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空森島
十八
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トマト鍋、白飯はみんなに大盛況だった。オッサンが喜んでたから、また王都でおむすび屋が流行りそう。
鍋の締めはリゾットだ!
残った汁にご飯とチーズを鍋に投入した。
「「おお、なんだこれ!」」
オッサンとサン先生、エンとヌヌは驚きで、瞳をまんまるにした。
「ハハッ、これはリゾットっていうんだ。鍋の汁にはいろんなエキスが溶けこんでる。そこにご飯とチーズをいれるとこれまた美味いよ!」
器によそって渡すと、オッサンまでキラキラした目をしていた。
食べて、リゾットに驚くみんなをみて笑った。
「どうだ、美味しいだろう?」
「「うん、美味しい!」」
つぎはコタツで、熱々のおでんもいいな。
空森島にきて三年が経った。
十八となった俺はさらにイケメンになったし、ヌヌは大人っぽくて綺麗になった。
(ちょっとした仕草でドキッとする)
俺たちの間も相変わらずで。
あいも変わらず時間があえば、みんなとご飯を食べている。
「ヌヌ、オッサンに渡すポーション持った?」
「はい、マジックバッグにしまいました」
「そんじゃ、行くか」
「あ、ローリス君、迷子札忘れてますよ」
「……うっ、それは忘れてぇ。とは言えないな」
エンに渡したポーションの効き目がいいらしくて、それの噂が広まり、一年前から注文が入るようになった。
いま騎士団とギルドにおろしている。
まあ、人間ようには工夫をしなくちゃならんのがめんどいが、いいお金になる。
手伝ってくれる、ヌヌも貯金ができて嬉しそうだ。
「ここに五時前に集合ね」
「はい、ローリス君は迷子にならないようにねぇ」
「なるかよ!」
王都――ギルド裏に降りて、ヌヌは施設の友達と買い物に行き。俺はポーションを渡しに、裏口からギルドにはいる。
「オッサン、ポーション五十本持ってきたよ」
「お、ローリス。いつも悪いなぁ」
「いいや、オッサンには助けてもらってるから、ギブアンドテイクだ!」
「ハハハッ、そうだな!」
オッサンに騎士団まで連れて行ってもらい。
ポーションを納品して、きょう日番のエンと合流する。
彼はさらに身長が伸びて、男らしくなり、俺からみてもカッコよくなった。
――ますます、女性にモテモテらしい。
「オッサン、ありがとう!」
「おう、またなぁ!」
オッサンと別れて、エンを待つ。
騎士団の宿舎から現れたエン。
「ローリス!」
「エン、久しぶりだな」
「そうだな……」
今年になってさらに――モンスターの動きが活発になり、騎士団は遠征に出る回数がさらに増えたのだとか。
衛生兵たちもヘトヘトで回復が追いつかない。
そこに俺のポーションが役に立つ。
人と亜人ように五十本ずつ作り納品して、あと傷薬、腹痛などの常備品と、風呂に入れるハーブの香り玉も納品した。
「これエンに、使ってくれ」
「ありがとう。これはお返しだ」
エン用に作ったポーションと、米を交換した。
「昼飯なに食べる?」
「そうだな、カツ丼とかどう?」
「カツ丼かぁ、いいねぇ」
俺が空森島でみんなに作った料理が、オッサンを通じて王都に広まり、カツ丼、親子丼、牛丼などの店ができた。
(異世界風の日本料理はちょっと元の味は違うが……うまい。いまはカレーライスが作れないか研究中だ)
「そうだ、ローリスが考案したハンゴウ、ゴトク、フウボウができたと、ドワーフたちが言っていたぞ」
「マジか」
それがあれば火の魔石を使って、どこでも簡単にご飯が炊ける。
「ローリス、昼飯が終わったら鍛冶屋にいこう」
「おう、楽しみだ!」
鍋の締めはリゾットだ!
残った汁にご飯とチーズを鍋に投入した。
「「おお、なんだこれ!」」
オッサンとサン先生、エンとヌヌは驚きで、瞳をまんまるにした。
「ハハッ、これはリゾットっていうんだ。鍋の汁にはいろんなエキスが溶けこんでる。そこにご飯とチーズをいれるとこれまた美味いよ!」
器によそって渡すと、オッサンまでキラキラした目をしていた。
食べて、リゾットに驚くみんなをみて笑った。
「どうだ、美味しいだろう?」
「「うん、美味しい!」」
つぎはコタツで、熱々のおでんもいいな。
空森島にきて三年が経った。
十八となった俺はさらにイケメンになったし、ヌヌは大人っぽくて綺麗になった。
(ちょっとした仕草でドキッとする)
俺たちの間も相変わらずで。
あいも変わらず時間があえば、みんなとご飯を食べている。
「ヌヌ、オッサンに渡すポーション持った?」
「はい、マジックバッグにしまいました」
「そんじゃ、行くか」
「あ、ローリス君、迷子札忘れてますよ」
「……うっ、それは忘れてぇ。とは言えないな」
エンに渡したポーションの効き目がいいらしくて、それの噂が広まり、一年前から注文が入るようになった。
いま騎士団とギルドにおろしている。
まあ、人間ようには工夫をしなくちゃならんのがめんどいが、いいお金になる。
手伝ってくれる、ヌヌも貯金ができて嬉しそうだ。
「ここに五時前に集合ね」
「はい、ローリス君は迷子にならないようにねぇ」
「なるかよ!」
王都――ギルド裏に降りて、ヌヌは施設の友達と買い物に行き。俺はポーションを渡しに、裏口からギルドにはいる。
「オッサン、ポーション五十本持ってきたよ」
「お、ローリス。いつも悪いなぁ」
「いいや、オッサンには助けてもらってるから、ギブアンドテイクだ!」
「ハハハッ、そうだな!」
オッサンに騎士団まで連れて行ってもらい。
ポーションを納品して、きょう日番のエンと合流する。
彼はさらに身長が伸びて、男らしくなり、俺からみてもカッコよくなった。
――ますます、女性にモテモテらしい。
「オッサン、ありがとう!」
「おう、またなぁ!」
オッサンと別れて、エンを待つ。
騎士団の宿舎から現れたエン。
「ローリス!」
「エン、久しぶりだな」
「そうだな……」
今年になってさらに――モンスターの動きが活発になり、騎士団は遠征に出る回数がさらに増えたのだとか。
衛生兵たちもヘトヘトで回復が追いつかない。
そこに俺のポーションが役に立つ。
人と亜人ように五十本ずつ作り納品して、あと傷薬、腹痛などの常備品と、風呂に入れるハーブの香り玉も納品した。
「これエンに、使ってくれ」
「ありがとう。これはお返しだ」
エン用に作ったポーションと、米を交換した。
「昼飯なに食べる?」
「そうだな、カツ丼とかどう?」
「カツ丼かぁ、いいねぇ」
俺が空森島でみんなに作った料理が、オッサンを通じて王都に広まり、カツ丼、親子丼、牛丼などの店ができた。
(異世界風の日本料理はちょっと元の味は違うが……うまい。いまはカレーライスが作れないか研究中だ)
「そうだ、ローリスが考案したハンゴウ、ゴトク、フウボウができたと、ドワーフたちが言っていたぞ」
「マジか」
それがあれば火の魔石を使って、どこでも簡単にご飯が炊ける。
「ローリス、昼飯が終わったら鍛冶屋にいこう」
「おう、楽しみだ!」
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