心が温まる。お狐様と私のあったかご飯。

にのまえ

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6話

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(味が塩辛くて、薄い? たまに激甘? まさかこの人たち、私のご飯にダメ出ししに来たの?)

 こんな縁まで結んで……と、私は右腕の組紐を見つめた。

「小春、サツキにズバッと言い過ぎだ。サツキが落ち込んでぞ」

「ボクは本当のことを言ったまでです。ボクはおいしいモノが食べたい! 美味しいものは幸せになります!」

 うん。小春君の言うことはあっている。美味しいものは幸せな気持ちにさせてくれる、のだけど。私の料理がそこまで美味しくなかったなんて……仕事に疲れたからと諦めず、もっと、おばあちゃんと料理してくればよかった。

「小春! 仕事で疲れたサツキが作った料理だ! 不味くても全部は食え!」

「……料理がマズイ⁉︎」

 ショックで箸を持ったまま、パタンと畳の上に横倒れした。そして悲しくて、シクシク涙が流れる。

「あー泣かせた! 春にぃ、ボクはそこまでサツキに言っていません。春にぃのせいですよ」

「うるせぇ~小春。オレは残さず毎回食べたぞ! オレたちの神も、にこやかに食べていたじゃないかぁ! おまえが文句ばかり言ったろ」


「2人ともバカァ! どうせ、私の作るご飯はまずいわよ!」

 残すのは勿体無い。彼らが作ってくれた朝食をかきこみ、お味噌汁を飲み干して、漬物を食べて私へ部屋へと引っ込んだ。

 
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