28 / 36
25
しおりを挟む
後日、カーサリアル殿下から招待状が届いた。これは殿下が薬師として、ルルーナの教師を務めてくれるというもの。
ルルーナは両親に話して許可をもらい、手紙の返事を書いた。両親は届いた手紙に押された封蝋を見て王家だと知り、断れないと思ったのだろう。ルルーナに何も聞かず、お受けしなさいと言ってくれた。
カーサリアル殿下に手紙の返信をしてから1週間。薬師の先生をしてくれる日付も決まり、私は早朝から王都へ向かう準備をしていた。
「はじめての、薬師の授業は楽しみですわ」
「ふふ。お嬢様は昨夜から、興奮して眠れていませんでしたものね」
「シャロン、それは言わないでよ」
「本当のことです」
シャロンはメイドというより、姉妹のように仲良くなった。このように気軽におしゃべりができるなんて、一人っ子の私には嬉しいことだった。
(シャロンがいれてくれる、異国の珍しいお茶も楽しみですもの)
毒の話にも付き合ってくれて、ルルーナが余りのめり込むと「ルルーナお嬢様、それ以上は危険です」と止めてくれる優しいお姉さんだ。
「そうだシャロン、動きやすい服も持っていくわ」
もしかしたら、カーサリアル殿下の秘密の採取場所へ連れていってくれるかも。もし、連れていってもらえなくても、屋敷前の畑で薬草の説明をしてもらいたい。
シャロンは動きやすい服をクローゼットから選び、鞄にしまってくれで準備は終わり、あとは王都へ向かうだけ。
「ルルーナお嬢様、屋敷前に馬車が来ました」
「はい、いま行きますわ」
お父様に貸していただいた馬車に乗り込み、ルルーナとシャロンは王都へと向かった。
ルルーナは両親に話して許可をもらい、手紙の返事を書いた。両親は届いた手紙に押された封蝋を見て王家だと知り、断れないと思ったのだろう。ルルーナに何も聞かず、お受けしなさいと言ってくれた。
カーサリアル殿下に手紙の返信をしてから1週間。薬師の先生をしてくれる日付も決まり、私は早朝から王都へ向かう準備をしていた。
「はじめての、薬師の授業は楽しみですわ」
「ふふ。お嬢様は昨夜から、興奮して眠れていませんでしたものね」
「シャロン、それは言わないでよ」
「本当のことです」
シャロンはメイドというより、姉妹のように仲良くなった。このように気軽におしゃべりができるなんて、一人っ子の私には嬉しいことだった。
(シャロンがいれてくれる、異国の珍しいお茶も楽しみですもの)
毒の話にも付き合ってくれて、ルルーナが余りのめり込むと「ルルーナお嬢様、それ以上は危険です」と止めてくれる優しいお姉さんだ。
「そうだシャロン、動きやすい服も持っていくわ」
もしかしたら、カーサリアル殿下の秘密の採取場所へ連れていってくれるかも。もし、連れていってもらえなくても、屋敷前の畑で薬草の説明をしてもらいたい。
シャロンは動きやすい服をクローゼットから選び、鞄にしまってくれで準備は終わり、あとは王都へ向かうだけ。
「ルルーナお嬢様、屋敷前に馬車が来ました」
「はい、いま行きますわ」
お父様に貸していただいた馬車に乗り込み、ルルーナとシャロンは王都へと向かった。
63
お気に入りに追加
78
あなたにおすすめの小説
だってお義姉様が
砂月ちゃん
恋愛
『だってお義姉様が…… 』『いつもお屋敷でお義姉様にいじめられているの!』と言って、高位貴族令息達に助けを求めて来た可憐な伯爵令嬢。
ところが正義感あふれる彼らが、その意地悪な義姉に会いに行ってみると……
他サイトでも掲載中。
毒はお好きですか? 浸毒の令嬢と公爵様の結婚まで
屋月 トム伽
恋愛
産まれる前から、ライアス・ノルディス公爵との結婚が決まっていたローズ・ベラルド男爵令嬢。
結婚式には、いつも死んでしまい、何度も繰り返されるループを終わらせたくて、薬作りに没頭していた今回のループ。
それなのに、いつもと違いライアス様が毎日森の薬屋に通ってくる。その上、自分が婚約者だと知らないはずなのに、何故かデートに誘ってくる始末。
いつもと違うループに、戸惑いながらも、結婚式は近づいていき……。
※あらすじは書き直すことがあります。
※小説家になろう様にも投稿してます。
人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。
アシュリーの願いごと
ましろ
恋愛
「まあ、本当に?」
もしかして。そう思うことはありました。
でも、まさか本当だっただなんて。
「…それならもう我慢する必要は無いわね?」
嫁いでから6年。まるで修道女が神に使えるが如くこの家に尽くしてきました。
すべては家の為であり、夫の為であり、義母の為でありました。
愛する息子すら後継者として育てるからと産まれてすぐにとりあげられてしまいました。
「でも、もう変わらなくてはね」
この事を知ったからにはもう何も我慢するつもりはありません。
だって。私には願いがあるのだから。
✻基本ゆるふわ設定です。
気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。
✻1/19、タグを2つ追加しました
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。
異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ
トール
恋愛
会社帰り、駅までの道程を歩いていたはずの北野 雅(36)は、いつの間にか森の中に佇んでいた。困惑して家に帰りたいと願った雅の前に現れたのはなんと実家を模した家で!?
自身が願った事が現実になる能力を手に入れた雅が望んだのは冒険ではなく、“森に引きこもって生きる! ”だった。
果たして雅は独りで生きていけるのか!?
実は神様になっていたズボラ女と、それに巻き込まれる人々(神々)とのドタバタラブ? コメディ。
※この作品は「小説家になろう」でも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる