5 / 5
試みられる対話 その2 『第5話』
しおりを挟む
試みられる対話 その2 第5話
そして、遂にゲームは始まった……始まったのである!!
「じゃ、じゃあまずお題を上げます!」
とりあえず目の前にいる気弱そうな女子が何かお題が書かれた紙を取り出した。……ほぉん?
「ゆりなあちょっとあの子困ってそうじゃない?」
「表現の仕方に困る様なお題を引いちゃったって事でしょ」
ゆりなあは私を見ず、一直線にあの女子を見ていた。それは良いんだけどゆりなあ、圧……圧が凄すぎるッ! これはもう半分殺意と言っても良いレベルね……。
「で……では、始めますう!」
目の前の子はとりあえずリアクションを始める。……ん? 何それ?
……女子は、下から上へドリルの様に上る……っぽいそんなリアクションをしてきたのだ。うん、よくわからない。私何を見せられているの? どんなお題になったらそんなリアクションを取る事になるの?
私はポカンと目の前の光景に呆気を取られた。その時――。
「わかったわ!」
「え?」
隣にいるゆりなあは鬼の形相で手を上げてきた。何、何がわかったの?!
「そのリアクションは『爆速で成長していく木』!」
しーん。一瞬、周りの空気が静まり返った。
「……あ、当たりです」
「へ、へああああ?!?!?」
マジで当たりなの?!
「ふふっ、少なくともこんな簡単な問題私の敵ではないわ」
無茶苦茶凄い笑みを浮かべているゆりなあ。
……待って、わからないと思った私はバカだと遠まわしに言われている様な気がしてきたんだけど。
「えー、それでは次の問題に行きますか」
以降、ゆりなあは鬼の様なスピードと形相で答えまくっていった。
「『トイレに行こうとした時に驚きの物を目撃してしまった』リアクションね!」
「これは『くの字で寝てしまった結果体がくに曲がってしまった人』のリアクション!」
「間違いなく『爆弾を目の前にして目を飛ばした』リアクション!」
シチュエーションが謎過ぎるリアクションに対しても圧倒的正解を飛ばしまくったゆりなあ。ちょっと待って私の出る幕一つもなくね? これ、もしかしてこのまま終わっちゃう奴?
そんな私の想いと裏腹に、今回のイベントは……ゆりなあの圧勝で終わったのだった。
「いやあ楽しかったわねえ。颯子がこんな良いイベント見つけてくれるの中々無かったわよ」
「うんそうだね」
ゆりなあは楽しそうだった……。
「……ねえ」
「何?」
「……ゆりなあってあのゲームやった事あるの?」
私はとりあえずゆりなあに聞いた。
「ええ、もちろん。幼稚園の頃負け知らずだったゲームだったからついつい熱が入っちゃったわ」
「へ、へええぇぇぇ……」
私は以降、ゆりなあを何かしらに誘いに行く時はもしかしたら今日みたいな事態を警戒しないといけなくなったのでは?
とりあえず、ゆりなあの新しい一面を見た今日のイベントであった。
なお、このイベントが学校中でひそひそと噂話が広がり、アナログゲーム部に感心を持つ人は激増。結果としてこのイベントはある意味大成功を迎えたという話らしい。
そして、遂にゲームは始まった……始まったのである!!
「じゃ、じゃあまずお題を上げます!」
とりあえず目の前にいる気弱そうな女子が何かお題が書かれた紙を取り出した。……ほぉん?
「ゆりなあちょっとあの子困ってそうじゃない?」
「表現の仕方に困る様なお題を引いちゃったって事でしょ」
ゆりなあは私を見ず、一直線にあの女子を見ていた。それは良いんだけどゆりなあ、圧……圧が凄すぎるッ! これはもう半分殺意と言っても良いレベルね……。
「で……では、始めますう!」
目の前の子はとりあえずリアクションを始める。……ん? 何それ?
……女子は、下から上へドリルの様に上る……っぽいそんなリアクションをしてきたのだ。うん、よくわからない。私何を見せられているの? どんなお題になったらそんなリアクションを取る事になるの?
私はポカンと目の前の光景に呆気を取られた。その時――。
「わかったわ!」
「え?」
隣にいるゆりなあは鬼の形相で手を上げてきた。何、何がわかったの?!
「そのリアクションは『爆速で成長していく木』!」
しーん。一瞬、周りの空気が静まり返った。
「……あ、当たりです」
「へ、へああああ?!?!?」
マジで当たりなの?!
「ふふっ、少なくともこんな簡単な問題私の敵ではないわ」
無茶苦茶凄い笑みを浮かべているゆりなあ。
……待って、わからないと思った私はバカだと遠まわしに言われている様な気がしてきたんだけど。
「えー、それでは次の問題に行きますか」
以降、ゆりなあは鬼の様なスピードと形相で答えまくっていった。
「『トイレに行こうとした時に驚きの物を目撃してしまった』リアクションね!」
「これは『くの字で寝てしまった結果体がくに曲がってしまった人』のリアクション!」
「間違いなく『爆弾を目の前にして目を飛ばした』リアクション!」
シチュエーションが謎過ぎるリアクションに対しても圧倒的正解を飛ばしまくったゆりなあ。ちょっと待って私の出る幕一つもなくね? これ、もしかしてこのまま終わっちゃう奴?
そんな私の想いと裏腹に、今回のイベントは……ゆりなあの圧勝で終わったのだった。
「いやあ楽しかったわねえ。颯子がこんな良いイベント見つけてくれるの中々無かったわよ」
「うんそうだね」
ゆりなあは楽しそうだった……。
「……ねえ」
「何?」
「……ゆりなあってあのゲームやった事あるの?」
私はとりあえずゆりなあに聞いた。
「ええ、もちろん。幼稚園の頃負け知らずだったゲームだったからついつい熱が入っちゃったわ」
「へ、へええぇぇぇ……」
私は以降、ゆりなあを何かしらに誘いに行く時はもしかしたら今日みたいな事態を警戒しないといけなくなったのでは?
とりあえず、ゆりなあの新しい一面を見た今日のイベントであった。
なお、このイベントが学校中でひそひそと噂話が広がり、アナログゲーム部に感心を持つ人は激増。結果としてこのイベントはある意味大成功を迎えたという話らしい。
0
お気に入りに追加
1
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ネットで出会った最強ゲーマーは人見知りなコミュ障で俺だけに懐いてくる美少女でした
黒足袋
青春
インターネット上で†吸血鬼†を自称する最強ゲーマー・ヴァンピィ。
日向太陽はそんなヴァンピィとネット越しに交流する日々を楽しみながら、いつかリアルで会ってみたいと思っていた。
ある日彼はヴァンピィの正体が引きこもり不登校のクラスメイトの少女・月詠夜宵だと知ることになる。
人気コンシューマーゲームである魔法人形(マドール)の実力者として君臨し、ネットの世界で称賛されていた夜宵だが、リアルでは友達もおらず初対面の相手とまともに喋れない人見知りのコミュ障だった。
そんな夜宵はネット上で仲の良かった太陽にだけは心を開き、外の世界へ一緒に出かけようという彼の誘いを受け、不器用ながら交流を始めていく。
太陽も世間知らずで危なっかしい夜宵を守りながら二人の距離は徐々に近づいていく。
青春インターネットラブコメ! ここに開幕!
※表紙イラストは佐倉ツバメ様(@sakura_tsubame)に描いていただきました。
僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた
楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。
この作品はハーメルン様でも掲載しています。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ベスティエンⅢ【改訂版】
花閂
ライト文芸
美少女と強面との美女と野獣っぽい青春恋愛物語。
恋するオトメと武人のプライドの狭間で葛藤するちょっと天然の少女と、モンスターと恐れられるほどの力を持つ強面との、たまにシリアスたまにコメディな学園生活。
名門お嬢様学校に通う少女が、彼氏を追いかけて地元で恐れられる最悪の不良校に入学。
女子生徒数はわずか1%という環境でかなり注目を集めるなか、入学早々に不良をのしてしまったり暴走族にさらわれてしまったり、彼氏の心配をよそに前途多難な学園生活。
不良たちに暴君と恐れられる彼氏に溺愛されながらも、さらに事件に巻き込まれていく。
人間の女に恋をしたモンスターのお話がハッピーエンドだったことはない。
鐵のような両腕を持ち、鋼のような無慈悲さで、鬼と怖れられ獣と罵られ、己のサガを自覚しながらも
恋して焦がれて、愛さずにはいられない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる