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第二章 ストレーガ国までの帰路
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「お邪魔するね」
シエルさんのリビングのテーブルに、ラエルさんが持ってきた資料を広げて、クレの仲間――ドラゴンがいそうな場所を、古代地図と今の地図を見ながら推測する。
はるか昔、ここクセ大陸にはドラゴンが住んでいた、と記される書物も幾つか残っていると、シエルさんが話して。
今の地図を指差す。
「ラエル、ルー、俺が思う怪しい場所は――東の洞窟の奥、北の未開発の大地、南の大穴と呼ばれるところかな?」
「洞窟、未開発の土地、大穴は滅多に人が行かない場所だね……それに、無理にドラゴンの群れを探さなくても、亜人種族の竜人族でもいいかな?」
「そうだな。竜人族なら、ドラゴンのクレを預かってくれるな」
亜人種族?
竜人?
私は地図と書物を見る、シエルさんとラエルさんの話を静かに聞いている。このヘクセ大陸のことは詳しくないし、亜人、竜人と言われても――前世、小説、ゲームでしかみたことがない。
――本当にいるの? ドラゴンのクレちゃんがいたのだから、もしかして? と、顔には出さないがワクワクしながら話を聞いていた。
「兄貴、この本に竜人はドラゴニュートとも言われ、二足歩行、竜もしくは、ドラゴンの姿をしている獣人と書いてあるよ」
「獣人か……書物では読んだことがあるが。まだ見たことがないから、実際にいるのかもわからないな」
獣人かぁ~人の姿にモフモフの、耳と尻尾が付いているのよね。この世界の何処かにいるのなら、一度は会ってみたい。
「喉が渇いたな、紅茶でも飲むか」
「手伝います」
シエルさんとキッチンに向かい、紅茶とお茶菓子を用意した。お茶をしながら2時間――ラエルさんが持ってきた資料、魔導書、地図を確認しながら、行く場所を決めていた。
そして決まったのは。初めに話していたヘクセ大陸の東の洞窟の奥、北の未開発の大地、南の大穴に決定した。
「どれも許可がいるな。明日、国王陛下に謁見して許可を取ろう」
「わかった。明日のお昼過ぎに、王城の門の前で待っているね。ルーチェさん、婚約したてなのに長いことお邪魔してごめんね」
「ラエルさん、気にしないで。私も早くクレちゃんを仲間のところに、連れて行ってあげたいです」
ラエルさんは「そうだね」と笑い。
また明日、と帰っていった。
「ふうっ、結構大変かもな」
「大変だけど、シエルさん楽しそうだわ」
「ああ、楽しいな。いままでに、会ったことがない種族と会えるかもしれない。そして見つけたら、その種族が使用する、俺達とは違う魔法が見える」
「違う魔法⁉︎ それは楽しみだわ」
微笑むと、シエルさんも私をみて微笑んだ。そして、私にプレゼントと言い、懐からお揃いの赤い石がついた指輪を取り出した。
「婚約指輪だ……と言いたいが、俺のお古の指輪だ」
「シエルさんのお古? だとすると魔法の指輪? 欲しい、早くつけて」
「魔法の指輪?……ククッ、そうだな。この指輪にはルーを守る魔法を付与した――お古は嫌がるかと思ったが、俺の思い違いだったな」
シエルさんは私の左手の薬指に、指輪を着けてくれる。
私も彼から指輪を受け取り、左手の薬指に指輪を着けた。
シエルさんの瞳と同じ色だ。
「えへへ、嬉しい。大切にするね」
「ああ……と言いたいが。今、魔法で取れなくした」
「ええ?」
「ククッ、嘘だよ、大切にしてくれ」
シエルさんが笑いながら、私の頬に触れた。
その手に擦り寄り彼を見つめると「ルー」と呼ばれて、彼の赤い瞳が細れられ近付く……あ、キスされる……と、瞳を瞑った。
シエルさんのリビングのテーブルに、ラエルさんが持ってきた資料を広げて、クレの仲間――ドラゴンがいそうな場所を、古代地図と今の地図を見ながら推測する。
はるか昔、ここクセ大陸にはドラゴンが住んでいた、と記される書物も幾つか残っていると、シエルさんが話して。
今の地図を指差す。
「ラエル、ルー、俺が思う怪しい場所は――東の洞窟の奥、北の未開発の大地、南の大穴と呼ばれるところかな?」
「洞窟、未開発の土地、大穴は滅多に人が行かない場所だね……それに、無理にドラゴンの群れを探さなくても、亜人種族の竜人族でもいいかな?」
「そうだな。竜人族なら、ドラゴンのクレを預かってくれるな」
亜人種族?
竜人?
私は地図と書物を見る、シエルさんとラエルさんの話を静かに聞いている。このヘクセ大陸のことは詳しくないし、亜人、竜人と言われても――前世、小説、ゲームでしかみたことがない。
――本当にいるの? ドラゴンのクレちゃんがいたのだから、もしかして? と、顔には出さないがワクワクしながら話を聞いていた。
「兄貴、この本に竜人はドラゴニュートとも言われ、二足歩行、竜もしくは、ドラゴンの姿をしている獣人と書いてあるよ」
「獣人か……書物では読んだことがあるが。まだ見たことがないから、実際にいるのかもわからないな」
獣人かぁ~人の姿にモフモフの、耳と尻尾が付いているのよね。この世界の何処かにいるのなら、一度は会ってみたい。
「喉が渇いたな、紅茶でも飲むか」
「手伝います」
シエルさんとキッチンに向かい、紅茶とお茶菓子を用意した。お茶をしながら2時間――ラエルさんが持ってきた資料、魔導書、地図を確認しながら、行く場所を決めていた。
そして決まったのは。初めに話していたヘクセ大陸の東の洞窟の奥、北の未開発の大地、南の大穴に決定した。
「どれも許可がいるな。明日、国王陛下に謁見して許可を取ろう」
「わかった。明日のお昼過ぎに、王城の門の前で待っているね。ルーチェさん、婚約したてなのに長いことお邪魔してごめんね」
「ラエルさん、気にしないで。私も早くクレちゃんを仲間のところに、連れて行ってあげたいです」
ラエルさんは「そうだね」と笑い。
また明日、と帰っていった。
「ふうっ、結構大変かもな」
「大変だけど、シエルさん楽しそうだわ」
「ああ、楽しいな。いままでに、会ったことがない種族と会えるかもしれない。そして見つけたら、その種族が使用する、俺達とは違う魔法が見える」
「違う魔法⁉︎ それは楽しみだわ」
微笑むと、シエルさんも私をみて微笑んだ。そして、私にプレゼントと言い、懐からお揃いの赤い石がついた指輪を取り出した。
「婚約指輪だ……と言いたいが、俺のお古の指輪だ」
「シエルさんのお古? だとすると魔法の指輪? 欲しい、早くつけて」
「魔法の指輪?……ククッ、そうだな。この指輪にはルーを守る魔法を付与した――お古は嫌がるかと思ったが、俺の思い違いだったな」
シエルさんは私の左手の薬指に、指輪を着けてくれる。
私も彼から指輪を受け取り、左手の薬指に指輪を着けた。
シエルさんの瞳と同じ色だ。
「えへへ、嬉しい。大切にするね」
「ああ……と言いたいが。今、魔法で取れなくした」
「ええ?」
「ククッ、嘘だよ、大切にしてくれ」
シエルさんが笑いながら、私の頬に触れた。
その手に擦り寄り彼を見つめると「ルー」と呼ばれて、彼の赤い瞳が細れられ近付く……あ、キスされる……と、瞳を瞑った。
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