚約者のアナトリーが、全てを手配してくれた。ありがたい。
「サド、リンゴが剥けたぞ」
「ありがとう、アナトリー。ねえ、俺の聴取に来る騎士団副団長って、怖い系?」
「ダミアン = レスピナスは、俺の王立学園時代の学友だ。今は、王国の治安維持を預かる騎士団に所属している。見た目はがっちり体型で顔は怖いが、理不尽に暴力を振るう奴じゃないから安心しろ」
「それはつまり、正当な理由があったら殴りまくる怖い顔の奴って事だよね?」
「殴られる理由があるのか?」
「いや、ない!全然、ない!」
グルボコフスキー家の屋敷前でアナトリーと出逢った俺は、彼に抱きつき必死に嘘を付きまくった。まじで、必死に嘘をついた。
まず、屋敷に侵入した変態犯罪者に長く監禁されていたと嘘をついた。そして、変態野郎に脅されて、犯罪に荷担してしまったと泣きながら告白。少年を殺害するよう強要された俺は、遂に錯乱状態に陥り変態犯罪者を殺してしまったと咽び泣いた。最後に監禁された少年たちを救って欲しいと懇願して、俺はそのまま気絶した。
厄介事を丸投げされたアナトリーは、大いに困った事だろう。それでも、彼は投げ出さずに処理に当たってくれた。もう感謝しかない。今日病室で聴取を受けることになった俺の為に、立ち会いを申し出てくれた。
「ありがとう、アナトリー」
「構わないさ。それより、屋敷の件なんだが、俺の両親が管理を申し出ていているんだが・・サドの考えを聞かせて欲しい」
アナトリーが少し言いにくそうに、屋敷の事を切り出した。俺の父親が亡くなった時に、領地の件でアナトリーの両親と揉めた過去がある。その事があり、俺は彼らとは完全に縁を切った。その影響で、婚約者のアナトリーとも別れる事になった。
「確かに・・アナトリーの両親に、屋敷の管理を任せた方が良いかもしれない。今回の一件で屋敷に一人で住むのが怖くなったから、これからは王都にある邸に住もうかな?王都にはアナトリーもいるしね」
「それは良い考えだと思うぞ」
「だけど、アナトリーの両親は厚意から屋敷の管理を申し出た訳じゃないよね?俺が子を成さずに死んだら、爵位も領地も屋敷も君が引き継ぐことになるだろ?その為の地固めとしか思えないね。いずれは、領地の管理もタイミングをみて申し出ると思うけど違う?」
「・・違わないだろうな」
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