28 / 110
27
しおりを挟む
誰かの結界にはいるとき、肌がピリピリすることが分かった。――これはお父様とお母様に伝えなくてわ。おふたりは面白いといって研究をはじめるだろう。
結界の中――精霊の地はルーレンズの森よりも、ひどく瘴気に覆われていた。なぜここが? ここは神聖な神の土のはず。私は乗ってきたホウキの高度をあげ、精霊の地すべてを見渡し、魔法で鑑定をした。
(え、ウソ。この精霊の土の下に巨大な魔力を感じる。……だけど、それは生命体ではなく、何か大きな塊? だとすると核、魔石……)
土地の下に何かが眠っている。それが魔物だとすると、お父様の変異した魔石。私の魔物の核。
この仮説は正しかったとなる。その答えを知るために精霊たちが守る、この土を穢す(けがす)ことはできない。
(私が……精霊の地に入れてもらえるだけでも、ありがたいわ。はやく浄化しなくちゃ)
「えっと、シシからの手紙によると。この近くの、モコモコオオカミの村にいるのよね」
私は鑑定魔法をやめて、シシとチェルがいる村へと向かった。
たどり着いた、モコモコオオカミの村はシシの結界で守られていた。その結界は私たちが使う魔法式の魔法とは異なり、シシの魔力の力と生命力によって作られた結界。彼がどれほどの力を持つかわかる結界だ。
(いつ見ても、力強くてステキな結界だわ。……でも一晩はもったかもしれないけど、いま瘴気が溢れてしまったら、結界を張ったシシにまで影響してしまう)
私はホウキに乗ったまま杖をとりだし構えて、精霊の地すべてに、ありったけの魔力を使い浄化魔法を唱える。
「【この土に浄化の光を願う】」
私の下に巨大な魔法陣が現れて、精霊の地に浄化の光を降らした。シシは私の魔力を感じたのだろう、一軒のモコモコオオカミの家から、外に飛び出てきて、空をホウキで飛ぶ私を呼んだ。
「やっぱり、この魔力はアーシャだったか。――アーシャ! 魔力の出し過ぎだ、倒れてまう!」
シシは、広い精霊の地すべての浄化をする私を止めた。そんな彼に私は"大丈夫"だと微笑む。
「シシ、私は平気よ。でも浄化が終わったら魔力が枯渇するかもしれないから、受け止めて欲しいわ」
「……クソッ、分かった。ぜったいに受け止める!」
「うん、ありがとう」
シシに任せて私は。私のすべての魔力を使用して、精霊の地すべての瘴気を浄化した。
結界の中――精霊の地はルーレンズの森よりも、ひどく瘴気に覆われていた。なぜここが? ここは神聖な神の土のはず。私は乗ってきたホウキの高度をあげ、精霊の地すべてを見渡し、魔法で鑑定をした。
(え、ウソ。この精霊の土の下に巨大な魔力を感じる。……だけど、それは生命体ではなく、何か大きな塊? だとすると核、魔石……)
土地の下に何かが眠っている。それが魔物だとすると、お父様の変異した魔石。私の魔物の核。
この仮説は正しかったとなる。その答えを知るために精霊たちが守る、この土を穢す(けがす)ことはできない。
(私が……精霊の地に入れてもらえるだけでも、ありがたいわ。はやく浄化しなくちゃ)
「えっと、シシからの手紙によると。この近くの、モコモコオオカミの村にいるのよね」
私は鑑定魔法をやめて、シシとチェルがいる村へと向かった。
たどり着いた、モコモコオオカミの村はシシの結界で守られていた。その結界は私たちが使う魔法式の魔法とは異なり、シシの魔力の力と生命力によって作られた結界。彼がどれほどの力を持つかわかる結界だ。
(いつ見ても、力強くてステキな結界だわ。……でも一晩はもったかもしれないけど、いま瘴気が溢れてしまったら、結界を張ったシシにまで影響してしまう)
私はホウキに乗ったまま杖をとりだし構えて、精霊の地すべてに、ありったけの魔力を使い浄化魔法を唱える。
「【この土に浄化の光を願う】」
私の下に巨大な魔法陣が現れて、精霊の地に浄化の光を降らした。シシは私の魔力を感じたのだろう、一軒のモコモコオオカミの家から、外に飛び出てきて、空をホウキで飛ぶ私を呼んだ。
「やっぱり、この魔力はアーシャだったか。――アーシャ! 魔力の出し過ぎだ、倒れてまう!」
シシは、広い精霊の地すべての浄化をする私を止めた。そんな彼に私は"大丈夫"だと微笑む。
「シシ、私は平気よ。でも浄化が終わったら魔力が枯渇するかもしれないから、受け止めて欲しいわ」
「……クソッ、分かった。ぜったいに受け止める!」
「うん、ありがとう」
シシに任せて私は。私のすべての魔力を使用して、精霊の地すべての瘴気を浄化した。
66
お気に入りに追加
439
あなたにおすすめの小説
【完結】もうやめましょう。あなたが愛しているのはその人です
堀 和三盆
恋愛
「それじゃあ、ちょっと番に会いに行ってくるから。ええと帰りは……7日後、かな…」
申し訳なさそうに眉を下げながら。
でも、どこかいそいそと浮足立った様子でそう言ってくる夫に対し、
「行ってらっしゃい、気を付けて。番さんによろしくね!」
別にどうってことがないような顔をして。そんな夫を元気に送り出すアナリーズ。
獣人であるアナリーズの夫――ジョイが魂の伴侶とも言える番に出会ってしまった以上、この先もアナリーズと夫婦関係を続けるためには、彼がある程度の時間を番の女性と共に過ごす必要があるのだ。
『別に性的な接触は必要ないし、獣人としての本能を抑えるために、番と二人で一定時間楽しく過ごすだけ』
『だから浮気とは違うし、この先も夫婦としてやっていくためにはどうしても必要なこと』
――そんな説明を受けてからもうずいぶんと経つ。
だから夫のジョイは一カ月に一度、仕事ついでに番の女性と会うために出かけるのだ……妻であるアナリーズをこの家に残して。
夫であるジョイを愛しているから。
必ず自分の元へと帰ってきて欲しいから。
アナリーズはそれを受け入れて、今日も番の元へと向かう夫を送り出す。
顔には飛び切りの笑顔を張り付けて。
夫の背中を見送る度に、自分の内側がズタズタに引き裂かれていく痛みには気付かぬふりをして――――――。
旦那様は私に隠れて他の人と子供を育てていました
榎夜
恋愛
旦那様が怪しいんです。
私と旦那様は結婚して4年目になります。
可愛い2人の子供にも恵まれて、幸せな日々送っていました。
でも旦那様は.........
【完結】私が貴方の元を去ったわけ
なか
恋愛
「貴方を……愛しておりました」
国の英雄であるレイクス。
彼の妻––リディアは、そんな言葉を残して去っていく。
離婚届けと、別れを告げる書置きを残された中。
妻であった彼女が突然去っていった理由を……
レイクスは、大きな後悔と、恥ずべき自らの行為を知っていく事となる。
◇◇◇
プロローグ、エピローグを入れて全13話
完結まで執筆済みです。
久しぶりのショートショート。
懺悔をテーマに書いた作品です。
もしよろしければ、読んでくださると嬉しいです!
貴方が選んだのは全てを捧げて貴方を愛した私ではありませんでした
ましゅぺちーの
恋愛
王国の名門公爵家の出身であるエレンは幼い頃から婚約者候補である第一王子殿下に全てを捧げて生きてきた。
彼を数々の悪意から守り、彼の敵を排除した。それも全ては愛する彼のため。
しかし、王太子となった彼が最終的には選んだのはエレンではない平民の女だった。
悲しみに暮れたエレンだったが、家族や幼馴染の公爵令息に支えられて元気を取り戻していく。
その一方エレンを捨てた王太子は着々と破滅への道を進んでいた・・・
今さら、私に構わないでください
ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。
彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。
愛し合う二人の前では私は悪役。
幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。
しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……?
タイトル変更しました。
【完結】政略結婚だからと諦めていましたが、離縁を決めさせていただきました
あおくん
恋愛
父が決めた結婚。
顔を会わせたこともない相手との結婚を言い渡された私は、反論することもせず政略結婚を受け入れた。
これから私の家となるディオダ侯爵で働く使用人たちとの関係も良好で、旦那様となる義両親ともいい関係を築けた私は今後上手くいくことを悟った。
だが婚姻後、初めての初夜で旦那様から言い渡されたのは「白い結婚」だった。
政略結婚だから最悪愛を求めることは考えてはいなかったけれど、旦那様がそのつもりなら私にも考えがあります。
どうか最後まで、その強気な態度を変えることがないことを、祈っておりますわ。
※いつものゆるふわ設定です。拙い文章がちりばめられています。
最後はハッピーエンドで終えます。
【完結】婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?
つくも茄子
恋愛
国王唯一の王子エドワード。
彼は婚約者の公爵令嬢であるキャサリンを公の場所で婚約破棄を宣言した。
次の婚約者は恋人であるアリス。
アリスはキャサリンの義妹。
愛するアリスと結婚するには「妃教育を修了させること」だった。
同じ高位貴族。
少し頑張ればアリスは直ぐに妃教育を終了させると踏んでいたが散々な結果で終わる。
八番目の教育係も辞めていく。
王妃腹でないエドワードは立太子が遠のく事に困ってしまう。
だが、エドワードは知らなかった事がある。
彼が事実を知るのは何時になるのか……それは誰も知らない。
他サイトにも公開中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる