50 / 99
四十九
しおりを挟む
今日もお客様で賑わうミリア亭は、唐揚げのいい香りが漂っていた。そのワケはタルタルソース付き唐揚げ、ご飯、味噌汁付き日替わり定食と。気まぐれサッパリ唐揚げ定食。お弁当用のカリカリ唐揚げを作っているから。
「いい匂い。わたしも早く唐揚げ、食べたい」
「リーヤ、泣き言いわないの。お弁当作らなきゃ」
「はーい」
せっせと梅とシャケのおにぎりを握り、冷めても美味しいカリカリ唐揚げと甘めの卵焼き、ソーセージを、見栄えよくお弁当箱に詰めていく。サラダは気まぐれと同じポテトサラダとプチトマトにした。
「フウッ、お弁当、五個詰め終わった」
(あとは蓋をして、一つずつ布で包んで……できあがり)
ミリアさんのお手伝いと自分の気まぐれ、お弁当作りはたいへんかも……明後日からは気まぐれとお弁当で、十食にしたほうがいいかな。
閉店間際、カランコロンとドアベルが鳴る。
「リーヤ、こんにちは」
「おお、いい匂い。今日は唐揚げか?」
「いらっしゃいませ。そうなんです、今日は唐揚げなんです」
いつもの時間にワカさん親子が来て気まぐれを注文する。わたしは厨房でサッパリ唐揚げセットを二つ作り、カウンターに座る二人に運んだ。
「気まぐれ、お待たせしました」
「父ちゃん、美味しそうだよ」
「ほんとうだな」
オマケでカリカリ唐揚げと、日替わりのタルタルソース付き、唐揚げも出した。
二人が笑顔で唐揚げを頬張る姿を見ながら、洗い物を終わらせる。
「「リーヤ、美味しかった」」
"ごちそうさま"とワカさん、セヤ君が帰り、ミリア亭は閉店した。わたしはミリアさんに大きめの肩掛け袋を借りて、おしぼり、箸とお弁当を入れて。中央区、第三部隊に行く準備を終わらせる。
(中央区と三番隊に行くも、少し緊張しちゃうな)
そうだ、行くついでに好き嫌いも聞いてこようと、メモとペンも用意した。
「ミリアさん、中央区に行ってきます」
「気を付けて、行っておいで」
「はーい」
お弁当を持って、ミリア亭を後にした。
しばらく歩いて騎士団訓練場近くを通る、みんなは休憩中かな? と、誰もいない訓練場の横を通り過ぎようとした。
「リーヤ!」
名前を呼ばれて振り向くと、いまからミリ亭に向かうのか、盾を持ったナサがいた。
「ナサ、訓練おつかれさま。いまからミリア亭?」
「シッシシ、そうだ。リーヤは弁当届けに行くのか?」
「そうだよ、行ってくるね」
「ああ、気をつけろよ」
また後で、と別れた。
中央区の中をリモーネ君に描いてもらった、地図を片手に見ながら、第三部隊の詰め所の前に着き。ドキドキしながら詰め所の扉を開けた。
「ミリア亭です、ご注文を受けました、お弁当を届けにきました」
「ミリア亭?」
「ああ、隊長が弁当を頼んだとか、今朝、朝礼の時に言っていなかったか?」
わたしの声に奥で休憩していたのか、鎧をつけていない、騎士達がワラワラ集まってきた。
みんなはわたしを見て、
「へえ、この子がリモーネ隊長のお気に入りか」
「可愛い、名前なんて言うの?」
「……リーヤと言います」
「リーヤちゃんか、よろしく」
(……ううっ、圧倒される)
「歳は?」
「は、二十歳です」
「おお、リモーネ隊長と同じだ!」
「北区に住んでるの?」
「……はい」
グイグイくる男性に慣れていなくて、早くお弁当を渡して帰りたくなる。
(リモーネ君はどこ?)
キョロキョロ探すと、奥から、
「おい、五月蝿いぞ、何をやっているんだ?」
と、ミリア亭にくるときとは違い、ピシッと鎧を身に付けたリモーネ君が現れた。
「……リモーネ君」
「リーヤ、来てくれたのか」
「注文を受けた、お弁当を持ってきたよ」
お弁当が入った袋を渡した。
騎士達はわたしと、リモーネ君を何か言いたげに、ニヤニヤ見てくる。
「お前ら、いい加減にしろ! ありがとう……なんだか、悪いな」
「いいよ、お手伝いがあるから戻るね」
「ああ、明後日は取りに行く」
「わかりました。お弁当のご注文、ありがとうございました」
「またね、リーヤちゃん」
「また、おいで」
わたしは頭を下げ、そそくさ詰め所を後にした。
+
リーヤがお弁当を置いて帰ったあと、第三部隊詰め所は静まり、リモーネの低い声が響く。
「いまお弁当を持って来た、彼女の顔を覚えて欲しい。名前はリーヤ、本当はリイーヤという。リルガルド国の公爵令嬢だ」
三番隊は鎮まり、真剣に隊長の話に耳を傾けた。
「隊長、ここ中央区にリーヤちゃんを探す、変な奴が現れたんだよな」
リモーネはそうだと頷く。
「三日前の午後。ガレーン国では見たことがない男が、リイーヤに似た似顔絵を持ち探していたと、カムイからの報告があった。カムイが話しかけると走って逃げたらしい」
「かなり怪しいな、そいつからリーヤちゃんを守るんだな」
「それもあるが、国王祭に向けて中央区の警備を強化しなくてはならない。変な輩はガレーン国に入れない、入れてはならない」
「「かしこまりました、隊長」」
「でもさ、一人で北区に帰してよかったのか?」
「大丈夫だ、彼女には最強のボディーガードが側にいる」
北区、最強の言葉に、三番隊の面々は"ああ"と頷く。
「亜人隊がいるなら、安心だな」
「そうだ、安心だ。昨日、月末の報告に来た隊長のアサトと、ロカには伝えてある」
と、リモーネは弁当を一つ取り、奥に行こうとして。
「一つはカムイに残してやってくれ。残りはみんなで食べていいから」
「「やった!」」
騎士団、三番部隊はミリアとリーヤの唐揚げに絶賛した。
+
わたしは早足で、中央区からミリア亭に戻っていた。
来たときと同じ様に訓練場の横を通り過ぎていく、わたしの視線の先に彼が"シッシシ"と笑い待っていた。
「リーヤ、おかえり」
「ナサ、先にミリア亭に行っていなかったの?」
「リーヤを心配した」
(え、)
わたしが心配で待っていてくれたんだ。
ナサのその言葉が嬉しくて、わたしの頬はポッと火がついたように熱くなる。
「ありがとう……ナサ」
「いいや、腹減った、早く行こうぜ」
「う、うん」
ナサと並んで、ミリア亭に向かうのだった。
「いい匂い。わたしも早く唐揚げ、食べたい」
「リーヤ、泣き言いわないの。お弁当作らなきゃ」
「はーい」
せっせと梅とシャケのおにぎりを握り、冷めても美味しいカリカリ唐揚げと甘めの卵焼き、ソーセージを、見栄えよくお弁当箱に詰めていく。サラダは気まぐれと同じポテトサラダとプチトマトにした。
「フウッ、お弁当、五個詰め終わった」
(あとは蓋をして、一つずつ布で包んで……できあがり)
ミリアさんのお手伝いと自分の気まぐれ、お弁当作りはたいへんかも……明後日からは気まぐれとお弁当で、十食にしたほうがいいかな。
閉店間際、カランコロンとドアベルが鳴る。
「リーヤ、こんにちは」
「おお、いい匂い。今日は唐揚げか?」
「いらっしゃいませ。そうなんです、今日は唐揚げなんです」
いつもの時間にワカさん親子が来て気まぐれを注文する。わたしは厨房でサッパリ唐揚げセットを二つ作り、カウンターに座る二人に運んだ。
「気まぐれ、お待たせしました」
「父ちゃん、美味しそうだよ」
「ほんとうだな」
オマケでカリカリ唐揚げと、日替わりのタルタルソース付き、唐揚げも出した。
二人が笑顔で唐揚げを頬張る姿を見ながら、洗い物を終わらせる。
「「リーヤ、美味しかった」」
"ごちそうさま"とワカさん、セヤ君が帰り、ミリア亭は閉店した。わたしはミリアさんに大きめの肩掛け袋を借りて、おしぼり、箸とお弁当を入れて。中央区、第三部隊に行く準備を終わらせる。
(中央区と三番隊に行くも、少し緊張しちゃうな)
そうだ、行くついでに好き嫌いも聞いてこようと、メモとペンも用意した。
「ミリアさん、中央区に行ってきます」
「気を付けて、行っておいで」
「はーい」
お弁当を持って、ミリア亭を後にした。
しばらく歩いて騎士団訓練場近くを通る、みんなは休憩中かな? と、誰もいない訓練場の横を通り過ぎようとした。
「リーヤ!」
名前を呼ばれて振り向くと、いまからミリ亭に向かうのか、盾を持ったナサがいた。
「ナサ、訓練おつかれさま。いまからミリア亭?」
「シッシシ、そうだ。リーヤは弁当届けに行くのか?」
「そうだよ、行ってくるね」
「ああ、気をつけろよ」
また後で、と別れた。
中央区の中をリモーネ君に描いてもらった、地図を片手に見ながら、第三部隊の詰め所の前に着き。ドキドキしながら詰め所の扉を開けた。
「ミリア亭です、ご注文を受けました、お弁当を届けにきました」
「ミリア亭?」
「ああ、隊長が弁当を頼んだとか、今朝、朝礼の時に言っていなかったか?」
わたしの声に奥で休憩していたのか、鎧をつけていない、騎士達がワラワラ集まってきた。
みんなはわたしを見て、
「へえ、この子がリモーネ隊長のお気に入りか」
「可愛い、名前なんて言うの?」
「……リーヤと言います」
「リーヤちゃんか、よろしく」
(……ううっ、圧倒される)
「歳は?」
「は、二十歳です」
「おお、リモーネ隊長と同じだ!」
「北区に住んでるの?」
「……はい」
グイグイくる男性に慣れていなくて、早くお弁当を渡して帰りたくなる。
(リモーネ君はどこ?)
キョロキョロ探すと、奥から、
「おい、五月蝿いぞ、何をやっているんだ?」
と、ミリア亭にくるときとは違い、ピシッと鎧を身に付けたリモーネ君が現れた。
「……リモーネ君」
「リーヤ、来てくれたのか」
「注文を受けた、お弁当を持ってきたよ」
お弁当が入った袋を渡した。
騎士達はわたしと、リモーネ君を何か言いたげに、ニヤニヤ見てくる。
「お前ら、いい加減にしろ! ありがとう……なんだか、悪いな」
「いいよ、お手伝いがあるから戻るね」
「ああ、明後日は取りに行く」
「わかりました。お弁当のご注文、ありがとうございました」
「またね、リーヤちゃん」
「また、おいで」
わたしは頭を下げ、そそくさ詰め所を後にした。
+
リーヤがお弁当を置いて帰ったあと、第三部隊詰め所は静まり、リモーネの低い声が響く。
「いまお弁当を持って来た、彼女の顔を覚えて欲しい。名前はリーヤ、本当はリイーヤという。リルガルド国の公爵令嬢だ」
三番隊は鎮まり、真剣に隊長の話に耳を傾けた。
「隊長、ここ中央区にリーヤちゃんを探す、変な奴が現れたんだよな」
リモーネはそうだと頷く。
「三日前の午後。ガレーン国では見たことがない男が、リイーヤに似た似顔絵を持ち探していたと、カムイからの報告があった。カムイが話しかけると走って逃げたらしい」
「かなり怪しいな、そいつからリーヤちゃんを守るんだな」
「それもあるが、国王祭に向けて中央区の警備を強化しなくてはならない。変な輩はガレーン国に入れない、入れてはならない」
「「かしこまりました、隊長」」
「でもさ、一人で北区に帰してよかったのか?」
「大丈夫だ、彼女には最強のボディーガードが側にいる」
北区、最強の言葉に、三番隊の面々は"ああ"と頷く。
「亜人隊がいるなら、安心だな」
「そうだ、安心だ。昨日、月末の報告に来た隊長のアサトと、ロカには伝えてある」
と、リモーネは弁当を一つ取り、奥に行こうとして。
「一つはカムイに残してやってくれ。残りはみんなで食べていいから」
「「やった!」」
騎士団、三番部隊はミリアとリーヤの唐揚げに絶賛した。
+
わたしは早足で、中央区からミリア亭に戻っていた。
来たときと同じ様に訓練場の横を通り過ぎていく、わたしの視線の先に彼が"シッシシ"と笑い待っていた。
「リーヤ、おかえり」
「ナサ、先にミリア亭に行っていなかったの?」
「リーヤを心配した」
(え、)
わたしが心配で待っていてくれたんだ。
ナサのその言葉が嬉しくて、わたしの頬はポッと火がついたように熱くなる。
「ありがとう……ナサ」
「いいや、腹減った、早く行こうぜ」
「う、うん」
ナサと並んで、ミリア亭に向かうのだった。
56
お気に入りに追加
1,026
あなたにおすすめの小説

たとえ番でないとしても
豆狸
恋愛
「ディアナ王女、私が君を愛することはない。私の番は彼女、サギニなのだから」
「違います!」
私は叫ばずにはいられませんでした。
「その方ではありません! 竜王ニコラオス陛下の番は私です!」
──番だと叫ぶ言葉を聞いてもらえなかった花嫁の話です。
※1/4、短編→長編に変更しました。
殿下、側妃とお幸せに! 正妃をやめたら溺愛されました
まるねこ
恋愛
旧題:お飾り妃になってしまいました
第15回アルファポリス恋愛大賞で奨励賞を頂きました⭐︎読者の皆様お読み頂きありがとうございます!
結婚式1月前に突然告白される。相手は男爵令嬢ですか、婚約破棄ですね。分かりました。えっ?違うの?嫌です。お飾り妃なんてなりたくありません。
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。

〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。
ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。
ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。
対面した婚約者は、
「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」
……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。
「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」
今の私はあなたを愛していません。
気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。
☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。
☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)
大好きなあなたを忘れる方法
山田ランチ
恋愛
あらすじ
王子と婚約関係にある侯爵令嬢のメリベルは、訳あってずっと秘密の婚約者のままにされていた。学園へ入学してすぐ、メリベルの魔廻が(魔術を使う為の魔素を貯めておく器官)が限界を向かえようとしている事に気が付いた大魔術師は、魔廻を小さくする事を提案する。その方法は、魔素が好むという悲しい記憶を失くしていくものだった。悲しい記憶を引っ張り出しては消していくという日々を過ごすうち、徐々に王子との記憶を失くしていくメリベル。そんな中、魔廻を奪う謎の者達に大魔術師とメリベルが襲われてしまう。
魔廻を奪おうとする者達は何者なのか。王子との婚約が隠されている訳と、重大な秘密を抱える大魔術師の正体が、メリベルの記憶に導かれ、やがて世界の始まりへと繋がっていく。
登場人物
・メリベル・アークトュラス 17歳、アークトゥラス侯爵の一人娘。ジャスパーの婚約者。
・ジャスパー・オリオン 17歳、第一王子。メリベルの婚約者。
・イーライ 学園の園芸員。
クレイシー・クレリック 17歳、クレリック侯爵の一人娘。
・リーヴァイ・ブルーマー 18歳、ブルーマー子爵家の嫡男でジャスパーの側近。
・アイザック・スチュアート 17歳、スチュアート侯爵の嫡男でジャスパーの側近。
・ノア・ワード 18歳、ワード騎士団長の息子でジャスパーの従騎士。
・シア・ガイザー 17歳、ガイザー男爵の娘でメリベルの友人。
・マイロ 17歳、メリベルの友人。
魔素→世界に漂っている物質。触れれば精神を侵され、生き物は主に凶暴化し魔獣となる。
魔廻→体内にある魔廻(まかい)と呼ばれる器官、魔素を取り込み貯める事が出来る。魔術師はこの器官がある事が必須。
ソル神とルナ神→太陽と月の男女神が魔素で満ちた混沌の大地に現れ、世界を二つに分けて浄化した。ソル神は昼間を、ルナ神は夜を受け持った。
婚約者を想うのをやめました
かぐや
恋愛
女性を侍らしてばかりの婚約者に私は宣言した。
「もうあなたを愛するのをやめますので、どうぞご自由に」
最初は婚約者も頷くが、彼女が自分の側にいることがなくなってから初めて色々なことに気づき始める。
*書籍化しました。応援してくださった読者様、ありがとうございます。

愛されなかった公爵令嬢のやり直し
ましゅぺちーの
恋愛
オルレリアン王国の公爵令嬢セシリアは、誰からも愛されていなかった。
母は幼い頃に亡くなり、父である公爵には無視され、王宮の使用人達には憐れみの眼差しを向けられる。
婚約者であった王太子と結婚するが夫となった王太子には冷遇されていた。
そんなある日、セシリアは王太子が寵愛する愛妾を害したと疑われてしまう。
どうせ処刑されるならと、セシリアは王宮のバルコニーから身を投げる。
死ぬ寸前のセシリアは思う。
「一度でいいから誰かに愛されたかった。」と。
目が覚めた時、セシリアは12歳の頃に時間が巻き戻っていた。
セシリアは決意する。
「自分の幸せは自分でつかみ取る!」
幸せになるために奔走するセシリア。
だがそれと同時に父である公爵の、婚約者である王太子の、王太子の愛妾であった男爵令嬢の、驚くべき真実が次々と明らかになっていく。
小説家になろう様にも投稿しています。
タイトル変更しました!大幅改稿のため、一部非公開にしております。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる