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チェルの喜びを伝えていて、話すのを忘れていたたと。ナナちゃんの魔力が込められた、虹色に光る魔力石をシシから渡された。チェルの魔力を込めたら魔力石は長に渡したと伝えてくれた。
「コレは大切なモノだから保護魔法をかけて、ペンダントにして、チェルの首にかけてあげよう」
「保護魔法? いいわね。使っていないペンダントに、この魔力石を付けましょう」
後。ジャムと砂糖漬けは、みんなでひとなめ、食べて喜んてくれたと。ポプリを送った長とナナちゃんは大喜びで、自分の部屋へ飾ったと教えてもらった。
(今度はバラのジャムと、バラの砂糖漬けにしようかしら?)
+
翌日の午後、お父様とお母様から魔法ポストに荷物が届く。さっそく開けてみると魔法ポストの中身は、私が頼んだモノのほかに。チェルからのお手紙に喜んだ両親から、何枚もの返事のお手紙。
返信用の便箋が数種類、大量のチェルの服、お絵描きセット、オモチャ、ぬいぐるみ、チェルの好きなお菓子の詰め合わせが入っていた。
「まあ、こうなると予想はしていたけど……予想以上だわ」
「ハハハッ。お昼寝から目を覚ました、チェルがコレを見たらそうとう喜ぶな」
「えぇ瞳をキラキラさせて喜ぶわ。――あ、見てシシ、私達の服もだけど、すべての服にクリーン魔法が施されてる……コレなら、汚れてもすぐ洗えば落とせるわね」
「ああ、洗濯が楽になるのはいいな」
ほかに。頼んだコメ、小麦粉、ジャガイモなどの野菜を、薬草ポストから取り出し。取り出しやすいように、袋などに小分けにしてアイテムボックスにしまう。
(お肉はシシが狩ってくるし、お魚はみんなで釣りをすればいい。いま家にある食料分も入れると……)
「シシ。この量なら、半年は旅に出ても困らないわ」
「半年も持つのか。なら、旅の途中で買い出しに行かなくてもよさそうだな」
「ええ、浄化だけに集中できるわ――あとは私の頑張り次第で、すぐ家に帰れるわね」
「アーシャ頑張りすぎはダメだよ。ボクもチェルも心配する」
わかったと頷くと。また魔法ポストが光りだして、お父様とお母様からの荷物が届く。今度は何かと覗くといくつもの透明な瓶に入っていた。一つ手に取り確認すると、瓶に貼られたラベルに薬草クッキー、薬草ティーと書いてあった。
「これって、私が考案した薬草クッキーと薬草ティーだわ」
本来の薬草クッキーと薬草ティーは。日持ちと魔力が回復するのだけど、薬草独特の苦味がある。軽量で、値段もポーションよりもかなり安く、冒険者たちが依頼で遠出するときに持っていくのだけど……美味しくないと、あまり人気のない商品だ。
私はどうにか苦味を消せないか試行錯誤して。砂糖の代わりに蜂の魔物カカーのハチミツを加えることで、苦味が消えることがわかったが。すでに苦味を知っている冒険者たちは「ポーションでいい」と。このレシピは普及しなかった。
――どうしてかも、わかってる。カカーのハチミツを売ってえたお金で、ポーションを買えばいいの。いまは私と、お父様達だけが知っているレシピだ。
「こんなに、たくさんのクッキーと茶を送ってくれたな。――ほら、アーシャのことを父さんと母さんも心配してるぞ」
「う、うん、わかった。無理はしないわ……あ、あとは手紙と本?」
魔法ポストの中に手紙と本が残っている。手紙の封を切り取り出した手紙には、これ迄に見たことがない文字が書かれていて。一緒に届いた本の背表紙に、ドラコーン語辞書と書いてあった。
「ドラコーン語? 著者ローラン・シシリア? この本、お父様が書いた本?」
「ククク、父さんらしいね」
「そうだけど……ところで、シシはこの文字が読めるの?」
ニコッと笑い、コクリと頷くシシ。
「ああ、読めるよ。昔、ドラゴンの友達がいたからね」
「ドラゴンの友達? それも凄いけど。じゃ読んで、この手紙を読んで!」
「ダメ! 手紙の下に『アーシャには教えるな』ってボク宛に書いてあるから、自力で解くんだよ」
「ええ!」
「そのドラコーン語を教えたはボクだし。その辞書は、今から浄化の旅をがんばるアーシャへのプレゼント。父さんが作った、アーシャしか持っていない辞書だよ」
――ええ! 私だけが持っている辞書⁉︎
「うれしい! さっそく、この手紙を読んでみなくちゃ!」
お父様から贈られた、辞書と手紙を抱きしめた。
「コレは大切なモノだから保護魔法をかけて、ペンダントにして、チェルの首にかけてあげよう」
「保護魔法? いいわね。使っていないペンダントに、この魔力石を付けましょう」
後。ジャムと砂糖漬けは、みんなでひとなめ、食べて喜んてくれたと。ポプリを送った長とナナちゃんは大喜びで、自分の部屋へ飾ったと教えてもらった。
(今度はバラのジャムと、バラの砂糖漬けにしようかしら?)
+
翌日の午後、お父様とお母様から魔法ポストに荷物が届く。さっそく開けてみると魔法ポストの中身は、私が頼んだモノのほかに。チェルからのお手紙に喜んだ両親から、何枚もの返事のお手紙。
返信用の便箋が数種類、大量のチェルの服、お絵描きセット、オモチャ、ぬいぐるみ、チェルの好きなお菓子の詰め合わせが入っていた。
「まあ、こうなると予想はしていたけど……予想以上だわ」
「ハハハッ。お昼寝から目を覚ました、チェルがコレを見たらそうとう喜ぶな」
「えぇ瞳をキラキラさせて喜ぶわ。――あ、見てシシ、私達の服もだけど、すべての服にクリーン魔法が施されてる……コレなら、汚れてもすぐ洗えば落とせるわね」
「ああ、洗濯が楽になるのはいいな」
ほかに。頼んだコメ、小麦粉、ジャガイモなどの野菜を、薬草ポストから取り出し。取り出しやすいように、袋などに小分けにしてアイテムボックスにしまう。
(お肉はシシが狩ってくるし、お魚はみんなで釣りをすればいい。いま家にある食料分も入れると……)
「シシ。この量なら、半年は旅に出ても困らないわ」
「半年も持つのか。なら、旅の途中で買い出しに行かなくてもよさそうだな」
「ええ、浄化だけに集中できるわ――あとは私の頑張り次第で、すぐ家に帰れるわね」
「アーシャ頑張りすぎはダメだよ。ボクもチェルも心配する」
わかったと頷くと。また魔法ポストが光りだして、お父様とお母様からの荷物が届く。今度は何かと覗くといくつもの透明な瓶に入っていた。一つ手に取り確認すると、瓶に貼られたラベルに薬草クッキー、薬草ティーと書いてあった。
「これって、私が考案した薬草クッキーと薬草ティーだわ」
本来の薬草クッキーと薬草ティーは。日持ちと魔力が回復するのだけど、薬草独特の苦味がある。軽量で、値段もポーションよりもかなり安く、冒険者たちが依頼で遠出するときに持っていくのだけど……美味しくないと、あまり人気のない商品だ。
私はどうにか苦味を消せないか試行錯誤して。砂糖の代わりに蜂の魔物カカーのハチミツを加えることで、苦味が消えることがわかったが。すでに苦味を知っている冒険者たちは「ポーションでいい」と。このレシピは普及しなかった。
――どうしてかも、わかってる。カカーのハチミツを売ってえたお金で、ポーションを買えばいいの。いまは私と、お父様達だけが知っているレシピだ。
「こんなに、たくさんのクッキーと茶を送ってくれたな。――ほら、アーシャのことを父さんと母さんも心配してるぞ」
「う、うん、わかった。無理はしないわ……あ、あとは手紙と本?」
魔法ポストの中に手紙と本が残っている。手紙の封を切り取り出した手紙には、これ迄に見たことがない文字が書かれていて。一緒に届いた本の背表紙に、ドラコーン語辞書と書いてあった。
「ドラコーン語? 著者ローラン・シシリア? この本、お父様が書いた本?」
「ククク、父さんらしいね」
「そうだけど……ところで、シシはこの文字が読めるの?」
ニコッと笑い、コクリと頷くシシ。
「ああ、読めるよ。昔、ドラゴンの友達がいたからね」
「ドラゴンの友達? それも凄いけど。じゃ読んで、この手紙を読んで!」
「ダメ! 手紙の下に『アーシャには教えるな』ってボク宛に書いてあるから、自力で解くんだよ」
「ええ!」
「そのドラコーン語を教えたはボクだし。その辞書は、今から浄化の旅をがんばるアーシャへのプレゼント。父さんが作った、アーシャしか持っていない辞書だよ」
――ええ! 私だけが持っている辞書⁉︎
「うれしい! さっそく、この手紙を読んでみなくちゃ!」
お父様から贈られた、辞書と手紙を抱きしめた。
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