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12話

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 ご飯が炊けて、私たちは昼食の準備を始める。春はあの日、定食屋で見た手捌きで、ボールにレタスを食べやすい大きさにちぎり、ロースハムを切っている。

 小春はちょこまかと動き。お皿を並べたあと、お鍋にお湯を沸かして、顆粒のカツオ出汁を入れ沸騰したら。春が切った油揚げと豆腐を入れて、赤味噌をといた。

「味噌汁できたよ。春にぃ、味どう?」
「うん。美味いな」

 その2人の姿を見ながら、私は春が切ったキュウリを、タッパに塩昆布と入れて振っている。

(これ、料理を習っているというより。全て春が作っていない?)

 私は疑問に思いながら、言われたことをしていたが。フライパンが温まると春は手を止めて、私を呼んだ。

「さあ。レタスチャーハンを作ろう。温まったフライパンに油を入れて、ふわふわ卵を作って」

「はい、フワフワ卵ね」

 卵3個をボールでとき、温まったフライパンに油を入れ、卵をいれて大きく混ぜる。フワフワ半熟になったらお皿にあげる。

「はい、次は切ったロースハムを炒めて、ご飯を人数分いれて炒める」

 春の言う通り、フライパンでロースハムを炒め、3人分のご飯を入れて炒める。炒まったらフワフワ卵を戻し、レタスを散りばめ味付けをして出来上がり。

「サツキ、ストップ。味付けは軽量スプーンで分量を、ちゃんと測って入れて」

「わかった」

 お酒、大さじ1、塩小さじ1、コショウは少々
しょうゆは大さじ1を入れて炒めた。

「チャーハンが出来たわ。さぁ食べましょう!」
「サツキ持って、チャーハンの味見はした?」

 味見?

「え? してないけど。分量を測って入れたから大丈夫よ」

「いやいや。どの料理も味見はした方がいいよ。レシピ通りの味を覚えれるし。自分好みに調整もできる」

「自分好みか」

 チャーハンを味見してみたら、何かちょっと足りない。だけど、なにが足りないのかわからなかった。

「ねぇ、春君、小春くん。何かちょっと足りないときは、どうすればいい?」

「うーん。塩をひとつまみ入れてみて」

「わかった」

 塩をひとつまみ入れて、もう少し炒めて味見をした。さっきよりも味が自分好みで、よくなった気がした。

 だけど自信がないので、春と小春にも味見してもらうと。

 2人は頷き。

「ん、いいんじゃないか」
「はい、美味しいです」

 と言ってくれた。
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