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私は焼き鳥を持ったまま、何者かに手を掴まれて木の中へと連れ込まれた。途中、精霊の地で感じたピリリと肌に感じた。
(どこかの結界の中に入ったのかしら? そうだ昨日、シシがこの森にエルフが住んでいると言っていたから? 私の手を掴んだのはエルフ?)
私は驚き瞑ってしまった瞳を開けた。――え? オールの森よりも緑が濃く、木々が生い茂り空気が澄んでいる。私たちがいる場所から、民家らしい建物もいくつか見えた。
そして何より驚くのが。私の手を掴んでいるのは金髪、碧眼、色白、細身、耳長のアオザイに似た衣装を着た美しい男。この男は私の手を掴みながら、焼きたてのピヨピヨのお肉を凝視していた。
「焼きたてですよ、食べますか?」
と聞いた私に。
男は睨みつけて。
「そのピヨピヨ鳥の肉には毒があるはずだ! 食べたら死ぬ」
「えぇありますが。ピヨピヨの毒はハツの周りだけなので、綺麗に取り除けば食べれますよ」
「な、なに? ハツの周りだけに毒? 味は? それを食べてもいいか?」
私を木の中へと引き摺り込んで、この辺へと呼んだ理由がありそうなのに。エルフの男はピヨピヨの焼き鳥が、気になっているようだ。私はシシとチェルの焼き鳥を、そのエルフに渡したすと。男は焼き鳥のにおいを嗅ぎ、臭みがないか確かめると、お肉を一口食べた。
「う、うまい! 臭みがない肉は初めてだ」
美味しそうに焼き鳥を食べはじめる男に。私はおかしいと、前世と今世で読んだ本に、エルフは肉を好んで食べないと書いてあった。喜んで食べる男に……やはり実際に出会ってみないと、分からないことがあるのだと知った。
「アーシャ!」
「ママ!」
シシは。エルフはボクに対して友好的だからと安心していた。だが、最愛のアーシャが木の中へと消えた。昼食の手伝いのため人型へと戻っていたシシは静かに怒りながら、いまにも泣きそうなチェルに「ママは大丈夫」だと伝えると。魔法でカマドの火を消してフェンリルの姿に戻る。シシを見て、子フェンリルになったチェルを背中に乗せた。
目の前の。アーシャが消えた木に「ボクの許しもなく! ボクの妻を連れていくとは、どういうつもりだ!」と、連れて行ったモノに対して威嚇した。チェルも負けずに「ママを返せ!」とシシの真似をする。
「チェル、なかなか良い威嚇だ。よし、ママを追うぞ」
「うん、ママ!」
アーシャが連れ込まれた木の中へと、2人は飛び込んだ。
(どこかの結界の中に入ったのかしら? そうだ昨日、シシがこの森にエルフが住んでいると言っていたから? 私の手を掴んだのはエルフ?)
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そして何より驚くのが。私の手を掴んでいるのは金髪、碧眼、色白、細身、耳長のアオザイに似た衣装を着た美しい男。この男は私の手を掴みながら、焼きたてのピヨピヨのお肉を凝視していた。
「焼きたてですよ、食べますか?」
と聞いた私に。
男は睨みつけて。
「そのピヨピヨ鳥の肉には毒があるはずだ! 食べたら死ぬ」
「えぇありますが。ピヨピヨの毒はハツの周りだけなので、綺麗に取り除けば食べれますよ」
「な、なに? ハツの周りだけに毒? 味は? それを食べてもいいか?」
私を木の中へと引き摺り込んで、この辺へと呼んだ理由がありそうなのに。エルフの男はピヨピヨの焼き鳥が、気になっているようだ。私はシシとチェルの焼き鳥を、そのエルフに渡したすと。男は焼き鳥のにおいを嗅ぎ、臭みがないか確かめると、お肉を一口食べた。
「う、うまい! 臭みがない肉は初めてだ」
美味しそうに焼き鳥を食べはじめる男に。私はおかしいと、前世と今世で読んだ本に、エルフは肉を好んで食べないと書いてあった。喜んで食べる男に……やはり実際に出会ってみないと、分からないことがあるのだと知った。
「アーシャ!」
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