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 冒険者ギルドの応接間で、受付嬢が呼びにいった、ギルドマスターを私は待っている。だがギルドマスターは忙しいのだろうか、数分待っても現れなかった。

(フウッ、ギルドマスターはまだかしら……作ってきた無限ボックスとお金を渡して、話を付けたら、すぐシシとチェルのところへ戻ろうと思っていたのに……)

 約束の3時を過ぎても現れない、ギルドマスターをまだかと待っている。応接間の扉がガチャッと開いた音と、バタンと扉が閉まる聞こえたが、誰も入ってきた気配がなかった。

(風で扉がひらいた? それとも魔法で誰かが姿を消している? いまは魔力が少ないせいか、姿は確認できない……)

 いつもはわかる事がわからない、魔力がないって怖い。目をこらして応接間を見渡している、私の隣のソファがギシッとしなった。――ウソ、誰かが隣に座った? 誰だと、ソファから立ちあがろうとした、私の手を誰かが握った。

「だ、誰ですか? 隣にいることはわかっています!」

〈ボクだ、シシだ。アーシャ落ち着いて〉
〈え? シ、シシなの? 何かあった?〉

 手を握られてまま、姿は見えない隣にいるといったシシを見つめた。シシにアーシャと呼ばれて、唇に彼の唇を感じた。

〈ちょっと、いきなり何するの! うれしいけと、チェルもいるのに〉
 
〈可愛い顔でボクを見つめるからしちゃった、ごめん。チェルは少し何かあって眠らせた〉

 ――え? シシは私にシシカバの広場で見た事、聞いた事を私に話してくれた。

〈アウスターの騎士がシシカバの街に来ていて、ここで魔導具を使ったの?〉
 
〈……ああ〉

(だとすると、さっきの耳鳴りは魔導具だったのか……まさか、私がここにいることがバレている?)

 でも、どうして? まさか、この前シシカバに来たときの肉屋での出来事? 受付嬢から報告を受けた、ギルドマスターが不審に思い国に報告した? それとも、ポーションの出来がほかの人より出来が良すぎた? いいえ、少し前にクエストで倒したビックベア?

 ――考えだすと、どれも原因の一つに思えた。
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