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最終章 規約違反少女がマッチングアプリで無法すぎる! 149~
その7 ヒウタとシュイロの本音
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シュイロはアキトヨに肩を貸して浴室から出てきた。
トアオがアルコールの強烈な匂いがするシュイロを風呂に入れるようにアキトヨに指示したのだが、アキトヨはシュイロのことが大好きである。風呂でシュイロの裸体を目撃してしまったために、鼻血を出してふらついたのだ。
というわけでシュイロがアキトヨを支えているわけだが、シュイロは湯で髪を濡らして光をよく反射していた。
アキトヨを炬燵に足が入るように寝かせると、シュイロはドライヤーを更衣室にある棚から持ってくる。
「これから夕食のつもりでした。ヒウタさん、鍋を作りましょう。豚骨スープの鍋のもとがいつものところにあります。豚肉と野菜を準備してください」
「分かった。まな板は二つ出す?」
「もちろんです。ヒウタさん、シュイロさんに手伝わせていいですか!」
「もちろんですが、なんていうかすごい勢い……」
「さっさと作ってしまいたいので。ヒウタさんも自炊していますが、シュイロさんに任せた方がいいと思いますし」
あれ?
元々ヒウタは実家暮らしのために料理をしない男だった。
シュイロのマッチングアプリでアルバイトをする際に、シュイロの都合でマンションの一室に住むことになる。そのため、少しずつは自炊をしていた。
その後、妹のアメユキがマッチングアプリの手伝いという怪しいアルバイトに勤しんでいることを知って止めるために、家事ができないなら一人暮らしは認めないと言ってきた。
そのため、シュイロとマッチングアプリのアルバイトで知り合ったカズサに頼み込み、家事を伝授してもらったり、部屋を掃除してもらったりしていた。
したがって、ヒウタの料理テクニックはシュイロの影響を大きく受けているのだが。
「シュイロさんの料理って美味しいですよね」
「むむ? いつ食べたのですか」
「一人暮らし始めるときに教えてもらっていて」
「そうですか。別に今更何も言いませんが?」
「ええ、怒っているの?」
「どうでしょう」
「ええ」
「少し機嫌が良くないだけです。呼んできますね」
トアオはシュイロの手を取って戻ってくる。
「女性は料理ができた方がモテる。得意料理を聞いてきた」
シュイロは丸々肥えた大根の皮を剥きながら愚痴る。
皮は適度に薄く、包丁が鉋のように見えるような所作で一度も切れずに皮が続く。
「あまり得意ではない私に文句ですか?」
「違う。アピールしたくなくて味噌汁とかオムライスとか答えた。それだけで言い寄ってくる人が増えて」
「シュイロさん、それはギャップですね。全くできないのであれば問題ですが、それなりに料理をする男性のプライドは傷つかないレベルの話です。この男たらし。元夫や問題児でもあった『七つの大罪』少女がいたおかげで、この人たらしが世に放たれなかったのは幸いでしたね。おしゃれといえば、『色欲』少女のシフユさんですか」
トアオはニンジンの皮を除かず根を軽く切るだけで鍋に入れようとすると、シュイロに泊められる。シュイロは何も言わずに皮を剥いて鍋に入れる。
その様子をヒウタが見ていると、トアオは「皮も可食部同じ色で、面倒だったんですよ。こう見えても『怠惰』少女なので」と開き直って言い訳を連ねていた。
「おしゃれしたら婚活が上手くいくのか?」
「いえ。おしゃれして街を歩いたらどれだけ言い寄られるのかなと。個人的には楽しみですね」
「データを集めてどうする?」
「開発に使いますよ。チャコさんに協力してもらえれば『モテる薬』が作れるかもしれませんし」
「シフユも欲しがるだろうな。でもチャコちゃんはもうそういうものは作らないらしいな。同棲中の男性が全力で止めてくるらしい。私の命を助けてもらって申し訳なかったな」
チャコは『強欲』少女で医学、生物学の分野の技術や開発力が優れており、機械に強い『トアオ』の医学、生物学版である。
現在はシュイロが管理しているマッチングアプリで出会った男性と同棲している。
「本当に反省してください」
「そうだな」
鍋ができるとアキトヨは既に起きて、いつの間にか取り皿と箸、コップと緑茶が入ったポッドを用意していた。
使うはずがないフォークを両手に持って、柄の部分でテーブルを叩いている。
シュイロが茶碗に盛りつけた白飯を渡すとぱあっと明るい表情になる。
「あれ、駄目ですよ」
トアオが炬燵に入るとテーブルに酒瓶が置いてあることに気づく。
「アキトヨさん、シュイロさんを甘やかさないでください。この人、普段は大丈夫ですがセンチメンタルになるとすぐに酔って面倒になりますから」
「面倒とは酷くないか?」
「シュイロさんに付いていったのは私ですが、まさかここまで酒カスとは思いませんでした。恋愛が絡むと他人でも自分でも私以上にポンコツでしたから。シュイロさんがヒウタさんとマッチングしてデートに行ったとき、私と行くはずの場所に連れ出しましたよね」
「その話は前にしなかったか?」
「覚えていませんよ。でもやはり人たらしです。その一回のデートでヒウタさんは面倒を何度も押し付けられたと思いますし。一番きつかったことを聞いてもいいですか?」
ヒウタは指をトアオに向ける。
シュイロは吹き出しそうになって堪えている。
アキトヨはお玉じゃくしで鍋のスープを掬って、白飯にたっぷりかけている。
「え? それはないでしょう」
「シュイロさんも納得しますよね?」
「オーパーツ集めだろ。死にかけたと聞いたが?」
シュイロが愉快そうに言う。
「アメユキが聞いたらどれだけ怒ってしまうか。トアオさんは敵組織に誘拐されますし、急に法の外で素人なのに戦わされましたし。無法すぎですよ、キヌイさんの件も怖かったけど、トアオさんのオーパーツ集めは別格でした」
「オーパーツ集めないと危険だった。組織に取られたら世界が終わってしまう。ヒウタさんは私のヒーローですが、同時に世界のヒーローです。それを知っているのは僅かな人たちですが。私はあのときヒウタさんに助けてもらって、大好きになるだけじゃなくて、シュイロさんがヒウタさんにマッチングアプリを手伝わせたこと、シュイロさんが私の手伝いを許可した意味を理解しました。あのときはまだ喧嘩していたのに」
トアオは廃校の屋上で敵組織に足場を崩され死にかけた。ヒウタが命をかけて飛び込みトアオだけでも助けようとした。そのとき、トアオがヒウタの背負いバッグに付けていた自動で広がるパラシュートが作動し、二人とも助かったのだ。パラシュートの存在を知らなかったヒウタは自分が衝撃を受けることで命を以てトアオを救うつもりだったのだ。
その後、同行していたトアオのもう一人の親友運ちゃん(本名:真白)もヒウタが好きだったが、トアオのために距離を取ることにしていた。親友のために譲るという決断に、トアオは納得できていたわけではないが、運ちゃんの覚悟を聞いて受け入れることにしたのだ。
一連のことはトアオにとっては良い思い出だったが、ヒウタからすればマッチングアプリ関連で一番きつかったことだった。
なぜトアオは自分ではないと思ったのか?
一連の件があったため、ヒウタはトアオのことを知って信頼するようになり、最終的に恋人となったわけだが。危険だったことに変わりはない。
「確かに私が一番ですね」
「ヒウ君、うどん食べたいわ。シメに」
鍋が結構減っていた。
会話に入れないでいたアキトヨがさっさと食べ進めていた結果である。
「シュイロさん、そろそろ詳細を聞きたいです」
アキトヨが言う。
シュイロはアキトヨを撫でて応える。
「そうだな。ある程度話してしまったが、」
冬の婚活反省会は、炬燵と鍋で温まりながら盛り上がっていく。
何度もシュイロがお酒を飲もうとするがトアオに阻止されて。
うどんを温めて鍋に入れる頃には腹も膨れてきて、流石に酒を欲しがらなくなったが。
シュイロは恋を頑張っていくらしい。
アキトヨは当然応援していた。
トアオは酒を飲もうとするシュイロに呆れていたが、やはり親友らしく励ましていた。
ヒウタも意外とポンコツで、モテモテなシュイロの背中を押す。
「まずは彼氏を作るか」
というシュイロ自身の結論に、総員が「シュイロさんなら、作るだけなら余裕だろうが!」と強めに言われて。
一番の目的である婚活の進め方の答えも出ないまま反省会は終わってしまった。
アキトヨが炬燵で眠り、トアオがアキトヨの髪を弄りながら皿洗いをするヒウタとシュイロを見ている。
「楽しかった」
と笑うシュイロに、
「少しは元気になりましたね」
トアオは満足そうに呟いた。
トアオがアルコールの強烈な匂いがするシュイロを風呂に入れるようにアキトヨに指示したのだが、アキトヨはシュイロのことが大好きである。風呂でシュイロの裸体を目撃してしまったために、鼻血を出してふらついたのだ。
というわけでシュイロがアキトヨを支えているわけだが、シュイロは湯で髪を濡らして光をよく反射していた。
アキトヨを炬燵に足が入るように寝かせると、シュイロはドライヤーを更衣室にある棚から持ってくる。
「これから夕食のつもりでした。ヒウタさん、鍋を作りましょう。豚骨スープの鍋のもとがいつものところにあります。豚肉と野菜を準備してください」
「分かった。まな板は二つ出す?」
「もちろんです。ヒウタさん、シュイロさんに手伝わせていいですか!」
「もちろんですが、なんていうかすごい勢い……」
「さっさと作ってしまいたいので。ヒウタさんも自炊していますが、シュイロさんに任せた方がいいと思いますし」
あれ?
元々ヒウタは実家暮らしのために料理をしない男だった。
シュイロのマッチングアプリでアルバイトをする際に、シュイロの都合でマンションの一室に住むことになる。そのため、少しずつは自炊をしていた。
その後、妹のアメユキがマッチングアプリの手伝いという怪しいアルバイトに勤しんでいることを知って止めるために、家事ができないなら一人暮らしは認めないと言ってきた。
そのため、シュイロとマッチングアプリのアルバイトで知り合ったカズサに頼み込み、家事を伝授してもらったり、部屋を掃除してもらったりしていた。
したがって、ヒウタの料理テクニックはシュイロの影響を大きく受けているのだが。
「シュイロさんの料理って美味しいですよね」
「むむ? いつ食べたのですか」
「一人暮らし始めるときに教えてもらっていて」
「そうですか。別に今更何も言いませんが?」
「ええ、怒っているの?」
「どうでしょう」
「ええ」
「少し機嫌が良くないだけです。呼んできますね」
トアオはシュイロの手を取って戻ってくる。
「女性は料理ができた方がモテる。得意料理を聞いてきた」
シュイロは丸々肥えた大根の皮を剥きながら愚痴る。
皮は適度に薄く、包丁が鉋のように見えるような所作で一度も切れずに皮が続く。
「あまり得意ではない私に文句ですか?」
「違う。アピールしたくなくて味噌汁とかオムライスとか答えた。それだけで言い寄ってくる人が増えて」
「シュイロさん、それはギャップですね。全くできないのであれば問題ですが、それなりに料理をする男性のプライドは傷つかないレベルの話です。この男たらし。元夫や問題児でもあった『七つの大罪』少女がいたおかげで、この人たらしが世に放たれなかったのは幸いでしたね。おしゃれといえば、『色欲』少女のシフユさんですか」
トアオはニンジンの皮を除かず根を軽く切るだけで鍋に入れようとすると、シュイロに泊められる。シュイロは何も言わずに皮を剥いて鍋に入れる。
その様子をヒウタが見ていると、トアオは「皮も可食部同じ色で、面倒だったんですよ。こう見えても『怠惰』少女なので」と開き直って言い訳を連ねていた。
「おしゃれしたら婚活が上手くいくのか?」
「いえ。おしゃれして街を歩いたらどれだけ言い寄られるのかなと。個人的には楽しみですね」
「データを集めてどうする?」
「開発に使いますよ。チャコさんに協力してもらえれば『モテる薬』が作れるかもしれませんし」
「シフユも欲しがるだろうな。でもチャコちゃんはもうそういうものは作らないらしいな。同棲中の男性が全力で止めてくるらしい。私の命を助けてもらって申し訳なかったな」
チャコは『強欲』少女で医学、生物学の分野の技術や開発力が優れており、機械に強い『トアオ』の医学、生物学版である。
現在はシュイロが管理しているマッチングアプリで出会った男性と同棲している。
「本当に反省してください」
「そうだな」
鍋ができるとアキトヨは既に起きて、いつの間にか取り皿と箸、コップと緑茶が入ったポッドを用意していた。
使うはずがないフォークを両手に持って、柄の部分でテーブルを叩いている。
シュイロが茶碗に盛りつけた白飯を渡すとぱあっと明るい表情になる。
「あれ、駄目ですよ」
トアオが炬燵に入るとテーブルに酒瓶が置いてあることに気づく。
「アキトヨさん、シュイロさんを甘やかさないでください。この人、普段は大丈夫ですがセンチメンタルになるとすぐに酔って面倒になりますから」
「面倒とは酷くないか?」
「シュイロさんに付いていったのは私ですが、まさかここまで酒カスとは思いませんでした。恋愛が絡むと他人でも自分でも私以上にポンコツでしたから。シュイロさんがヒウタさんとマッチングしてデートに行ったとき、私と行くはずの場所に連れ出しましたよね」
「その話は前にしなかったか?」
「覚えていませんよ。でもやはり人たらしです。その一回のデートでヒウタさんは面倒を何度も押し付けられたと思いますし。一番きつかったことを聞いてもいいですか?」
ヒウタは指をトアオに向ける。
シュイロは吹き出しそうになって堪えている。
アキトヨはお玉じゃくしで鍋のスープを掬って、白飯にたっぷりかけている。
「え? それはないでしょう」
「シュイロさんも納得しますよね?」
「オーパーツ集めだろ。死にかけたと聞いたが?」
シュイロが愉快そうに言う。
「アメユキが聞いたらどれだけ怒ってしまうか。トアオさんは敵組織に誘拐されますし、急に法の外で素人なのに戦わされましたし。無法すぎですよ、キヌイさんの件も怖かったけど、トアオさんのオーパーツ集めは別格でした」
「オーパーツ集めないと危険だった。組織に取られたら世界が終わってしまう。ヒウタさんは私のヒーローですが、同時に世界のヒーローです。それを知っているのは僅かな人たちですが。私はあのときヒウタさんに助けてもらって、大好きになるだけじゃなくて、シュイロさんがヒウタさんにマッチングアプリを手伝わせたこと、シュイロさんが私の手伝いを許可した意味を理解しました。あのときはまだ喧嘩していたのに」
トアオは廃校の屋上で敵組織に足場を崩され死にかけた。ヒウタが命をかけて飛び込みトアオだけでも助けようとした。そのとき、トアオがヒウタの背負いバッグに付けていた自動で広がるパラシュートが作動し、二人とも助かったのだ。パラシュートの存在を知らなかったヒウタは自分が衝撃を受けることで命を以てトアオを救うつもりだったのだ。
その後、同行していたトアオのもう一人の親友運ちゃん(本名:真白)もヒウタが好きだったが、トアオのために距離を取ることにしていた。親友のために譲るという決断に、トアオは納得できていたわけではないが、運ちゃんの覚悟を聞いて受け入れることにしたのだ。
一連のことはトアオにとっては良い思い出だったが、ヒウタからすればマッチングアプリ関連で一番きつかったことだった。
なぜトアオは自分ではないと思ったのか?
一連の件があったため、ヒウタはトアオのことを知って信頼するようになり、最終的に恋人となったわけだが。危険だったことに変わりはない。
「確かに私が一番ですね」
「ヒウ君、うどん食べたいわ。シメに」
鍋が結構減っていた。
会話に入れないでいたアキトヨがさっさと食べ進めていた結果である。
「シュイロさん、そろそろ詳細を聞きたいです」
アキトヨが言う。
シュイロはアキトヨを撫でて応える。
「そうだな。ある程度話してしまったが、」
冬の婚活反省会は、炬燵と鍋で温まりながら盛り上がっていく。
何度もシュイロがお酒を飲もうとするがトアオに阻止されて。
うどんを温めて鍋に入れる頃には腹も膨れてきて、流石に酒を欲しがらなくなったが。
シュイロは恋を頑張っていくらしい。
アキトヨは当然応援していた。
トアオは酒を飲もうとするシュイロに呆れていたが、やはり親友らしく励ましていた。
ヒウタも意外とポンコツで、モテモテなシュイロの背中を押す。
「まずは彼氏を作るか」
というシュイロ自身の結論に、総員が「シュイロさんなら、作るだけなら余裕だろうが!」と強めに言われて。
一番の目的である婚活の進め方の答えも出ないまま反省会は終わってしまった。
アキトヨが炬燵で眠り、トアオがアキトヨの髪を弄りながら皿洗いをするヒウタとシュイロを見ている。
「楽しかった」
と笑うシュイロに、
「少しは元気になりましたね」
トアオは満足そうに呟いた。
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