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第81話 用語解説14

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品質管理部なら知っていて当然な単語を解説


・作業標準書の書き方

 作業標準書についつい禁止事項を書きたくなるが、そうすると書かれていない事はやってもいいと思われてしまうので、作業者にやらせること以外は書いてはいけない。
 例えば「逆さまに置いてはいけない」と書くと、横向きならいいのかとなってしまうため、「正面を上に向けて置く」という表現とするように心がける。
 こうすれば、正面を上に向けて置く以外は異常作業だとなる。
 法律との違いはここであり、社会のルールは禁止されていないことはやってもよいが、工場では書いてあること以外はやってはいけないのだ。
 実際にはそこまで書いても、作業者が作業標準書を遵守してくれませんけど。
 会社でも社会でもルールを守れないやつは、ターミネイトされたらいいのに。
 それもルール違反だな。


・特急品

 その名の通り、急ぎの注文。
 昔いた会社では通常単価の三割増しで受注してました。
 (もう倒産して亡くなったので、守秘義務もないよね?)
 何故なら、無理矢理段取り替えをするから、特別料金を貰わないと割りにあわないのです。
 値段はさておき、特急品が不良になりやすいのは、確認時間が短いためや、製造ラインが空けられないため、通常ではないラインで生産しなければならないからです。
 例えば、樹脂のチューブを決まった長さで自動切断する製造ラインがあるとします。
 今現在Φ20のチューブを切断しており、それがあと五時間流れる状況です。
 そこに、Φ16のチューブを急ぎで納品して欲しいと謂う注文があった場合、自動切断ラインではなくて、手切りで作業することになりますね。
 そのせいで品質は安定しないし、検査員はΦ20のチューブを検査しているから、検査をする人員がいませんし、そもそも時間も無いので、切ってそのまま直ぐに営業が注文をした顧客に納品することになるのです。
 当然長さのばらつきが大きく、不良品は混入しますね。
 で、それが発覚したのが三ヶ月後だとしたら……

 特急の注文になった原因は、生産管理の人間が在庫を数え間違いして、午後にはチューブを使用する製造ラインが、部品欠品で停止してしまうと思って、チューブを製造しているサプライヤーに特急の注文を出したからでした。
 製造から納入不良の連絡があり、ロットを確認してサプライヤーに伝えたら、特急対応したロットだったのです。
 特急対応した製品の使用が三ヶ月後で、特急対応しなくても済むのに、無理に生産させられ対策書はおかしいと揉めました。
 結局、対策書は生産管理に書かせました。
 特急対応はみんなを不幸にするので、馬鹿な生産管理は隕石に当たって入院すればいいと思います。

 これはあくまでも例えであり、実際の人物団体とは関係ありません。


・とある佐吉の超管理法

 本当は佐吉ではなくて、車メーカーの名前が入ります。
 使えない生産管理よりも、製造が生産をコントロールした方が何倍もマシと謂う考え方。
 通箱も無いのに、夜勤までさせて生産させる事は無くなる。
 最良ではないが、最悪にはならない管理方法。
 ラーメン屋で例えるなら、行列が出来たのを見て、どんぶり以上に麺を茹でるのが生産管理部門の生産計画。
 席の混み具合とどんぶりの回転を見ながら麺を茹でるのがカンバン。


・リコール

 ・リコール
 ・改善対策
 ・サービスキャンペーン

 の三種類がある。
 上から順番に重い。
 サービスキャンペーンでも十分に重い。
 書ける事は以上です。
 お察しください。


・選別時の表示

 以外とやらない人が多いのがこの表示。
 選別前なのか後なのかがわからなくなる。
 同一製品の選別なのだから当然だ。
 未選別品や不具合品が、良品に混入して再度流出したときは辛い。
 選別時のルールを作成させられる。
 ついでに、選別の作業標準書まで作らされる。
 選別自体が標準作業じゃねーだろ。
 とは言えませんでした。
 そして、人は何故同じ過ちを繰り返すのだろうか。
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