16 / 16
15話
しおりを挟む
彼らと住み始めて1月が経つ。
料理はボチボチだけど!会社が休みの日に春の美味しいご飯が食べれて、のんびり過ごす事ができた。ひとりぼっちだった家に、春、小春、猫神様の茶々丸が増えて賑やかになったと思う。
だが私の仕事が増え、残業の毎日が続く。
今日の帰りも夜の12時を過ぎた。
「ただいま、ハァ疲れた~。明日早いけど……いい匂いがする」
玄関で倒れながら、美味しいご飯の香りがして、春が「おかえり」と顔を出した。
「味噌煮込みうどん作ったけど、食べれるか?」
「うん食べれるぅ~、ありがとう」
「サツキさんおかえりなさい、みんなで食べましょう」
「腹減った~」
みんなが私とのご飯を待っていてくれた。
嬉しい、涙が出てくる。
「はやく、着替えてこい」
「ありがとう。着替えてくる」
部屋着に着替えて化粧を落として、居間に行くと。食卓の上にはお揃いの鍋がなかったのだろう、四つの形が違う鍋が置かれていた。
「さぁ、熱いうちに食べよう」
「うん、いただきます」
「「いただきます」」
お油揚げと卵、鶏肉、シイタケが入った、出来立て熱々の味噌煮込みうどん。フウフウ、フウフウと冷ましてうどんをすする。
ーーお、私の好きな硬めの麺だ。
「ハァ~おいしい! 体に染み渡る」
「熱々を食べるのが好きです~」
「我ながら、うまいな」
「ほんと、最高だ!」
私の横に見知らぬ、茶髪で、春と小春と同じ甚兵衛姿の男性が、長いモフモフの尻尾を揺らしながら座っていた。
身長は春くらいかな?
このキジトラの耳と尻尾ということは。
「私の隣にいるの、茶々丸様ですか?」
「ん? そうだ。猫のままじゃ、味噌見込みうどん食えんからな、人の姿になったんだ!」
そう言って、大きな口で笑った。
料理はボチボチだけど!会社が休みの日に春の美味しいご飯が食べれて、のんびり過ごす事ができた。ひとりぼっちだった家に、春、小春、猫神様の茶々丸が増えて賑やかになったと思う。
だが私の仕事が増え、残業の毎日が続く。
今日の帰りも夜の12時を過ぎた。
「ただいま、ハァ疲れた~。明日早いけど……いい匂いがする」
玄関で倒れながら、美味しいご飯の香りがして、春が「おかえり」と顔を出した。
「味噌煮込みうどん作ったけど、食べれるか?」
「うん食べれるぅ~、ありがとう」
「サツキさんおかえりなさい、みんなで食べましょう」
「腹減った~」
みんなが私とのご飯を待っていてくれた。
嬉しい、涙が出てくる。
「はやく、着替えてこい」
「ありがとう。着替えてくる」
部屋着に着替えて化粧を落として、居間に行くと。食卓の上にはお揃いの鍋がなかったのだろう、四つの形が違う鍋が置かれていた。
「さぁ、熱いうちに食べよう」
「うん、いただきます」
「「いただきます」」
お油揚げと卵、鶏肉、シイタケが入った、出来立て熱々の味噌煮込みうどん。フウフウ、フウフウと冷ましてうどんをすする。
ーーお、私の好きな硬めの麺だ。
「ハァ~おいしい! 体に染み渡る」
「熱々を食べるのが好きです~」
「我ながら、うまいな」
「ほんと、最高だ!」
私の横に見知らぬ、茶髪で、春と小春と同じ甚兵衛姿の男性が、長いモフモフの尻尾を揺らしながら座っていた。
身長は春くらいかな?
このキジトラの耳と尻尾ということは。
「私の隣にいるの、茶々丸様ですか?」
「ん? そうだ。猫のままじゃ、味噌見込みうどん食えんからな、人の姿になったんだ!」
そう言って、大きな口で笑った。
5
お気に入りに追加
16
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
お犬様のお世話係りになったはずなんだけど………
ブラックベリィ
キャラ文芸
俺、神咲 和輝(かんざき かずき)は不幸のどん底に突き落とされました。
父親を失い、バイトもクビになって、早晩双子の妹、真奈と優奈を抱えてあわや路頭に………。そんな暗い未来陥る寸前に出会った少女の名は桜………。
そして、俺の新しいバイト先は決まったんだが………。
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
チャリンコマンズ・チャンピオンシップ
古城ろっく
キャラ文芸
日本列島を自転車で縦断する、超長距離レースが開催される。
自転車を始めたばかりの少年は、自転車に詳しいクラスメイトの少女と共に、その大会に出場するのだった。
オンロードもオフロードも、悪天候も何でもあり。降雨、強風、積雪などの様々なコンディションを、ママチャリ、マウンテンバイク、ロードバイクなど、様々な自転車で戦うのだ。
※この作品はフィクションです。実在する人物、地名、団体、大会、その他とは一切関係がありません。また、実在する社名、車体名などが登場することがありますが、各社および各車両に対し技術的、あるいは能力的なものを示唆する意図はありません。
※劇中には大変危険な行為が描写されています。公道を走る際は交通ルールに則り、安全に運転するよう努めてください。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
おきつねさまと私の奇妙な生活
美汐
キャラ文芸
妖怪、物の怪、あやかし――。
普通の人には見えないはずのものが見える結月は、自分だけに訪れる奇々怪々な日々にうんざりしていた。
そんな彼女が出会ったのは、三千年の時を生きてきた空孤と呼ばれる白い狐の大妖怪。
これは、結月と空孤――おきつねさまが繰り広げる少し不思議でおかしな日常の物語。
狐塚町にはあやかしが住んでいる
佐倉海斗
キャラ文芸
狐塚町には妖狐が住んでいる。妖狐の名前は旭。狐塚稲荷神社にて祀られてしまったことにより神格を与えられた「あやかし」だ。
「願いを叶えてやろう」
旭は気まぐれで人を助け、気まぐれで生きていく。あやかしであることを隠すこともせず、旭は毎日が楽しくて仕方がなかった。
それに振り回されるのは、いつだって、旭の従者である鬼の「春博」と人間の巫女「狐塚香織」だった。
個性的な三人による日常の物語。
3人のそれぞれの悩みや秘密を乗り越え、ゆっくりと成長をしていく。
※
物語に登場する方言の一部にはルビを振ってあります。
方言は東海のある地域を参考にしています。
大正警視庁正門前みたしや食堂
森原すみれ@薬膳おおかみ①②③刊行
キャラ文芸
時は大正。西洋文化が花開いた帝都。
警視庁中央部に赴任した若き警察官 龍彦は、正門前で食堂を営む女主人 満乃と出逢う。
満乃が作るのは、食に頓着しない龍彦をも惹きつける、ハイカラな西洋料理だった。
喧嘩っ早い龍彦と意思を曲げない満乃は、時にぶつかり、時に認めあいながら交流を深めていく。
そんな二人に、不穏な企みが襲い掛かり……。
「悪知恵働かせて搾取する野郎なんざ、荷車喰らって当然だろ」
「人の矜持を踏みつけにする無礼者に出すものはございません!」
ケンカップル(未満)なふたりの、じれじれ甘い恋物語です。
※ノベマ!、魔法のiらんど、小説家になろうに同作掲載しております
新・八百万の学校
浅井 ことは
キャラ文芸
八百万の学校 其の弐とはまた違うお話となっております。
十七代目当主の17歳、佐野翔平と火の神様である火之迦具土神、そして翔平の家族が神様の教育?
ほんわか現代ファンタジー!
※こちらの作品の八百万の学校は、神様の学校 八百万ご指南いたしますとして、壱巻・弐巻が書籍として発売されております。
その続編と思っていただければと。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる