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モブ、マーレ母さんの独り言
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みんなは知ってる?
この世界が乙女ゲームの世界だと。
今から55年前。
僕はバルバロッサ国王と名乗った人を見て、前世の記憶が蘇った。
(バルバロッサ国って僕が昔、好きだった乙女ゲームに出てくる国の名前……この姿。まさか、転生したのか、それも男に……役所はモブ?)
タイトルは……ん、忘れたけど。ヒロイン、悪役王女、公爵、そして、BL要素もあった腐女子に大人気な乙女ゲーム。このゲームで僕の推しは幸薄少年セバス。黒髪、眼鏡、彼の見た目は腐女子心を虜にした。
(幾度も彼で、僕の心のチンが勃ったよ)
しかし、セバスは脇役で男でも女でもやりまくりな。来る者拒まずヤリチン第1王子の奴隷だった。飽きたと王子に捨てられた後に心が病んでしまい、悪役王女ミッシェルの手駒となってしまう。
悪役王女が婚約破棄後、ヒロインを暗殺しようとした罪で王女は修道院行き、主犯だと言われたセバスは斬首刑となった。
(あの時は落ち込んだ、泣いた)
しばらくして、セバスが余りにも人気キャラだったからか、製作者が売れると思ったのか。キャラだけを使用したBLゲームが発売された。
ゲームは奴隷市場にいたセバスが、第一王子に買われる所から物語が始まる。第一王子、第二王子、近衛騎士、執事、調理長との、どエロ18禁もの。
乙女ゲームとは違い、BLゲームにはセバスにも幸せなルートもあったけど。やはり奴隷出身だからか……セバスは孤独で酷い目に遭うルートが多かった。
この世界のどこかに生まれる、セバスを僕が幸せにする。
(前世の記憶を思い出して、そう思ったけど……魔法使いだからと捕まった後だった……もしかすると僕の命はここで終わるかもしれない。セバス、助けれなくて、ごめん)
覚悟を決めたけどーー僕がこの国に来たすぐに怪我をした子供助けたと、無償で風邪薬などの薬を配ったと伝えられているからか。
魔法を見たいと言った国王に、必死に見せた水芸を気に入ったのかはわからないけど、ビリート国王は僕の魔法を気に入ってくれた。
(た、助かった?)
各国では魔女、魔法使いは危険分子だと排除する運動が盛んだった。危ない魔女、魔法使いも確かにいたけど、人に無害な魔女、魔法使いが捕まり殺されていた。
かくいう僕も見た目を生かし町娘に女装して逃げ回っていた1人。どうにかバルバロッサ国で命は助かった。
これで、推しのセバスを幸せにできる。セバスにもう結構です、と言わせるくらいに幸せを感じさせれる。
それともう一つ、助かった命を僕はビリート国王のために使おうと思う。
(当時のバルバロッサ国は戦争の後で、土地は痩せて作物も実らず、あまり国が裕福ではなかったから)
僕は魔法使いーー魔法を使ってどうにかしたい。魔石を使用した魔導具を作り、いまだ逃げ回る魔女、魔法使いに声をかけた。だけど人は信じない、殺されたくないの回答が殆ど。
『魔法使いマーレを信じてもいい』
と言ってくれたのが、いまの僕の恋人ーー魔法使いのルト。そこから少しずつ人が増えていった。国王が崩御された後も前世の記憶を生かして、国の為に出来ることをしてきた。
(1番のお気に入りは緑スライムから作った、ぬるぬる液かな~)
そして遂に時は来た。
南の国で魔力を持って生まれたからと、親に捨てられた当時3歳のセバスを見つけた。後にリュート、ハサハも増えた。
1番の驚きは。
(乙女ゲーム、BLゲームでもヤリチン王子がーー真面目でしっかりした王子に育ち、セバスを気にいるなんてね)
セバスは王子を初めて見た時から、好きなのは分かっていた。彼の側近になる為に努力していた。
そして2人が18を迎えた時『母さん、レオール様がその、私としてみたいとおっしゃられました』と言われたとき。
(あのヤリチンが僕のセバスとだと!)
ゲームの様になるかと心配したけど、要らない心配だった。リュートも第2王子に気に入られてるし、ハサハはミッシェル王女に振り回されている。
乙女ゲームでは悪役王女だと呼ばれていたミッシェル様はいま、婚約者そっちのけで僕が書いたBL小説にハマりにハマっている。
(ミッシェル様が私よりも、どんどん過激になっていくって困っていたな)
その為にヒロインと婚約者が仲良くしても興味なく。日々、テラスでハサハと他の令嬢達と楽しくBL談義に花を咲かせているらしい。
その姿を見てかーーゲームでは隠しキャラ。隣国の第5王子ジェダ様はミッシェル王女を気に入り、アプローチをしているとハサハは言っていた。
『私はBLが好きです、こんな私でも良いのですか?』
と、ミッシェル王女が聞いた所。彼曰く「僕も読んでいますから」だそうだ。ジェダ様はまさかの腐男子でした。
日々、何事もなく、みんなが幸せであればいい。
「ルト、ルト、甘えてもいい?」
「いいよ、遠慮なくおいで」
それでは皆さん、僕はいまからルトに甘えてきまーす。
この世界が乙女ゲームの世界だと。
今から55年前。
僕はバルバロッサ国王と名乗った人を見て、前世の記憶が蘇った。
(バルバロッサ国って僕が昔、好きだった乙女ゲームに出てくる国の名前……この姿。まさか、転生したのか、それも男に……役所はモブ?)
タイトルは……ん、忘れたけど。ヒロイン、悪役王女、公爵、そして、BL要素もあった腐女子に大人気な乙女ゲーム。このゲームで僕の推しは幸薄少年セバス。黒髪、眼鏡、彼の見た目は腐女子心を虜にした。
(幾度も彼で、僕の心のチンが勃ったよ)
しかし、セバスは脇役で男でも女でもやりまくりな。来る者拒まずヤリチン第1王子の奴隷だった。飽きたと王子に捨てられた後に心が病んでしまい、悪役王女ミッシェルの手駒となってしまう。
悪役王女が婚約破棄後、ヒロインを暗殺しようとした罪で王女は修道院行き、主犯だと言われたセバスは斬首刑となった。
(あの時は落ち込んだ、泣いた)
しばらくして、セバスが余りにも人気キャラだったからか、製作者が売れると思ったのか。キャラだけを使用したBLゲームが発売された。
ゲームは奴隷市場にいたセバスが、第一王子に買われる所から物語が始まる。第一王子、第二王子、近衛騎士、執事、調理長との、どエロ18禁もの。
乙女ゲームとは違い、BLゲームにはセバスにも幸せなルートもあったけど。やはり奴隷出身だからか……セバスは孤独で酷い目に遭うルートが多かった。
この世界のどこかに生まれる、セバスを僕が幸せにする。
(前世の記憶を思い出して、そう思ったけど……魔法使いだからと捕まった後だった……もしかすると僕の命はここで終わるかもしれない。セバス、助けれなくて、ごめん)
覚悟を決めたけどーー僕がこの国に来たすぐに怪我をした子供助けたと、無償で風邪薬などの薬を配ったと伝えられているからか。
魔法を見たいと言った国王に、必死に見せた水芸を気に入ったのかはわからないけど、ビリート国王は僕の魔法を気に入ってくれた。
(た、助かった?)
各国では魔女、魔法使いは危険分子だと排除する運動が盛んだった。危ない魔女、魔法使いも確かにいたけど、人に無害な魔女、魔法使いが捕まり殺されていた。
かくいう僕も見た目を生かし町娘に女装して逃げ回っていた1人。どうにかバルバロッサ国で命は助かった。
これで、推しのセバスを幸せにできる。セバスにもう結構です、と言わせるくらいに幸せを感じさせれる。
それともう一つ、助かった命を僕はビリート国王のために使おうと思う。
(当時のバルバロッサ国は戦争の後で、土地は痩せて作物も実らず、あまり国が裕福ではなかったから)
僕は魔法使いーー魔法を使ってどうにかしたい。魔石を使用した魔導具を作り、いまだ逃げ回る魔女、魔法使いに声をかけた。だけど人は信じない、殺されたくないの回答が殆ど。
『魔法使いマーレを信じてもいい』
と言ってくれたのが、いまの僕の恋人ーー魔法使いのルト。そこから少しずつ人が増えていった。国王が崩御された後も前世の記憶を生かして、国の為に出来ることをしてきた。
(1番のお気に入りは緑スライムから作った、ぬるぬる液かな~)
そして遂に時は来た。
南の国で魔力を持って生まれたからと、親に捨てられた当時3歳のセバスを見つけた。後にリュート、ハサハも増えた。
1番の驚きは。
(乙女ゲーム、BLゲームでもヤリチン王子がーー真面目でしっかりした王子に育ち、セバスを気にいるなんてね)
セバスは王子を初めて見た時から、好きなのは分かっていた。彼の側近になる為に努力していた。
そして2人が18を迎えた時『母さん、レオール様がその、私としてみたいとおっしゃられました』と言われたとき。
(あのヤリチンが僕のセバスとだと!)
ゲームの様になるかと心配したけど、要らない心配だった。リュートも第2王子に気に入られてるし、ハサハはミッシェル王女に振り回されている。
乙女ゲームでは悪役王女だと呼ばれていたミッシェル様はいま、婚約者そっちのけで僕が書いたBL小説にハマりにハマっている。
(ミッシェル様が私よりも、どんどん過激になっていくって困っていたな)
その為にヒロインと婚約者が仲良くしても興味なく。日々、テラスでハサハと他の令嬢達と楽しくBL談義に花を咲かせているらしい。
その姿を見てかーーゲームでは隠しキャラ。隣国の第5王子ジェダ様はミッシェル王女を気に入り、アプローチをしているとハサハは言っていた。
『私はBLが好きです、こんな私でも良いのですか?』
と、ミッシェル王女が聞いた所。彼曰く「僕も読んでいますから」だそうだ。ジェダ様はまさかの腐男子でした。
日々、何事もなく、みんなが幸せであればいい。
「ルト、ルト、甘えてもいい?」
「いいよ、遠慮なくおいで」
それでは皆さん、僕はいまからルトに甘えてきまーす。
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