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第2章
8話
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ダンスの練習が終わり、カイとトルといっしょに魔導馬車乗り場に向かう途中に、忙しいと聞いていたデリオン殿下と側近のシアさんがいた。なにやら彼は私に話があるのか、コチラをジッと見てきた。
(目線は私を見てるから、トラ丸が見えているわけじゃないか)
ゲームのときは見えていたはずの、聖獣が見えていないとなると。デリオン殿下はヒロインと出会い、力が芽生えるのかもしれない。
カイとトルが頭を下げ、私はスカートを持ってカーテシーをした。
「ごきげんよう、デリオン殿下。執務は終わったのですか?」
「ああマリーナ嬢、ダンスの練習に行けなくてすまなかった」
誰かに行ってこいとでも言われたのか、ブスッとした表情で言われても、私の気持ちはちっとも動かない。
「いいえ、カイ様にダンスの練習を相手をしていただいたので、大丈夫でしたわ」
「デリオン殿下に聞いた話とは違い、マリ嬢はダンスが非常に上手かったよ」
「マリ……あ、そうでしたか。僕は執務が残っていますので失礼します」
取り繕った笑顔で、さっき終わったと言った執務があると言って、彼は側近を連れて去って行った。変な人だと、彼の背中を見送っていると、カイに馬車乗り場へ行こうと言われた。
「ええ、行きましょう」
カイの後を追って行くと、トラ丸が頭の上で
《アイツは、何をしにきたんだ?》
と首を傾げている。
それに。
〈さぁ、あいさつじゃない? カイ様もいるし〉
と言うと。
んー違うなと、トラ丸が首を振り。
《わかった! ヤツはマリのドレス姿を見にきた!》
〈え、デリオン殿下が私のドレス姿を見にきた⁉︎ いやぁ~嫌われているのに、それはないと思うよ〉
《いいや、絶対にヤツは見にきた!》
頭の上で、そう言いきるトラ丸。だけど、会うたびに嫌味を言ってくるデリオン殿下に限ってそれはないと思う。でも自分で言うのもなんだけど、子供のときよりも成長して、それなりにいけている。
だって、胸もそれなりに育ったし。運動と冒険に出ているおかげで、沢山食べても太らない。と思っているのは自分だけかもしれないが、標準体重なので大丈夫。
《マリ、腹減ったな》
〈うん。トラ丸、お腹すいたねぇ〉
《早く帰って、ポテチとフライドポテトを食うぞ》
〈おう! カルロに作ってもらおうね〉
王城の馬車乗り場に行くには結構歩かなくてはならない。その間、私はいつものように念話でトラ丸とアレが食べたい、帰ったら何すると会話していた。
前を歩くカイが、コチラを振り向き。
「ねぇマリ嬢、動いたらお腹空いたね。王都で何か買って、馬車で食べながら帰らないかい?」
――何か買って食べる!
《なに!》
そのカイの誘いに私とトラ丸は「はい」と頷く。いま食べても、帰ってからのポテチとフライドポテトは別腹なのだ。
(目線は私を見てるから、トラ丸が見えているわけじゃないか)
ゲームのときは見えていたはずの、聖獣が見えていないとなると。デリオン殿下はヒロインと出会い、力が芽生えるのかもしれない。
カイとトルが頭を下げ、私はスカートを持ってカーテシーをした。
「ごきげんよう、デリオン殿下。執務は終わったのですか?」
「ああマリーナ嬢、ダンスの練習に行けなくてすまなかった」
誰かに行ってこいとでも言われたのか、ブスッとした表情で言われても、私の気持ちはちっとも動かない。
「いいえ、カイ様にダンスの練習を相手をしていただいたので、大丈夫でしたわ」
「デリオン殿下に聞いた話とは違い、マリ嬢はダンスが非常に上手かったよ」
「マリ……あ、そうでしたか。僕は執務が残っていますので失礼します」
取り繕った笑顔で、さっき終わったと言った執務があると言って、彼は側近を連れて去って行った。変な人だと、彼の背中を見送っていると、カイに馬車乗り場へ行こうと言われた。
「ええ、行きましょう」
カイの後を追って行くと、トラ丸が頭の上で
《アイツは、何をしにきたんだ?》
と首を傾げている。
それに。
〈さぁ、あいさつじゃない? カイ様もいるし〉
と言うと。
んー違うなと、トラ丸が首を振り。
《わかった! ヤツはマリのドレス姿を見にきた!》
〈え、デリオン殿下が私のドレス姿を見にきた⁉︎ いやぁ~嫌われているのに、それはないと思うよ〉
《いいや、絶対にヤツは見にきた!》
頭の上で、そう言いきるトラ丸。だけど、会うたびに嫌味を言ってくるデリオン殿下に限ってそれはないと思う。でも自分で言うのもなんだけど、子供のときよりも成長して、それなりにいけている。
だって、胸もそれなりに育ったし。運動と冒険に出ているおかげで、沢山食べても太らない。と思っているのは自分だけかもしれないが、標準体重なので大丈夫。
《マリ、腹減ったな》
〈うん。トラ丸、お腹すいたねぇ〉
《早く帰って、ポテチとフライドポテトを食うぞ》
〈おう! カルロに作ってもらおうね〉
王城の馬車乗り場に行くには結構歩かなくてはならない。その間、私はいつものように念話でトラ丸とアレが食べたい、帰ったら何すると会話していた。
前を歩くカイが、コチラを振り向き。
「ねぇマリ嬢、動いたらお腹空いたね。王都で何か買って、馬車で食べながら帰らないかい?」
――何か買って食べる!
《なに!》
そのカイの誘いに私とトラ丸は「はい」と頷く。いま食べても、帰ってからのポテチとフライドポテトは別腹なのだ。
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