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 後日、カーサリアル殿下から招待状が届いた。これは殿下が薬師として、ルルーナの教師を務めてくれるというもの。

 ルルーナは両親に話して許可をもらい、手紙の返事を書いた。両親は届いた手紙に押された封蝋を見て王家だと知り、断れないと思ったのだろう。ルルーナに何も聞かず、お受けしなさいと言ってくれた。

 カーサリアル殿下に手紙の返信をしてから1週間。薬師の先生をしてくれる日付も決まり、私は早朝から王都へ向かう準備をしていた。

「はじめての、薬師の授業は楽しみですわ」
「ふふ。お嬢様は昨夜から、興奮して眠れていませんでしたものね」

「シャロン、それは言わないでよ」
「本当のことです」

 シャロンはメイドというより、姉妹のように仲良くなった。このように気軽におしゃべりができるなんて、一人っ子の私には嬉しいことだった。

(シャロンがいれてくれる、異国の珍しいお茶も楽しみですもの)

 毒の話にも付き合ってくれて、ルルーナが余りのめり込むと「ルルーナお嬢様、それ以上は危険です」と止めてくれる優しいお姉さんだ。

「そうだシャロン、動きやすい服も持っていくわ」

 もしかしたら、カーサリアル殿下の秘密の採取場所へ連れていってくれるかも。もし、連れていってもらえなくても、屋敷前の畑で薬草の説明をしてもらいたい。

 シャロンは動きやすい服をクローゼットから選び、鞄にしまってくれで準備は終わり、あとは王都へ向かうだけ。

「ルルーナお嬢様、屋敷前に馬車が来ました」
「はい、いま行きますわ」

 お父様に貸していただいた馬車に乗り込み、ルルーナとシャロンは王都へと向かった。
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