40 / 54
八章 統一祭
39話:ラメッタ、想う
しおりを挟む
ラメッタとクレーエンは城へ来なかった人物を探しながら祭りを堪能していた。
手に持っている指揮棒のようなものは、一度認識させた人物以外に向けると仄かに赤く光る仕様となっていて、ラメッタが作った魔道具である。
この魔道具やオシュテン派やトゥーゲント連合のすべての幹部に渡している。
姫や従者、執事は安全のため城でじっとしている。
ラメッタはディーレにお土産を買おうかと考えながら、指揮棒で紙の容器に乗っている肉を突いて食べていた。
クレーエンはその様子を白い目で見ている。
「いいのかそれ」
「大丈夫じゃよ? クレーエンも肉食べるか? 炭火じゃよ」
「必要ない。というか何の肉だ?」
「騎士団に養われておったおぬしなら多様な肉を食べていると思うが」
「見たことないんだよ」
「そう? 魔獣とか魔物とか呼ばれるやつ」
「げっ」
クレーエンは苦そうな顔をして吐き気とともに舌を出す。
「……ではないことは確かじゃ。保存肉じゃな、城で保存していた」
「保存用の魔道具か?」
「王族なら持っていて当然じゃろ。じゃが結構な量じゃな。もう城には肉がないかもしれん。ディーレ姫が他国から輸入してくれていると思うから一時的になくなるってだけじゃな」
「保存してたものか」
「香辛料も使ってな。美味いぞ」
「だから見たことないのか。香辛料に知らないものが使われてるってことだな」
「そ。十七才若いの。わしは知ってる」
「見た目は十三才のガキのくせに」
クレーエンは文句を言いながら香辛料が効いた炭火焼き肉を手で掴んで食べる。
脂が表面に浮かんでおらずさっぱりとした印象で、炭火の香りと引き締まった肉の歯応えがより美味しく感じさせる。
「美味しい」
「じゃろ。クレーエン、心配するな。しっかり魔族は探しておる。じゃから楽しもう」
「気楽なものだ」
「せっかく男女で出掛けてるのじゃから」
「ガキが何か言っているな」
クレーエンはラメッタが調子に乗るものだから意地悪のつもりで言った。
ラメッタは黙っている。
クレーエンは心配になってラメッタの横顔を見た。
寂しそうに、悲しそうに、どこにも視線を合わせずに、どこか遠くを思っているようだった。
クレーエンは何も言えなくなって、でも気まずいからと置いていくこともできずに、沈黙の中でラメッタの隣に居続ける。
「食べ終わった」
「まだ何か買うのか?」
「フルーツ飴も美味そうじゃな。クレーエン、一緒にどうか?」
「二人で一つを買うのか?」
「違うわいっ。串に刺さったものを二人で分け合うのは難しいじゃろ! 一緒に同じものを食べようってことじゃ」
「ラメッタ」
「ん?」
「今日は一体どうしたんだ?」
「どうもこうもないじゃろ」
「様子がいつもと違うような?」
「そっか。そうかも」
ラメッタは出店を見つけるとクレーエンの手を取って駆けていく。
身長差からクレーエンとラメッタは兄妹のように見えた。
出店の店員はオシュテン派の人間でラメッタを見たことがないらしく。
兄妹のような二人を見て微笑ましく思っていた。
「これとこれ!」
「まいど」
ラメッタは握り拳ほどのフルーツ飴を見て嬉しそうに笑う。
それぞれ赤色と緑色の飴のコーティングがされていて、ラメッタは緑色の飴を齧りクレーエンに渡す。
「これはわしのじゃが。一口どうじゃ」
「はあ?」
「共有して二種類食べよう」
「分かったよ」
「恋人みたいじゃな」
ラメッタはつま先立ちになって背伸びをする。
クレーエンはしゃがんで口で飴を迎えに行った。
「何を言ってるんだよ」
「わしも分からぬ。分からぬが、わしは」
ラメッタは続いて赤色の飴を大きく開けた口で食べた。
それでも歯形はクレーエンよりも一回り小さい。
その飴をクレーエンに渡す。
間接キスだ、クレーエンは思う。
果たしてラメッタは気づいていないのか、気にしていないのか、それとも。
ラメッタはクレーエンの歯形を見ると小さな舌を出して、歯形の反対側を舐める。
クレーエンはそれを見て身体が僅かに熱っぽくなる。
ラメッタも気になっているらしい。
自然な様子で齧って飴を渡してきたと思ったが。
どうしてわざわざ苦行のような真似を。
「わしはクレーエンのことが好きじゃ」
ラメッタは俯いて言う。
落ち着いた聞き取りやすい口調から、高まって失敗しないようにと慎重に語っていることが伝わる。
何を言っているんだ?
クレーエンは焦りと驚きで一歩下がりかけた。
「バオムも好きじゃ」
続けた言葉を聞いて、クレーエンはホッとする。
何に安堵しているんだ?
クレーエンは分からない。
「ディーレ姫たちもシュヴァルツたちも好きじゃ。オシュテンは苦手じゃが頼りになる。わしはどうすればいいんじゃろ。あと間接キスはすまぬ。二つ食べたいという好奇心が勝って気づかなかった」
「好奇心が勝つか。狂乱科学者らしくて良いな。世界樹を暴走させただけある」
「あれは予想外じゃがッ!」
「バオム国ごと救うだけだろ。潜伏している魔族を見つけて倒す。魔王軍四天王を倒しながら国王様を見つけてディーレ姫のもとに返す。すべきことは決まっている」
「そうじゃけどな、わしは。まだクレーエンに言うべきか決断を迷っていることがある」
「決断して言うべきと思ったら聞かせてくれ」
「じゃな。そうか、今言っておくか。わしは、心も恐らく十三才のままとか。知識は増えても大人になれていないところがある。わしの生き方が悪いのか世界樹の花粉を浴びたことによる不老の呪いによるものか分からぬが?」
ラメッタは重大なことをようやく言ったつもりでいた。
だからびくびくしながら窺うようにクレーエンを見るが。
クレーエンは真剣な眼差しで聞いていた。
「知ってる。だから形だけでも大人になるんだろ? ラメッタが頑張ってるのは分かる。じゃあそろそろ魔族探すぞ」
クレーエンは速足で進む。
だが後ろから付いてくるラメッタを置いていくような速さではない。
「わし、内緒じゃけどな。聞いちゃ駄目じゃけどな」
ラメッタは前にいるクレーエンに聞こえないように。
そっと心の内を零す。
「わし、クレーエンがお兄ちゃんみたいで。でも強くて良いやつで。クレーエンのことが好き」
ラメッタは最後に甘い吐息を漏らす。
「聞こえてない、大丈夫じゃろ。わしは本当にクレーエンが大好きじゃな、えへへ」
頬を緩めて幸せそうに呟く。
がクレーエンの身体能力は想像を遥かに上回る。
「聞こえてる」
クレーエンの嬉しそうで、でも消えてしまいそうな声はラメッタには聞こえるはずもなく。
「聞こえてるぞ。一体どうしろって。このガキ」
クレーエンが後ろを振り返る。
少しだけラメッタとの間隔が開いていた。
ラメッタは肉が入っていた空の容器を落として。
指揮棒のようなものを右方向に向けていた。
光っている。
つまり。
「クレーエン、当たりじゃが。光が強いから一体じゃない。向こうの出店に集まっているのがすべて魔族だとしたら、まあそうだろうが。何かが起きる前に潰したい」
「分かった。戦う、それが俺の仕事だ」
クレーエンは一転して覇気のある眼差しに変わる。
背中に触れて鞘の位置を確認した。
手に持っている指揮棒のようなものは、一度認識させた人物以外に向けると仄かに赤く光る仕様となっていて、ラメッタが作った魔道具である。
この魔道具やオシュテン派やトゥーゲント連合のすべての幹部に渡している。
姫や従者、執事は安全のため城でじっとしている。
ラメッタはディーレにお土産を買おうかと考えながら、指揮棒で紙の容器に乗っている肉を突いて食べていた。
クレーエンはその様子を白い目で見ている。
「いいのかそれ」
「大丈夫じゃよ? クレーエンも肉食べるか? 炭火じゃよ」
「必要ない。というか何の肉だ?」
「騎士団に養われておったおぬしなら多様な肉を食べていると思うが」
「見たことないんだよ」
「そう? 魔獣とか魔物とか呼ばれるやつ」
「げっ」
クレーエンは苦そうな顔をして吐き気とともに舌を出す。
「……ではないことは確かじゃ。保存肉じゃな、城で保存していた」
「保存用の魔道具か?」
「王族なら持っていて当然じゃろ。じゃが結構な量じゃな。もう城には肉がないかもしれん。ディーレ姫が他国から輸入してくれていると思うから一時的になくなるってだけじゃな」
「保存してたものか」
「香辛料も使ってな。美味いぞ」
「だから見たことないのか。香辛料に知らないものが使われてるってことだな」
「そ。十七才若いの。わしは知ってる」
「見た目は十三才のガキのくせに」
クレーエンは文句を言いながら香辛料が効いた炭火焼き肉を手で掴んで食べる。
脂が表面に浮かんでおらずさっぱりとした印象で、炭火の香りと引き締まった肉の歯応えがより美味しく感じさせる。
「美味しい」
「じゃろ。クレーエン、心配するな。しっかり魔族は探しておる。じゃから楽しもう」
「気楽なものだ」
「せっかく男女で出掛けてるのじゃから」
「ガキが何か言っているな」
クレーエンはラメッタが調子に乗るものだから意地悪のつもりで言った。
ラメッタは黙っている。
クレーエンは心配になってラメッタの横顔を見た。
寂しそうに、悲しそうに、どこにも視線を合わせずに、どこか遠くを思っているようだった。
クレーエンは何も言えなくなって、でも気まずいからと置いていくこともできずに、沈黙の中でラメッタの隣に居続ける。
「食べ終わった」
「まだ何か買うのか?」
「フルーツ飴も美味そうじゃな。クレーエン、一緒にどうか?」
「二人で一つを買うのか?」
「違うわいっ。串に刺さったものを二人で分け合うのは難しいじゃろ! 一緒に同じものを食べようってことじゃ」
「ラメッタ」
「ん?」
「今日は一体どうしたんだ?」
「どうもこうもないじゃろ」
「様子がいつもと違うような?」
「そっか。そうかも」
ラメッタは出店を見つけるとクレーエンの手を取って駆けていく。
身長差からクレーエンとラメッタは兄妹のように見えた。
出店の店員はオシュテン派の人間でラメッタを見たことがないらしく。
兄妹のような二人を見て微笑ましく思っていた。
「これとこれ!」
「まいど」
ラメッタは握り拳ほどのフルーツ飴を見て嬉しそうに笑う。
それぞれ赤色と緑色の飴のコーティングがされていて、ラメッタは緑色の飴を齧りクレーエンに渡す。
「これはわしのじゃが。一口どうじゃ」
「はあ?」
「共有して二種類食べよう」
「分かったよ」
「恋人みたいじゃな」
ラメッタはつま先立ちになって背伸びをする。
クレーエンはしゃがんで口で飴を迎えに行った。
「何を言ってるんだよ」
「わしも分からぬ。分からぬが、わしは」
ラメッタは続いて赤色の飴を大きく開けた口で食べた。
それでも歯形はクレーエンよりも一回り小さい。
その飴をクレーエンに渡す。
間接キスだ、クレーエンは思う。
果たしてラメッタは気づいていないのか、気にしていないのか、それとも。
ラメッタはクレーエンの歯形を見ると小さな舌を出して、歯形の反対側を舐める。
クレーエンはそれを見て身体が僅かに熱っぽくなる。
ラメッタも気になっているらしい。
自然な様子で齧って飴を渡してきたと思ったが。
どうしてわざわざ苦行のような真似を。
「わしはクレーエンのことが好きじゃ」
ラメッタは俯いて言う。
落ち着いた聞き取りやすい口調から、高まって失敗しないようにと慎重に語っていることが伝わる。
何を言っているんだ?
クレーエンは焦りと驚きで一歩下がりかけた。
「バオムも好きじゃ」
続けた言葉を聞いて、クレーエンはホッとする。
何に安堵しているんだ?
クレーエンは分からない。
「ディーレ姫たちもシュヴァルツたちも好きじゃ。オシュテンは苦手じゃが頼りになる。わしはどうすればいいんじゃろ。あと間接キスはすまぬ。二つ食べたいという好奇心が勝って気づかなかった」
「好奇心が勝つか。狂乱科学者らしくて良いな。世界樹を暴走させただけある」
「あれは予想外じゃがッ!」
「バオム国ごと救うだけだろ。潜伏している魔族を見つけて倒す。魔王軍四天王を倒しながら国王様を見つけてディーレ姫のもとに返す。すべきことは決まっている」
「そうじゃけどな、わしは。まだクレーエンに言うべきか決断を迷っていることがある」
「決断して言うべきと思ったら聞かせてくれ」
「じゃな。そうか、今言っておくか。わしは、心も恐らく十三才のままとか。知識は増えても大人になれていないところがある。わしの生き方が悪いのか世界樹の花粉を浴びたことによる不老の呪いによるものか分からぬが?」
ラメッタは重大なことをようやく言ったつもりでいた。
だからびくびくしながら窺うようにクレーエンを見るが。
クレーエンは真剣な眼差しで聞いていた。
「知ってる。だから形だけでも大人になるんだろ? ラメッタが頑張ってるのは分かる。じゃあそろそろ魔族探すぞ」
クレーエンは速足で進む。
だが後ろから付いてくるラメッタを置いていくような速さではない。
「わし、内緒じゃけどな。聞いちゃ駄目じゃけどな」
ラメッタは前にいるクレーエンに聞こえないように。
そっと心の内を零す。
「わし、クレーエンがお兄ちゃんみたいで。でも強くて良いやつで。クレーエンのことが好き」
ラメッタは最後に甘い吐息を漏らす。
「聞こえてない、大丈夫じゃろ。わしは本当にクレーエンが大好きじゃな、えへへ」
頬を緩めて幸せそうに呟く。
がクレーエンの身体能力は想像を遥かに上回る。
「聞こえてる」
クレーエンの嬉しそうで、でも消えてしまいそうな声はラメッタには聞こえるはずもなく。
「聞こえてるぞ。一体どうしろって。このガキ」
クレーエンが後ろを振り返る。
少しだけラメッタとの間隔が開いていた。
ラメッタは肉が入っていた空の容器を落として。
指揮棒のようなものを右方向に向けていた。
光っている。
つまり。
「クレーエン、当たりじゃが。光が強いから一体じゃない。向こうの出店に集まっているのがすべて魔族だとしたら、まあそうだろうが。何かが起きる前に潰したい」
「分かった。戦う、それが俺の仕事だ」
クレーエンは一転して覇気のある眼差しに変わる。
背中に触れて鞘の位置を確認した。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
【R18】義弟ディルドで処女喪失したらブチギレた義弟に襲われました
春瀬湖子
恋愛
伯爵令嬢でありながら魔法研究室の研究員として日々魔道具を作っていたフラヴィの集大成。
大きく反り返り、凶悪なサイズと浮き出る血管。全てが想像以上だったその魔道具、名付けて『大好き義弟パトリスの魔道ディルド』を作り上げたフラヴィは、早速その魔道具でうきうきと処女を散らした。
――ことがディルドの大元、義弟のパトリスにバレちゃった!?
「その男のどこがいいんですか」
「どこって……おちんちん、かしら」
(だって貴方のモノだもの)
そんな会話をした晩、フラヴィの寝室へパトリスが夜這いにやってきて――!?
拗らせ義弟と魔道具で義弟のディルドを作って楽しんでいた義姉の両片想いラブコメです。
※他サイト様でも公開しております。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
私の代わりが見つかったから契約破棄ですか……その代わりの人……私の勘が正しければ……結界詐欺師ですよ
Ryo-k
ファンタジー
「リリーナ! 貴様との契約を破棄する!」
結界魔術師リリーナにそう仰るのは、ライオネル・ウォルツ侯爵。
「彼女は結界魔術師1級を所持している。だから貴様はもう不要だ」
とシュナ・ファールと名乗る別の女性を部屋に呼んで宣言する。
リリーナは結界魔術師2級を所持している。
ライオネルの言葉が本当なら確かにすごいことだ。
……本当なら……ね。
※完結まで執筆済み
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
彼女が望むなら
mios
恋愛
公爵令嬢と王太子殿下の婚約は円満に解消された。揉めるかと思っていた男爵令嬢リリスは、拍子抜けした。男爵令嬢という身分でも、王妃になれるなんて、予定とは違うが高位貴族は皆好意的だし、王太子殿下の元婚約者も応援してくれている。
リリスは王太子妃教育を受ける為、王妃と会い、そこで常に身につけるようにと、ある首飾りを渡される。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる