女神の間違いで落とされた、乙女ゲームの世界でオレは愛を手に入れる。

にのまえ

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「ルテ……」

 フォルテの意外なとこらからの登場に、オレの頬はボッと熱くなる。それは少し前――フォルテを思い、フォルテのベッドでいたしていだからだ。

(オレがしたことに、フォルテは気付くかな?)

 汚してしまったシーツと下着、フォルテのシャツはお風呂場で一緒に洗った。新品のシーツに取り替えたし、フォルテのだが……新しいシャツを着ているが、問題は下着だ。自分の部屋に取りに戻っていないから、いま下着は着けていない。

 フォルテに触られたら、すぐにわかるだろう。
 ただでさえ本人が部屋に現れて、好きな香りが濃くなって……チンコは反応している。

 フォルテは優しく笑い。
 
「こんばんわ、タヤ。風呂に入っていたんだ」
 
「ん、ん――そうだよ。ルテ、こんばんわ。いきなり、ウォークインクローゼットから現れて驚いた」

 と言ったオレに。フォルテは緊急用の転移魔法を使用して、王城からきたと言った。

「え、緊急用? 使ってよかったのか?」

「ああ、フォックス王子が私のタヤを狙ったと。シンギさんとロッサ嬢に報告を受けたからね」

「え、ロッサにも?」

 あの後……"用事があるから"と屋敷に帰ったんじゃなくて。さっきの事を、フォルテに伝えに王都まで行ってくれたんだ。

「まさか、アイツが私のタヤに近付くとはな。しばらく会えなかったから、私の香りが薄くなったか……?」
 
「ルテの香り? そ、そっか……」

 オレがフォルテの恋人だと、フォルテの香りで、他の人を牽制していると前に聞いている。
 
「今は私の香りつけよりも――抱きしめてもいい?」 

「だ、だきしめ? …………いいよ」

「ん? 今日のタヤ、よそよそしくないか? 私が来たのはまずかった?」
 
「ぜんぜん、まずくない!」

 シャツの裾を両手でつかみ――ブンブン首を横に振った。その姿をみて瞳を細めたフォルテは、オレの手をひき腕の中に抱きしめて、シャツの上からオレのお尻をひと撫でした。

「あ、やっ、……ル、ルテ、待って」
「タヤ? なぜ、下着を着けていない?」

 フォルテに、サワサワとお尻を撫でられる。

「……ン、んん、そ、それは」
「私に言えないこと?」

 オレが逃げないことがわかっているフォルテは、小さな尻を尻尾ごと鷲づかみ、固くなった己の熱杭を押し当てた……あ、フォルテの熱い。オレも硬くなった自分の杭をあてた。

「フォルテ……」
「タヤ、ずいぶんと積極的だな。あ、もしかして……1人でした?」

「……した。ルテのシャツを着てベッドで……ひとりエッチした」

「私のベッドで、ひとりで?」

「…………うん」

 どうやって? と。詳しく聞きたそうなフォルテの瞳。オレはシャツを捲し上げて、先走りでヌルヌルな自分の杭を手でさする。

「あ、ああ……んん、ルテ、オレのも触って」
 
 見上げると、フォルテの瞳と瞳がかち合う。欲望に満ちた熱い瞳、ゴクッと喉を鳴らしてオレの唇を奪った。
 
「残念だ……ハァ、ハァ、もう少し早く来られたのなら、タヤの可愛い姿が見れたのか……」

 そのフォルテの熱がオレにもうつる。

「気持ちいい……ルテ、ルテェ」
「タヤ、ここか?」
「ん、いい……」

 互いを求め合い、服を脱ぎ捨て。久しぶりの2匹の獣は時間が許すまで、甘いときを過ごした。
 
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