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7章 のんびり少女が悠長すぎる!67~89話
その7 ヒウタとヘラクレス
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走っても木、木、木。
同じ景色が続く。
土、落ち葉、木の幹の茶色、草、木の葉の緑色、空の青色。
大自然の恵みである冷えた空気が美味い。
しかし、駆け抜けるヒウタたちは忙しく自然に構う余裕はなかった。
「ダウジングタイムだね、あはは」
運ちゃんはL字の金属棒を動かす。
「ここで曲がります!」
「運ちゃん、私疲れたかも」
「でかした、これぞ男手の出番!」
「はあ、何をするんだよ!」
ヒウタは必死に足を前に出す。
「察してあげないとモテないぞー。もちろん、トアオちゃんをおんぶして走り抜けるだけ!」
「背負うのは分かった、トアオさんが限界ならやってやる。でもな、いつ立ち止まるんだよ!」
ヒウタは一瞬だけ後ろを見る。
追うのは天に浮かぶドローン。次々と銃弾を発射していて立ち止まれば身体に穴が開くだろう。
「あはは、お祭りって感じで楽しいね。でもいつまでも追われてたら死んじゃうよ」
運ちゃんが恐ろしいことを言う。
「そろそろ足が限界かも。はあー、……、は、……、ああ」
トアオが足を止める。
銃弾の軌道が近づく。
ヒウタはトアオのところに戻る。
「トアオさん、捕まって」
「ふふ」
トアオは鼻で笑う。
「……もちろん」
ヒウタはトアオの手を取って走る。
「ヒウタさんっ」
トアオがヒウタの背中に飛び乗った。
勢いで転びそうになるが一歩ずつ姿勢を整えていく。
運ちゃんに追い付くために走りながら、背中に手を回してトアオを固定する。
「まさかサービスですか? おお、ヒウタくん堪能してます?」
「何を?」
「柔らかくて温かくていい匂いの女の子、せっかく背中にいるし堪能しないと。それに今から死ぬかもしれないし、あはは」
「笑えない。これからどうするんだよ。っていうかトアオさんは殺さないんじゃ」
「本当はね。けど今はちゃんと撃たれるんだよね。ね、トアオちゃん?」
「そう。銃弾が当たらないように軌道を不正確にしている。絶対当たらないわけではないから気を付けてほしい」
「トアオちゃんの武器でドローンの人工知能とカメラをおかしくしているからトアオちゃんか判別できないってこと。じゃなきゃ鬼ごっこしてたら開始十秒であたしたち穴だらけだからさ」
「ダウジングの結果洞窟に向かっているはず。そのまま突入して銃撃ドローンを停止させる。閉鎖空間なら信号を送りやすい」
「流石我らの開発部、惚れちゃうわ」
「私はもう走れないし疲れたくないし疲れるのは辛いから、このまま作戦はヒウタさんに指示出す。お願い」
「ここでまさかの怠惰な発言。やっるー」
「お願いって僕は難しいことできませんが」
この膨らみ、……。押し付けてる?
ヒウタの耳が赤くなった。
「効果抜群?」
耳元で囁く。
「やるからそういうことやめて」
「むっつり系男子?」
「ああ、一番キモイタイプだ」
散々な言われようである。
ヒウタたちは運ちゃんの指示に従って走り続ける。視界が開けた先に大きな穴を見つけた。運ちゃんやトアオが言っていた洞窟だろう。
待っている暇はない。運ちゃんに続いてヒウタも穴へ。
「冷たっ」
中は夏とは思えない涼しさだった。暗い。湿気が多そうだ。水滴が水面に触れる音がする。水が溜まっているのだろう。
って。
ドローンが来た。
視線には水溜まり、……池? 湖?
先が続いているかも分からない。
ただ今すぐ逃げ込める状況ではなかった。
ああ、死んでしまう。
「よし、行こうね。ヒウタさん」
瞬間、鈍い音がした。
ドローンは地面に衝突して停止した。
トアオは手袋をしていて目の前には画面が表示されていた。
「バッグ少しだけ開けて、そこから信号を出した。異常が起きた、停止しろと。メカとしての機能としては一流、兵器としては二流」
トアオはヒウタから離れて手袋を脱ぐ。バッグからビニール袋と手の平サイズの球体を取り出した。
「潜って先に行くから。防水とヘルメット」
「ヘルメットなんてどこに」
トアオが手に持っていた球体を上に投げた。すると広がって頭を覆う形に変形する。いわば折り畳み式のヘルメットだろうか。
「これで驚いてたら大変だよ。トアオちゃんは史上最強の開発者。『怠惰』のトアオちゃんだから」
「運ちゃん喋りすぎ。追手が来る前にオーパーツほしい」
「はいはーい! もう忙しくて大変大変。あー家でぐっすり寝たいな、なんて」
「運ちゃん私よりも怠惰?」
「開発以外だとだらだらだし、人が怖くてマッチングアプリはドタキャンドタキャン! 怠惰を否定はできないと思うけどな。ってこれって潜ったらいけるの?」
「さっき音波で見てみた。一瞬深いだけ、ヘルメット着けて抜ければいける」
「仕事早い、できる女の子は違いますなあ」
ヒウタは遅れていることに気づいてヘルメットをする。バッグをビニール袋で包んでしっかり結ぶ。水溜まりに体を沈めた。息を止める。目を瞑って足を進める。
「っぷは!」
闇。
正確には水溜りだけが僅かに光を覚えている。
小さな光は手元さえも照らせない。
トアオはマッチングアプリのシステムを含んだ開発担当で、『七つの大罪』少女の一人である『怠惰』の人。
今更驚くことはない。銃弾から逃げ回った。トアオが危険なことをしていることは分かった。
「ヒウタさん目を瞑って。光を点けるから」
「気を付けないと目が痛くなっちゃうよ」
「閉じました」
「はい! トアオちゃんやっちゃって」
「点ける」
瞼が一瞬黄色くなってだんだん赤みが増す。
ゆっくりと瞼を開ける。
ああ。
息を飲んだ。
目の前には棺がある。
ヒウタは無意識のうちに棺の元へ歩いていた。そして開けてみる。
「え?」
空だった。
「ぷぷ、そこにあったら誰かに取られてるよ。面白いな、ヒウタくん。ではトアオさん正解は?」
運ちゃんが手の平をトアオに向ける。キラキラした瞳である。トアオはバッグから懐中電灯を取り出して光を付けた。
「ここ」
トアオが懐中電灯を差したのは水溜まりを出てすぐの地面だった。しかし光に照らされたからか黄緑色に光っている。
「洞窟入って調べてみたら思いもしないところから反応があった。懐中電灯を使うまで分からなかったけど浅いところにあるから。ヒウタさん、頑張って」
トアオは鉄製のスコップをヒウタの手に。
ヒウタは諦めてスコップを地面に当てる。しかしあまりの固さに入らない。トアオは電動ドリルを渡した。
「もし破壊したら私たち死ぬかも」
「どうして?」
ヒウタの首回りに汗が流れる。
「涼しいのに汗流してる。本能で気づいてるのかも」
「何を?」
「囲まれていてこの森から生きて帰れない」
「脅かしたら駄目だよ、今のままじゃ死ぬって言わないと。『ふぉーている』にラジコンの部品を組み込めば勝てるんでしょ?」
「研究は試行錯誤。失敗することもある」
「ええ、……」
運ちゃんの顔から血の気が引く。目が大きく開いたまま動かない。魂が抜けたように呆然としていた。
「だからヒウタさんがもしドリルでオーパーツ破壊しても大丈夫だから。大事なのは失敗した原因を調べて次に続けること。つまり来世かな、失敗したらみんな死ぬし」
「……、まじか」
掘り終えた。中には木箱があった。取り出して蓋を開けると、三十センチほどのヘラクレスオオカブトと、ゲームのようなリモコンが入っていた。
「遊びたい? ヒウタくん。もし壊れたら死ぬけど?」
「絶対、嫌です!」
ヒウタはすぐに蓋を閉じて木箱をバッグにしまうのだった。
同じ景色が続く。
土、落ち葉、木の幹の茶色、草、木の葉の緑色、空の青色。
大自然の恵みである冷えた空気が美味い。
しかし、駆け抜けるヒウタたちは忙しく自然に構う余裕はなかった。
「ダウジングタイムだね、あはは」
運ちゃんはL字の金属棒を動かす。
「ここで曲がります!」
「運ちゃん、私疲れたかも」
「でかした、これぞ男手の出番!」
「はあ、何をするんだよ!」
ヒウタは必死に足を前に出す。
「察してあげないとモテないぞー。もちろん、トアオちゃんをおんぶして走り抜けるだけ!」
「背負うのは分かった、トアオさんが限界ならやってやる。でもな、いつ立ち止まるんだよ!」
ヒウタは一瞬だけ後ろを見る。
追うのは天に浮かぶドローン。次々と銃弾を発射していて立ち止まれば身体に穴が開くだろう。
「あはは、お祭りって感じで楽しいね。でもいつまでも追われてたら死んじゃうよ」
運ちゃんが恐ろしいことを言う。
「そろそろ足が限界かも。はあー、……、は、……、ああ」
トアオが足を止める。
銃弾の軌道が近づく。
ヒウタはトアオのところに戻る。
「トアオさん、捕まって」
「ふふ」
トアオは鼻で笑う。
「……もちろん」
ヒウタはトアオの手を取って走る。
「ヒウタさんっ」
トアオがヒウタの背中に飛び乗った。
勢いで転びそうになるが一歩ずつ姿勢を整えていく。
運ちゃんに追い付くために走りながら、背中に手を回してトアオを固定する。
「まさかサービスですか? おお、ヒウタくん堪能してます?」
「何を?」
「柔らかくて温かくていい匂いの女の子、せっかく背中にいるし堪能しないと。それに今から死ぬかもしれないし、あはは」
「笑えない。これからどうするんだよ。っていうかトアオさんは殺さないんじゃ」
「本当はね。けど今はちゃんと撃たれるんだよね。ね、トアオちゃん?」
「そう。銃弾が当たらないように軌道を不正確にしている。絶対当たらないわけではないから気を付けてほしい」
「トアオちゃんの武器でドローンの人工知能とカメラをおかしくしているからトアオちゃんか判別できないってこと。じゃなきゃ鬼ごっこしてたら開始十秒であたしたち穴だらけだからさ」
「ダウジングの結果洞窟に向かっているはず。そのまま突入して銃撃ドローンを停止させる。閉鎖空間なら信号を送りやすい」
「流石我らの開発部、惚れちゃうわ」
「私はもう走れないし疲れたくないし疲れるのは辛いから、このまま作戦はヒウタさんに指示出す。お願い」
「ここでまさかの怠惰な発言。やっるー」
「お願いって僕は難しいことできませんが」
この膨らみ、……。押し付けてる?
ヒウタの耳が赤くなった。
「効果抜群?」
耳元で囁く。
「やるからそういうことやめて」
「むっつり系男子?」
「ああ、一番キモイタイプだ」
散々な言われようである。
ヒウタたちは運ちゃんの指示に従って走り続ける。視界が開けた先に大きな穴を見つけた。運ちゃんやトアオが言っていた洞窟だろう。
待っている暇はない。運ちゃんに続いてヒウタも穴へ。
「冷たっ」
中は夏とは思えない涼しさだった。暗い。湿気が多そうだ。水滴が水面に触れる音がする。水が溜まっているのだろう。
って。
ドローンが来た。
視線には水溜まり、……池? 湖?
先が続いているかも分からない。
ただ今すぐ逃げ込める状況ではなかった。
ああ、死んでしまう。
「よし、行こうね。ヒウタさん」
瞬間、鈍い音がした。
ドローンは地面に衝突して停止した。
トアオは手袋をしていて目の前には画面が表示されていた。
「バッグ少しだけ開けて、そこから信号を出した。異常が起きた、停止しろと。メカとしての機能としては一流、兵器としては二流」
トアオはヒウタから離れて手袋を脱ぐ。バッグからビニール袋と手の平サイズの球体を取り出した。
「潜って先に行くから。防水とヘルメット」
「ヘルメットなんてどこに」
トアオが手に持っていた球体を上に投げた。すると広がって頭を覆う形に変形する。いわば折り畳み式のヘルメットだろうか。
「これで驚いてたら大変だよ。トアオちゃんは史上最強の開発者。『怠惰』のトアオちゃんだから」
「運ちゃん喋りすぎ。追手が来る前にオーパーツほしい」
「はいはーい! もう忙しくて大変大変。あー家でぐっすり寝たいな、なんて」
「運ちゃん私よりも怠惰?」
「開発以外だとだらだらだし、人が怖くてマッチングアプリはドタキャンドタキャン! 怠惰を否定はできないと思うけどな。ってこれって潜ったらいけるの?」
「さっき音波で見てみた。一瞬深いだけ、ヘルメット着けて抜ければいける」
「仕事早い、できる女の子は違いますなあ」
ヒウタは遅れていることに気づいてヘルメットをする。バッグをビニール袋で包んでしっかり結ぶ。水溜まりに体を沈めた。息を止める。目を瞑って足を進める。
「っぷは!」
闇。
正確には水溜りだけが僅かに光を覚えている。
小さな光は手元さえも照らせない。
トアオはマッチングアプリのシステムを含んだ開発担当で、『七つの大罪』少女の一人である『怠惰』の人。
今更驚くことはない。銃弾から逃げ回った。トアオが危険なことをしていることは分かった。
「ヒウタさん目を瞑って。光を点けるから」
「気を付けないと目が痛くなっちゃうよ」
「閉じました」
「はい! トアオちゃんやっちゃって」
「点ける」
瞼が一瞬黄色くなってだんだん赤みが増す。
ゆっくりと瞼を開ける。
ああ。
息を飲んだ。
目の前には棺がある。
ヒウタは無意識のうちに棺の元へ歩いていた。そして開けてみる。
「え?」
空だった。
「ぷぷ、そこにあったら誰かに取られてるよ。面白いな、ヒウタくん。ではトアオさん正解は?」
運ちゃんが手の平をトアオに向ける。キラキラした瞳である。トアオはバッグから懐中電灯を取り出して光を付けた。
「ここ」
トアオが懐中電灯を差したのは水溜まりを出てすぐの地面だった。しかし光に照らされたからか黄緑色に光っている。
「洞窟入って調べてみたら思いもしないところから反応があった。懐中電灯を使うまで分からなかったけど浅いところにあるから。ヒウタさん、頑張って」
トアオは鉄製のスコップをヒウタの手に。
ヒウタは諦めてスコップを地面に当てる。しかしあまりの固さに入らない。トアオは電動ドリルを渡した。
「もし破壊したら私たち死ぬかも」
「どうして?」
ヒウタの首回りに汗が流れる。
「涼しいのに汗流してる。本能で気づいてるのかも」
「何を?」
「囲まれていてこの森から生きて帰れない」
「脅かしたら駄目だよ、今のままじゃ死ぬって言わないと。『ふぉーている』にラジコンの部品を組み込めば勝てるんでしょ?」
「研究は試行錯誤。失敗することもある」
「ええ、……」
運ちゃんの顔から血の気が引く。目が大きく開いたまま動かない。魂が抜けたように呆然としていた。
「だからヒウタさんがもしドリルでオーパーツ破壊しても大丈夫だから。大事なのは失敗した原因を調べて次に続けること。つまり来世かな、失敗したらみんな死ぬし」
「……、まじか」
掘り終えた。中には木箱があった。取り出して蓋を開けると、三十センチほどのヘラクレスオオカブトと、ゲームのようなリモコンが入っていた。
「遊びたい? ヒウタくん。もし壊れたら死ぬけど?」
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