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3章 任された仕事が難題すぎる!12~23話
その2 ヒウタと管理バイトⅡ
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ヒウタは家に帰ると部屋まで急ぐ。
すぐにベッドに倒れ込む。
「痛い、せっかく私が待ってたのに」
「あ、ごめん」
ヒウタは声の主を潰してしまった。
気づいて咄嗟に退く。
「何かあったら報告するのは全兄の義務です。私、ずっと待ってたから」
「遅くなるかもって言ったが? あ、そういや。一人暮らしすることになった。家具家電付きらしいが」
「バイトなのに? マッチングアプリの手伝いだっけ?」
声の主、妹のアメユキはベッドから飛び起きた。
「急に仕事があると不便だからって」
「怪しい、……。にいに、本当に受けるの?」
アメユキが心配するのも仕方ない。
学生アルバイトのために部屋を借りるなんて考えられない。
人件費があまりにも高い。
それができるのはいわゆる怪しいアルバイトぐらい。
「既に受けたからな。だがシュイロさんが一人暮らしの方が柔軟に仕事できるって」
『特に手間を掛けさせてしまうが。七人の少女も何とかしてほしくてな』
『何とか?』
『高いお金を払ってくれるが、アプリの規約を守らない人たちがいてな。関連の仕事が入ったら詳しく話す。まあマッチングするだけでも危険なんだが』
『危険?』
『法律すら守るかどうか。手を焼いている高額で、マッチング成立、カップル成立でさらに特別報酬を払ってくれるからな。本当は規約を守らせたうえでな。特別サービスはしているが、他の利用者に迷惑かけるような規約違反は避けてもらいたい』
『まあ仕事内容が分かれば何とかしますよ。そんなに迷惑なんですか?』
『私は七つの大罪と呼んでいる。怠惰、憤怒、強欲、傲慢、嫉妬、暴食、色欲。それに対応するような規約違反少女らだ』
『七つの大罪って、人の悪の根源、戒めの。大げさな気が』
『まさか。会えば分かるさ、アプリを既に始めているなら既に会ってるかもな』
『まだまともにマッチングしてませんよ?』
『そうか。七つの大罪少女に関する仕事のときは彼女らの情報を伝えることにする』
「にいに、なおさら。どうしてそんなにもその仕事を受けたいの?」
アメユキは目を掻いた。
「シュイロさんは抱え込むタイプだと思う。それでようやく助けてと言える人がいて勇気出してくれたなら断れない。この社会がもっといろんな愛に溢れたらいいってさ。そんな臭い台詞を、綺麗事を本気で信じて本気で実現したいと思っているらしい。俺もそんな社会が楽しみだし、手を貸さないわけにはいかないから」
「にいに真面目に言ってる? にいにが優しいのは知ってる。けど騙されて傷つけられるのは違う」
アメユキはシュイロのことを知らない。
ただヒウタが話したことだけでは確かに怪しさ満点だ。
「危なそうだったら流石に断るかもだが」
「にいが気付けるとは思えないけど。にいには脳みそスクランブルエッグだから、危険か判断つかないよ」
アメユキに悪口を言われたことは分かる。
それでもシュイロのもとで働くことを決めた以上、アメユキの願いは。
「アプリの有料オプションが無料になるらしい。アプリはリアルイベントもあるって聞いたし、彼女作れるかもな」
「にいに、本気で言ってる?」
アメユキは兄であるヒウタが心配だ。
というより、もう騙されているのでは?
しかし、アメユキの言葉ひとつで意見を変えるだろうか?
アメユキの願いなら聞くかもしれないが、既に雇用契約をした以上真面目に働いてしまう。
アメユキは床で横になった。
「私も住む。にいと」
「中学校があるだろ?」
「そう。分かった。今度遊びに行く。にいに、一人で生活できるの?」
ヒウタの能力。
料理、スマホがあればなんとかなるはず。洗濯、洗剤を量ってあとはボタン押すだけ簡単そう。買い物、事前に調べて買いに行けば上手くいくのでは。掃除、苦手ではない気がする。起床、できる。
今の時代は情報社会。
多分生きていけるだろう、生きていけるはずだ、たまには実家に戻れば。
ヒウタは細かいことは考えないことにした。
「たまには実家に戻る。どう?」
「情けないけど。私がにいの健康状態とか見て一人暮らし続けられないって判断したら戻ってもらうから。じゃないと許可しない」
アメユキの瞳はヒウタで固定されていた。
ヒウタは気にかけてくれる大切な妹の思いを蔑ろにすることはできない。
「一人暮らし頑張ろうかな」
「そういうことじゃないのに」
アメユキは涙目に。
「実家からできる仕事にするよ」
しかし、アメユキは。
「そういうことじゃないのに」
顔を真っ赤にして言った。
それでも、アメユキはヒウタの一人暮らしを一応は認めたようで。
一人暮らし生活とアプリの管理アルバイトが始まったのだ。
すぐにベッドに倒れ込む。
「痛い、せっかく私が待ってたのに」
「あ、ごめん」
ヒウタは声の主を潰してしまった。
気づいて咄嗟に退く。
「何かあったら報告するのは全兄の義務です。私、ずっと待ってたから」
「遅くなるかもって言ったが? あ、そういや。一人暮らしすることになった。家具家電付きらしいが」
「バイトなのに? マッチングアプリの手伝いだっけ?」
声の主、妹のアメユキはベッドから飛び起きた。
「急に仕事があると不便だからって」
「怪しい、……。にいに、本当に受けるの?」
アメユキが心配するのも仕方ない。
学生アルバイトのために部屋を借りるなんて考えられない。
人件費があまりにも高い。
それができるのはいわゆる怪しいアルバイトぐらい。
「既に受けたからな。だがシュイロさんが一人暮らしの方が柔軟に仕事できるって」
『特に手間を掛けさせてしまうが。七人の少女も何とかしてほしくてな』
『何とか?』
『高いお金を払ってくれるが、アプリの規約を守らない人たちがいてな。関連の仕事が入ったら詳しく話す。まあマッチングするだけでも危険なんだが』
『危険?』
『法律すら守るかどうか。手を焼いている高額で、マッチング成立、カップル成立でさらに特別報酬を払ってくれるからな。本当は規約を守らせたうえでな。特別サービスはしているが、他の利用者に迷惑かけるような規約違反は避けてもらいたい』
『まあ仕事内容が分かれば何とかしますよ。そんなに迷惑なんですか?』
『私は七つの大罪と呼んでいる。怠惰、憤怒、強欲、傲慢、嫉妬、暴食、色欲。それに対応するような規約違反少女らだ』
『七つの大罪って、人の悪の根源、戒めの。大げさな気が』
『まさか。会えば分かるさ、アプリを既に始めているなら既に会ってるかもな』
『まだまともにマッチングしてませんよ?』
『そうか。七つの大罪少女に関する仕事のときは彼女らの情報を伝えることにする』
「にいに、なおさら。どうしてそんなにもその仕事を受けたいの?」
アメユキは目を掻いた。
「シュイロさんは抱え込むタイプだと思う。それでようやく助けてと言える人がいて勇気出してくれたなら断れない。この社会がもっといろんな愛に溢れたらいいってさ。そんな臭い台詞を、綺麗事を本気で信じて本気で実現したいと思っているらしい。俺もそんな社会が楽しみだし、手を貸さないわけにはいかないから」
「にいに真面目に言ってる? にいにが優しいのは知ってる。けど騙されて傷つけられるのは違う」
アメユキはシュイロのことを知らない。
ただヒウタが話したことだけでは確かに怪しさ満点だ。
「危なそうだったら流石に断るかもだが」
「にいが気付けるとは思えないけど。にいには脳みそスクランブルエッグだから、危険か判断つかないよ」
アメユキに悪口を言われたことは分かる。
それでもシュイロのもとで働くことを決めた以上、アメユキの願いは。
「アプリの有料オプションが無料になるらしい。アプリはリアルイベントもあるって聞いたし、彼女作れるかもな」
「にいに、本気で言ってる?」
アメユキは兄であるヒウタが心配だ。
というより、もう騙されているのでは?
しかし、アメユキの言葉ひとつで意見を変えるだろうか?
アメユキの願いなら聞くかもしれないが、既に雇用契約をした以上真面目に働いてしまう。
アメユキは床で横になった。
「私も住む。にいと」
「中学校があるだろ?」
「そう。分かった。今度遊びに行く。にいに、一人で生活できるの?」
ヒウタの能力。
料理、スマホがあればなんとかなるはず。洗濯、洗剤を量ってあとはボタン押すだけ簡単そう。買い物、事前に調べて買いに行けば上手くいくのでは。掃除、苦手ではない気がする。起床、できる。
今の時代は情報社会。
多分生きていけるだろう、生きていけるはずだ、たまには実家に戻れば。
ヒウタは細かいことは考えないことにした。
「たまには実家に戻る。どう?」
「情けないけど。私がにいの健康状態とか見て一人暮らし続けられないって判断したら戻ってもらうから。じゃないと許可しない」
アメユキの瞳はヒウタで固定されていた。
ヒウタは気にかけてくれる大切な妹の思いを蔑ろにすることはできない。
「一人暮らし頑張ろうかな」
「そういうことじゃないのに」
アメユキは涙目に。
「実家からできる仕事にするよ」
しかし、アメユキは。
「そういうことじゃないのに」
顔を真っ赤にして言った。
それでも、アメユキはヒウタの一人暮らしを一応は認めたようで。
一人暮らし生活とアプリの管理アルバイトが始まったのだ。
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