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第三章 新撰組の主な活躍
4 禁門の変と六角獄の悲劇
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禁門の変は、元治元年七月十九日に、京都で起きた事件。蛤御門はまぐりごもんの変、元治の変とも呼ばれる。
「禁門」とは「禁裏の御門」の漢名である。蛤御門は現在の京都御苑の西側に位置している。禁門の変が蛤御門の変とも呼ばれるのは、蛤御門付近が激戦区であった為である。
尊王攘夷論を掲げて京都での政局に関わっていた長州藩は、先の八月十八日の政変で京都を追放されていた。
しかしまだ京都や大坂に潜伏していた長州尊攘派は、密かに行動を続けていた。
そして元治元年七月、御所の西辺である京都蛤御門付近で長州藩兵と会津・桑名藩兵が衝突、ここに戦闘が勃発した。
新撰組は会津藩主、松平容保の命令でこれに出陣。功績を挙げた。
しかし落ち延びた長州勢は長州藩屋敷に火を放ち逃走。戦闘そのものは一日で終わったものの、その上がった火を火元とする大火「どんどん焼け」により京都市街は二日かかって燃え続け、広い範囲で民家や社寺が焼失した。
―――
禁門の変や池田屋事件、これら二つの事件で捕らえられた勤皇の志士たちは、京都の六角の獄舎に繋がれていた。
しかし上述の通り、「どんどん焼け」で京都の街は火の海だった。この獄舎にももうすぐ火が近づいてくる。
かといって今囚人たちを動かしたら、逃亡したり危害を加えるかも知れない。その上、長州藩士やその他の同志がいつ襲ってきて、囚人たちを奪い去ろうとするかも知れない。こういう議論が町奉行所と牢役人との間で激しく交わされた。
結果、300もの兵に周囲を厳重に警戒させ、「破獄を企てた」とでっち上げ、片っ端から斬首する事を決めた。
そして火事の中、全員を斬首して危機を防いだのである。
処刑の後松平容保はこの事を聞いて流石に驚き、酷く叱り飛ばしたという。
この事に関しては、新撰組は一切関係していない。一部では近藤以下獄中に入って槍で刺して回ったという説があるが、それは間違いであった。
しかしこの時、新撰組の山南敬助が街の見回り中にこの光景を目にしており、彼の幕府に対する見方を変えてしまう出来事になってしまった。
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