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 隣国ガレーンに来て半年が立った。
 言葉使いもわたくしからわたしに変わり、逞しくもなったと思う。


 城壁に囲まれた王都ガレーン――若き国王ドラーゴ・ガーレンが納める国。産業、鉱山、剣と魔法が栄えた大国。わたしたちが住むローレンス大陸一、最強騎士団を保有している大国で冒険者も沢山住む。

 王都の中央の高台からこの国の象徴――王城が王都を見下ろし。
 王都の中は東南西東に街は区切られている。
 北区には亜人が住み、高貴な貴族と商人は西区と東区。一般人が住むのは南区だ。
 
 北区は大昔――奴隷地区と言われていた。国王が代わり奴隷制度は廃止。しかし、北区に住む亜人たちは永住権、通行証、契約書がいる。

 亜人は亜人区のみ、他の区に侵入すれば魔法壁の警報が鳴り響く、亜人は騎士に捕らえられてしまう。その捕まった亜人は牢屋行きか、重い罰金、人に危害を加えたものには一生涯、鉱山での重労働が待っている。

 王都の冒険者ギルドに登録するためには、ガレーン国の永住住民権が必要となり、それを取得するのには一年以上、王都に住まなくてはならない。

 乗ってきた馬を売り、家を探して周り北区に安い家とバイト先を見つけた。







 ミリア亭。北区に唯一ある食堂。
 早朝七時から四時まで週七日働く。その七日のうち一日だけ午前中はお休みで、お昼過ぎから四時までの仕事だ。

 わたしはミリア亭の表から裏に周り、裏口の扉を開けた。

「おはようございます、ミリアさん」
「おはよう、リーヤ」

 挨拶を終えて、手を洗うわたしに店主のミリアが聞いてくる。

「リーヤ、今日の気まぐれは何を作るんだい?」

「気まぐれですか? 今日はオムライスとカボチャのスープ、あとはサラダを作ろうと思っています」

「オムライスか、いいね!」

 ミリア亭で働き始めて三ヶ月を過ぎた頃。
調理が上手くなりたいと相談したわたしに、調理は愛情を込めて丁寧に手順よく作っていけば美味しくなる。"リーヤは手際と包丁の扱いが上手いから、すぐに上手くなるよ"と言ってくれた。

 そして、できたのが「リーヤの気まぐれご飯」
 いちからメニューをひとりで考えて、調理するのだ。
 
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