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別荘に行こう
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「起きてください、レオール様」
「ん、もう少し……セバス、来いよ」
ベッドに近付いたセバスを押し倒して、唇を奪う。
「あっ、レオール様、んんっ、もう出る時間ですよ」
「出る時間?」
そう言われて、別荘に行く日だったと気付く。早朝から訓練と執務がないというだけで気が抜けていた。
「んじゃ、行くか」
セバスが用意したシャツとズボンを着込む。いまから馬車の中でも寝るからこれでいいかと、出ようとするとセバスが俺の手を掴み止めた。
「レオール様、せめて寝癖だけでも直しましょう」
「ん、じゃ、セバスがなおして」
かしこまりましたと俺の前に立ち、セバスの指先が寝癖がついた俺の髪を撫でる。
(気持ちいいな)
「セバス」
「なんでしょうか、レオール……んっ、さぁま」
キスを落とせばセバスの指先が髪から、俺の背に回る。舌を絡めず角度を変えて、セバスの柔らかな唇をしばらく楽しんだ。
体の体温が上昇して「はぁっ」と上がる吐息。潤むセバスの瞳に己の欲が募る。
(セバスも乗り気だな、別荘を楽しみにしているのか、俺も楽しみだ)
「行くか」
「……はい」
熱が冷めぬセバスと部屋を後にした。
+
馬車付き場に移動して馬車を見上げた。アーサーとミッシェルは寄り道をするからと、もう城を出立したらしい。
俺たちが乗る馬車に近付くと、そこには俺よりも体型がいい男性とローブ姿の男性が待っていた。
彼らは俺たちに気付くと頭を下げた。
「モードラー家から来ました。約1ヶ月の間、従者をさせていただきます剣士マサと魔法使いラカと言います。レオール王太子殿下、セバス様よろしくお願いします」
(剣士と魔法使いか)
「マサ、ラカよろしく頼む」
「マサさん、ラカさんよろしくお願いします」
2人に挨拶をした後、馬車に乗り込んだ。
「従者の2人は騎士団よりも強そうだな」
「そうですね。当主が選んだ方なので、かなりの剣と魔法の腕前だと思われます」
「前回もだが、今回も強くて優しそうな人で良かった。馬車の外装も俺好みでいいな。中はどうだ?」
「私も楽しみです」
部屋の様な馬車だと聞いて期待していた。
いつもの横乗りではなく後ろから乗るスタイル。入った直ぐ、左にベッド真ん中は通路で右側は2人掛けのソファーとテーブル、奥にシャワー室とトイレ、キッチンが見えた。
「王太子殿下、セバス様、出発いたします」
マサの合図で馬車がゆっくり走り出した。俺とセバスは動き出した馬車の中、あちこち動き回り中を見ていた。
「ベッドとソファー、シャワーとトイレが別々はいいな」
「レオール様、冷やし庫の中に果物と野菜が何個か入っていますね、何か召し上がりますか?」
「果物をいくつか適当に切ってくれ」
「かしこまりました」
俺はセバスに頼みベッドに寝転がった。セバスはエプロンを付けて、キッチンで果物を剥き始めた。
(従者はいるが、この狭い空間に2人か……セバスのエプロン姿はいいな)
朝食の後に何をしょうか、キッチンで果物を切るセバスを眺めていた。
+
俺が寛ぐベッドの反対側テーブルに置かれた果物と果実水。どうぞと、勧めてもなかなか起き上がらない俺にセバス困り顔だ。
「レオール様、食事を済ませてからベッドでご寛ぎください」
と、手拭きの濡れタオルを渡した。
「わかった、セバスも一緒に食べよう」
向かい合い食事が始まった。別荘に行って帰るまでは遠慮せずに会話をして、食事を友の様に一緒に取ろと約束をした。
(まぁ実際は友とは少し違う関係だが、セバスと会話と食事が取れて、過ごせる別荘は俺にとって特別な日々だ)
「なぁセバス。昨日、モードラー家で何を渡された? 去年は大量にぬるぬる液とビンビンドリンク、恋愛の本画大量だったが今年はどうだ?」
「今年は救急箱と薬箱、プールで遊ぶ魔導具、その……エロ魔導具と恋愛の本。あと同人誌という本をいただきました。ぬるぬる液とビンビンドリンクは別荘の各部屋にある、冷やし庫の中に用意したらしいです」
「エロ魔導具……そうか、ところで同人誌とはなんだ?」
「漫画というものらしいのです。私はまだ読んでいないので内容はわからないですが、先にリュートが読んで面白いと喜んでいました。レオール様はお読みになられますか?」
(弟の側近リュートが喜ぶということは、いかがわしい本かな……?)
「気になるな、食事が終わってから読む」
「分かりました、食事の後に何冊か出しますね」
セバスとの食事を再開させた。
「ん、もう少し……セバス、来いよ」
ベッドに近付いたセバスを押し倒して、唇を奪う。
「あっ、レオール様、んんっ、もう出る時間ですよ」
「出る時間?」
そう言われて、別荘に行く日だったと気付く。早朝から訓練と執務がないというだけで気が抜けていた。
「んじゃ、行くか」
セバスが用意したシャツとズボンを着込む。いまから馬車の中でも寝るからこれでいいかと、出ようとするとセバスが俺の手を掴み止めた。
「レオール様、せめて寝癖だけでも直しましょう」
「ん、じゃ、セバスがなおして」
かしこまりましたと俺の前に立ち、セバスの指先が寝癖がついた俺の髪を撫でる。
(気持ちいいな)
「セバス」
「なんでしょうか、レオール……んっ、さぁま」
キスを落とせばセバスの指先が髪から、俺の背に回る。舌を絡めず角度を変えて、セバスの柔らかな唇をしばらく楽しんだ。
体の体温が上昇して「はぁっ」と上がる吐息。潤むセバスの瞳に己の欲が募る。
(セバスも乗り気だな、別荘を楽しみにしているのか、俺も楽しみだ)
「行くか」
「……はい」
熱が冷めぬセバスと部屋を後にした。
+
馬車付き場に移動して馬車を見上げた。アーサーとミッシェルは寄り道をするからと、もう城を出立したらしい。
俺たちが乗る馬車に近付くと、そこには俺よりも体型がいい男性とローブ姿の男性が待っていた。
彼らは俺たちに気付くと頭を下げた。
「モードラー家から来ました。約1ヶ月の間、従者をさせていただきます剣士マサと魔法使いラカと言います。レオール王太子殿下、セバス様よろしくお願いします」
(剣士と魔法使いか)
「マサ、ラカよろしく頼む」
「マサさん、ラカさんよろしくお願いします」
2人に挨拶をした後、馬車に乗り込んだ。
「従者の2人は騎士団よりも強そうだな」
「そうですね。当主が選んだ方なので、かなりの剣と魔法の腕前だと思われます」
「前回もだが、今回も強くて優しそうな人で良かった。馬車の外装も俺好みでいいな。中はどうだ?」
「私も楽しみです」
部屋の様な馬車だと聞いて期待していた。
いつもの横乗りではなく後ろから乗るスタイル。入った直ぐ、左にベッド真ん中は通路で右側は2人掛けのソファーとテーブル、奥にシャワー室とトイレ、キッチンが見えた。
「王太子殿下、セバス様、出発いたします」
マサの合図で馬車がゆっくり走り出した。俺とセバスは動き出した馬車の中、あちこち動き回り中を見ていた。
「ベッドとソファー、シャワーとトイレが別々はいいな」
「レオール様、冷やし庫の中に果物と野菜が何個か入っていますね、何か召し上がりますか?」
「果物をいくつか適当に切ってくれ」
「かしこまりました」
俺はセバスに頼みベッドに寝転がった。セバスはエプロンを付けて、キッチンで果物を剥き始めた。
(従者はいるが、この狭い空間に2人か……セバスのエプロン姿はいいな)
朝食の後に何をしょうか、キッチンで果物を切るセバスを眺めていた。
+
俺が寛ぐベッドの反対側テーブルに置かれた果物と果実水。どうぞと、勧めてもなかなか起き上がらない俺にセバス困り顔だ。
「レオール様、食事を済ませてからベッドでご寛ぎください」
と、手拭きの濡れタオルを渡した。
「わかった、セバスも一緒に食べよう」
向かい合い食事が始まった。別荘に行って帰るまでは遠慮せずに会話をして、食事を友の様に一緒に取ろと約束をした。
(まぁ実際は友とは少し違う関係だが、セバスと会話と食事が取れて、過ごせる別荘は俺にとって特別な日々だ)
「なぁセバス。昨日、モードラー家で何を渡された? 去年は大量にぬるぬる液とビンビンドリンク、恋愛の本画大量だったが今年はどうだ?」
「今年は救急箱と薬箱、プールで遊ぶ魔導具、その……エロ魔導具と恋愛の本。あと同人誌という本をいただきました。ぬるぬる液とビンビンドリンクは別荘の各部屋にある、冷やし庫の中に用意したらしいです」
「エロ魔導具……そうか、ところで同人誌とはなんだ?」
「漫画というものらしいのです。私はまだ読んでいないので内容はわからないですが、先にリュートが読んで面白いと喜んでいました。レオール様はお読みになられますか?」
(弟の側近リュートが喜ぶということは、いかがわしい本かな……?)
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