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 抜け道の通路をとおっている。進めば進むほど、なかは迷路のようにいりくみ、通路が右と左に分かれていた。
 
 騎士とメイドから逃げようと隠し通路に入ったけど、進む道まで覚えていない。

「あ、また左と右に道が分かれてる……どっちに進めばいいかな?」

「さっきは左でしたから……右手ですかね?」
「ボクは右だと思うっス」
「キュン、キュン!」

 福ちゃんとガット君の意見は分かれるし、子犬ちゃんは好き勝手に勝手に行こうとする。シエル先輩の匂いを追っているのかと、進んだ先は誰もいない厨房。

 デーブルに騎士達の夜食の、ロールパンとスープが置いてあった。

「キュン」

「子犬ちゃん、お腹空いてるの?」
「ボクもロールパン食べるっス」

「子犬様、ガットいまは急がないと!」

 私も小腹が空いていたので「いただきます」と、ロールパンを数個、近くの果物も貰いカゴに入れ。マジックバッグ――カバンの中にしまって。ロールパンひとつにかぶりついた。

「お嬢まで……」

「……だって、福ちゃんお腹空いたから、腹ごしらえだよ……さぁ、急がないと、い、行きましょう」

 みんなでロールパンを食べながら、細くなった通路を通り、階段を上がったり降りたり……着いた先はお風呂場。豪華な寝室? 執務室だと、何度か違う場所に出ながら進み。頭の上の扉からうっすら光が入り込む……その扉を上に押し上げた。



 "バタン"

「また、蜘蛛の巣……ペッペ……ここもホコリと、蜘蛛の巣が酷いね。さて、ここはどこかな?」

 見渡す限りのライトの灯り、ステンドグラス、祭壇? 聖書台……身廊、並んだ木製の座席ここって目指していた西奥の教会の中だ。

「お嬢、教会です、着いたようですね」
「姉さん、抱っこ」
「キュンキュン」

 福ちゃんは頭の上に止まり、子犬ちゃんとガット君を抱っこして、外にでる階段を登りでると聖書台の近く。

「え、カロール殿下とイアンが倒れてる?」

「ルー?」
「ルーチェさん?」

 祭壇から現れた私に驚く、汚れたシャツとスラックス姿の先輩と、黒いローブ姿のラエルさんがいた。
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