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三
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旦那様のことは大、大好きだけど、彼は精力に満ち溢れたお方。
初夜のときにおもいしった。
あれは学園卒業後の舞踏会、ダンスの後に彼はみんなの前で私を抱きしめて言ったの。
『シルビア、結婚をしよう』
彼と婚約破棄ではなく、彼と結婚。
驚きと、嬉しさに涙がとまらなかった。
一週間後、無事に結婚式も終わり、旦那様と迎えた初夜。
お互い初めでのはず。
式の後、お母様に「シルビアはなにもしなくていいの、エンリス様にすべてお任せしなさい」と言われてた。
私にしては頑張ったネグリジェ――それを見て、興奮した旦那様に速攻ベッドに押し倒された。
『愛しているシルビア。お前は僕のもの……どこにも行かさない』
『エンリス様?』
初めて見た彼の欲望に満ちた瞳、吐息、低い掠れた声。
自分の恥ずかしい喘ぎ声――痛み、すべてが幸せに満ちていた。
彼の腕の中で、幸せに浸りながら眠りに落ちる寸前――ちゅっ、ちゅっキスされた。
そのキスはしだいに激しくなっていく。
えっ? 終わったんじゃないの?
『ひゃん! ま、待って』
『待たない』
旦那様は「まだシルビアを愛し足りない!」痛がるから挿入はせず、朝まで声が枯れるまで喘がされた。
……獰猛な獣。
普段でもえっちが濃いのに、これ以上濃くなられてもこまる。
一番は旦那様に妄想を読ませたくない。
隠れてはいないけど、隠れBL好きでいさせてぇ。
*
静かなサロン。聞こえるのは紙をめくる幸せの音。
前世でも現世でもテンプレもの好きな私はため息をあげた。
(はぁ、王道学園もの最高!)
俺様会長、腹黒副会長、赤髪おかん……なぜBL好きなの? と聞かれても答えに困るけど、果てしなく好き。
「あの、シルビア様よろしいですか?」
サロンで小説を読み回し中、マリア様の手が止まった。
「はい、何でしょうか?」
まさか私の小説に不備? 誤字? 脱字? それはよくあるのだけど……しかし声をかけてきた、アリア様は私ではなく後ろを見ていた。
「背後に飛んでらっしゃる、それはなんでしょうか? サロン一緒に入ってきましたけど……」
「あ、それ。私も気になっておりましたわ」
リリアンさんも? 何かと、振り向くと背後にふわふわ丸い光の球が飛んでいた。
お二人が不思議に思う球、私はこの光の球を知っているーー犯人は旦那様だ。
初夜のときにおもいしった。
あれは学園卒業後の舞踏会、ダンスの後に彼はみんなの前で私を抱きしめて言ったの。
『シルビア、結婚をしよう』
彼と婚約破棄ではなく、彼と結婚。
驚きと、嬉しさに涙がとまらなかった。
一週間後、無事に結婚式も終わり、旦那様と迎えた初夜。
お互い初めでのはず。
式の後、お母様に「シルビアはなにもしなくていいの、エンリス様にすべてお任せしなさい」と言われてた。
私にしては頑張ったネグリジェ――それを見て、興奮した旦那様に速攻ベッドに押し倒された。
『愛しているシルビア。お前は僕のもの……どこにも行かさない』
『エンリス様?』
初めて見た彼の欲望に満ちた瞳、吐息、低い掠れた声。
自分の恥ずかしい喘ぎ声――痛み、すべてが幸せに満ちていた。
彼の腕の中で、幸せに浸りながら眠りに落ちる寸前――ちゅっ、ちゅっキスされた。
そのキスはしだいに激しくなっていく。
えっ? 終わったんじゃないの?
『ひゃん! ま、待って』
『待たない』
旦那様は「まだシルビアを愛し足りない!」痛がるから挿入はせず、朝まで声が枯れるまで喘がされた。
……獰猛な獣。
普段でもえっちが濃いのに、これ以上濃くなられてもこまる。
一番は旦那様に妄想を読ませたくない。
隠れてはいないけど、隠れBL好きでいさせてぇ。
*
静かなサロン。聞こえるのは紙をめくる幸せの音。
前世でも現世でもテンプレもの好きな私はため息をあげた。
(はぁ、王道学園もの最高!)
俺様会長、腹黒副会長、赤髪おかん……なぜBL好きなの? と聞かれても答えに困るけど、果てしなく好き。
「あの、シルビア様よろしいですか?」
サロンで小説を読み回し中、マリア様の手が止まった。
「はい、何でしょうか?」
まさか私の小説に不備? 誤字? 脱字? それはよくあるのだけど……しかし声をかけてきた、アリア様は私ではなく後ろを見ていた。
「背後に飛んでらっしゃる、それはなんでしょうか? サロン一緒に入ってきましたけど……」
「あ、それ。私も気になっておりましたわ」
リリアンさんも? 何かと、振り向くと背後にふわふわ丸い光の球が飛んでいた。
お二人が不思議に思う球、私はこの光の球を知っているーー犯人は旦那様だ。
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