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十六 *ちょエロ*

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 まとわりつく気持ちの悪い視線にビクッと体が反応する。
 
(気持ち悪いわ) 

 その視線にレオーン様も気付いたのか、ダンスを踊りながら周りを確認しているみたい。
 その視線の先が分かりそうな時、強引に腰を引き寄せられて体が密着した。

「その視線を気にするな見てはいけない。チカは私だけを見るんだ」
「レオーン様」

 二曲目も始まり、まとわりつく視線気にせず、最後まで踊りきることができた。


 ♢ 


 貴族達への挨拶回りが始まると。
 人波をかき分けヒールを鳴らし、私たちに近付く一人の獣人の女性がいた。

 その女性は私たちの前で足を止めて、私を上から下までじろじろ見ると、鼻で笑う。


「「あらっ、こんな貧弱な小娘がレオーン様の番ですって! 番なら仕方ありませんが、レオーン様わたくしの方が小娘よりも、あっちも良い具合かもしれませんわよ」 」

 
 耳を逸らし、尻尾を膨らませ真っ赤な大胆なドレス。
 女豹のように綺麗な獣人の女性が挑発してきた。

「チェルシー嬢、君にはすまないが私にはチカリーヌ嬢だけなんだ。お断りを入れた時にそれ相当な陳謝はしたはずだ」

 レオーン様はその女性の前に出て私を背に隠した。

「やだ、ご冗談ですわよ。ご婚約おめでとうございます。レオーン様」

  最後まで彼女は私を睨みつけて、レオーン様を殿下とは呼ばなかった。彼女はいまでも彼を好きなのだとわかる。

「チカは気にしなくていいよ。彼女は詫び品を受け取っている、それを受け取った事で了解をしたと判断しているからね」

「はい、レオーン様」

 その後は何事もなく、レオーン様の隣に立ち挨拶回りを終わらせた。
 和やかに挨拶が進むなか、殆どの令嬢達からは冷たい視線を向けられだけど、先程の彼女ほどではなかった。

 挨拶が終わり私達に用意された控え室に移動した。

「チカ、平気?」
「平気ですわ。私はレオーン様の婚約者で番ですもの」

 そうかと微笑まれて、ちゅっと唇を奪われる。その後も止まらない口付けは、しだいに深くなっていく。


「んんっ……ふわぁっ、レオーン様」
「私だけの番、誰にも渡さない。傷付けさせやしない」


 片手でドレスの上から背中をさすられ、もう片方の手はスカートの中へと進み太ももの奥、下着の割れ目に指を這わせた。
 
「あぁっ……ダメッ」

 気持ち良くなってしまい会場に戻れなくなってしまうと、レオーン様の手を押さえて止めようとした。

 しかし、彼の手は止まらない。

「もう、会場には戻らなくてもいいよ。父上と母上、君の父上と兄王太子は今頃一緒に食事をしているよ」

「んっ……あっ、あぁ……お父様とお兄様が?」
「お互いの顔見せも兼ねてね、これからの話もすると言っていたよ」

 くぷっと下着をずらして指が滑り込む。
 その中指は肉襞を広げて、いつもは触らない濡れそぼる蜜口に指を忍ばせた。

「やっ、あぁっ……あっ!」

「チカ、すごく感じて濡れてる。ゆっくり指を入れるから力を抜いていて」
「くうっ、ふぅん……んんっ、あっ、あぁあ!」

 レオーン様の中指が濡れて、ぬるぬるな蜜壺にゆっくり潜ってくる。
 初めて感じる違和感に背中はぞわぞわして、下腹部はじんじんする。

「ふっ、チカのなか狭くて熱いね。早く私のを入れたい」
「あっ、あっ……あぁ、レオーン様!」

「私だけのチカ、可愛い番」

 頬に唇にキスを落とされて、したたる蜜に濡れた中指は次に愛芽を摘む。

「んぁっ……あぁ、あぁぁぁっ……っ!」

 すぐに私の体はビクンッと、背中をそらせて達ってしまう。
 快楽に身を委ねて目を瞑り、はぁはぁ息を上げて、レオーン様に胸にもたれかかった。


 その時、何処かでガラスの割れる音を聞く。


「ひゃっ、なっ、なに⁉︎」
「やはり懲りずに来たか……いま、リオンがロッテリーヌを呼んでくる。チカはこの部屋から動いてはダメだよ」

「わかりました」

 見てくるからと、レオーン様は頬にキスして部屋を出て行った。


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