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第65話 類似品番にご注意
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「全く冗談じゃないわ。これで何件目よ」
俺がオーリスと一緒に、冒険者ギルドの食堂で昼食を食べていると、そこにシルビアがやって来た。
彼女の機嫌が悪い理由はわかっている。
先日ドラゴンを倒したことで、一気に有名人になって、貴族から仕官の誘いや結婚の話が数え切れないほど舞い込んできているのである。
「今度はどんな条件だったの?」
「伯爵家の五男との結婚話と、男爵の第三夫人の誘いよ。どちらも全く魅力がないのに、断っても諦めが悪いのよね」
ドラゴンスレイヤーの嫁というのは、どうやら貴族のステータスのようだ。
こんな気の短い女を手元に置くとどうなるかわかっていないようだ。
「もう少し良い条件ならお受けすれば?」
「貴族に嫁ぐなんて性に合わないわよ。息が詰まって死んでしまうわ」
「そんな事はありませんわよ」
オーリスは貴族視点なんだろうな。
俺たち平民からしたら、作法やしきたりで息が詰まると思うぞ。
まあ、シルビアも年齢的には結婚して、子供がいてもおかしくはないので、良縁が在ればいいのにとは思っている。
そんな会話をしながら、食後のコーヒーを飲もうとしたら、そこにスターレットが走ってきた。
工場内は走るの禁止だぞ。
工場内じゃないけど。
「大変なの、シルビア早く来て」
スターレットはシルビアの袖を引っ張る。
大変なのだけじゃ何が大変なのかわからんだろうに。
その雰囲気から、大変なのはわかるが。
「落ち着きなさい」
シルビアがスターレットを一喝した。
そこで、スターレットが固まる。
流石、ドラゴンスレイヤー。
「すいません」
と謝るスターレットに、シルビアが改めて訳を訊いた。
「受付で青銅等級のパーティーと職員が揉めているんです。今にも武器を取り出しそうな雰囲気だったので」
「それは確かに大変ね」
冒険者ギルド内での争い事は禁止されているが、頭に血がのぼった連中はそんなルールなど無視するからな。
まだ飲んでいないコーヒーに後ろ髪を引かれつつも、俺達は受付へと向かった。
「そっちの指示が悪かったんだろうが。今回のクエストが失敗だなんて納得できねぇよ!!」
怒鳴り声が聞こえた。
見れば、30くらいの男が真っ赤な顔で、カウンター越しにレオーネに迫っている。
今にも襲いかかりそうなので、シルビアが間に割って入った。
「落ち着きなさい。冒険者ギルド内では争いは御法度でしょ」
「うっ、ドラゴンスレイヤー……」
今話題のドラゴンスレイヤーが目の前に来たことで、男の勢いも止まった。
それくらいの判断は出来るようだ。
「まずは訳を聞かせてもらいましょうか」
シルビアの言葉に従い、男が揉めている原因を話し始めた。
男が受けたクエストはマンドラドの採取だったのだが、それをマンドラゴラの採取と勘違いをした。
冒険者ギルドの受付で「マンドラの採取ですね」と言われたので、自分達の勘違いに気が付かなかった。
マンドラゴラを採取して帰ってきたら、クエスト失敗と言われて、その時初めて勘違いに気が付いた。
そんな事らしい。
まあ、自分達の勘違いにはフィルターをかけて話すので、受付で省略して言われたのが原因だというところで騒ぎ立てていると。
特に良くなかったのは、今回のクエストで等級が上がる予定だったという事だな。
しかし、マンドラドって存在するのか。
ダイヤが採れるなら、硬いものを加工するバイトが作れそうだな。
いや、今はそれはいいか。
目の前の事を解決させないとな。
「あんた達自分の勘違いは棚に上げて、レオーネに食って掛かるのは間違ってるわ」
「そんなこと言っても、ギルドは冒険者の手伝いをしてくれるところだろ。間違い易そうな事は注意してくれてもいいじゃないか」
男の言うことにも一理あるな。
前世ではよく間違いファクシミリが送られてきた。
俺の名前が上場企業と同じなので、「◯◯さんに見積もり送って」と言われた人が、その企業ではなくて、俺に見積もりを送ってしまうのだ。
この時、指示する側が一言注意すれば間違いは起こらない。
もっとやばいのは八王子市歯科医師フッ化水素酸誤塗布事故だろうな。
あまりにもグロいので、検索しちゃ駄目だぞ。
絶対駄目だぞ。
製品でもそうだ。
大概は品番と呼ばれる番号で、製品を呼ぶのだが、この品番は兎に角長い。
10桁以上にもなる数字やアルファベットの羅列で表されている。
なので、段々省略して呼ぶようになる。
例えば「11223344-00A」なら「00A」と略すのだが(最後がサフィックスでなければだが)、同じく「00A」と略せる品番があったり、「A00」があったりする。
なのでときどき勘違いから、異品出荷してしまう事がある。
そんな経験から、今回もお互いが注意するべきだとは思っている。
「アルト、何かいい案無いの?」
オーリスに訊かれたので、
「類似の呼び名がある時は、依頼書にもそれを書いて、尚且つ受付でももう一度確認をするべきだろうね。ただ、勘違いしたのは冒険者が一番責任がある。確認する義務は彼らにあるからね」
「それでは話し合いでは解決しませんわよ」
「今回の事は、クエストは失敗として処理するけど、等級の昇級にはカウントしなければいいんじゃないかな。失敗の罰金はマンドラゴラの買い取りで埋まるだろうし」
確認を怠ったので、罰則なしという訳にはいかないが、等級降格条件の連続失敗や、10回迄の失敗に留めなければならないという条件には影響しない。
ここいらが落とし処じゃないかな。
その案がギルド長に承認され、今回の騒動はなんとか終わった。
あのままだと、シルビアが暴れそうだったので、早めに収拾がついて良かった。
さて、対策はどうするかということだが、冒険者ギルドで依頼書を書くときに、類似の呼び名がある事を黄色い文字で書くことにした。
注意をするように、冒険者に促したところで、結局は人のやることには間違いが付き物だ。
受付には類似の一覧表も用意したので、これでなんとかなるだろう。
前世では製品については全てバーコード照合だったけどな。
類似品のラベルを色分けしたところで、印刷時に色を間違うとそれまでだし、色しか見なくなるから、余計に悪いという事もある。
全品バーコードしかないんだよね。
客先の納品書と、自社のラベルのバーコード照合をやるっきゃ騎士。
そもそも似た名前をつけるなと言うのは簡単だが、多くの企業は品番に意味を持たせているから、それが類似品番を生む原因となっている。
そう、品番を見ればどんな機能なのかわかる様になっているので、先頭の数文字は同じ物が沢山在るのだ。
類似品番との戦いは終わらないと思います。
後日、再びオーリスと冒険者ギルドの食堂で昼食をとっていると、そこにシルビアがげんなりした顔でやって来た。
「どうした、また結婚の申込みか?」
「似たようなもんよ」
シルビアは俺の隣に座った。
そして俺のコーヒーを勝手に飲む。
「それ、俺の……」
「ちょっと落ち着きたかったのよ。後でお金は払うわ」
「重症だな」
「そうね。まさかレオーネに言い寄られるとは思いもしなかったわ」
「「?!」」
俺とオーリスは固まった。
え、マジで言ってんの?
「この前のマンドラ事件以来、どうにも好かれちゃってね。貴族の男は嫌だと思っていたけど、女性に迫られるのも困りものね」
「素晴らしいですわ!」
オーリスはなにかのスイッチが入ったらしく、シルビアに二人の馴れ初めとかを聞いているが、それってこの前の事件じゃないのか?
この世界の同性愛についてはよくわからないが、宗教的にNGで異端審問の対象じゃなければ個人の自由だしいいんじゃないかな。
「ついでに、アルトは敵認定されているから」
「何で?!」
シルビアからの衝撃の情報。
「いつもあたしと一緒にいるから、恋人じゃないかって疑われているのよ。暗い道では気をつけなさい」
「そこまで?」
レオーネ、何を覚醒してしまったのだろうか。
というか、冤罪で夜道で襲われたくないなー。
※作者の独り言
省略したことで品番・品名・人名を間違うって結構あるんですよね。
俺がオーリスと一緒に、冒険者ギルドの食堂で昼食を食べていると、そこにシルビアがやって来た。
彼女の機嫌が悪い理由はわかっている。
先日ドラゴンを倒したことで、一気に有名人になって、貴族から仕官の誘いや結婚の話が数え切れないほど舞い込んできているのである。
「今度はどんな条件だったの?」
「伯爵家の五男との結婚話と、男爵の第三夫人の誘いよ。どちらも全く魅力がないのに、断っても諦めが悪いのよね」
ドラゴンスレイヤーの嫁というのは、どうやら貴族のステータスのようだ。
こんな気の短い女を手元に置くとどうなるかわかっていないようだ。
「もう少し良い条件ならお受けすれば?」
「貴族に嫁ぐなんて性に合わないわよ。息が詰まって死んでしまうわ」
「そんな事はありませんわよ」
オーリスは貴族視点なんだろうな。
俺たち平民からしたら、作法やしきたりで息が詰まると思うぞ。
まあ、シルビアも年齢的には結婚して、子供がいてもおかしくはないので、良縁が在ればいいのにとは思っている。
そんな会話をしながら、食後のコーヒーを飲もうとしたら、そこにスターレットが走ってきた。
工場内は走るの禁止だぞ。
工場内じゃないけど。
「大変なの、シルビア早く来て」
スターレットはシルビアの袖を引っ張る。
大変なのだけじゃ何が大変なのかわからんだろうに。
その雰囲気から、大変なのはわかるが。
「落ち着きなさい」
シルビアがスターレットを一喝した。
そこで、スターレットが固まる。
流石、ドラゴンスレイヤー。
「すいません」
と謝るスターレットに、シルビアが改めて訳を訊いた。
「受付で青銅等級のパーティーと職員が揉めているんです。今にも武器を取り出しそうな雰囲気だったので」
「それは確かに大変ね」
冒険者ギルド内での争い事は禁止されているが、頭に血がのぼった連中はそんなルールなど無視するからな。
まだ飲んでいないコーヒーに後ろ髪を引かれつつも、俺達は受付へと向かった。
「そっちの指示が悪かったんだろうが。今回のクエストが失敗だなんて納得できねぇよ!!」
怒鳴り声が聞こえた。
見れば、30くらいの男が真っ赤な顔で、カウンター越しにレオーネに迫っている。
今にも襲いかかりそうなので、シルビアが間に割って入った。
「落ち着きなさい。冒険者ギルド内では争いは御法度でしょ」
「うっ、ドラゴンスレイヤー……」
今話題のドラゴンスレイヤーが目の前に来たことで、男の勢いも止まった。
それくらいの判断は出来るようだ。
「まずは訳を聞かせてもらいましょうか」
シルビアの言葉に従い、男が揉めている原因を話し始めた。
男が受けたクエストはマンドラドの採取だったのだが、それをマンドラゴラの採取と勘違いをした。
冒険者ギルドの受付で「マンドラの採取ですね」と言われたので、自分達の勘違いに気が付かなかった。
マンドラゴラを採取して帰ってきたら、クエスト失敗と言われて、その時初めて勘違いに気が付いた。
そんな事らしい。
まあ、自分達の勘違いにはフィルターをかけて話すので、受付で省略して言われたのが原因だというところで騒ぎ立てていると。
特に良くなかったのは、今回のクエストで等級が上がる予定だったという事だな。
しかし、マンドラドって存在するのか。
ダイヤが採れるなら、硬いものを加工するバイトが作れそうだな。
いや、今はそれはいいか。
目の前の事を解決させないとな。
「あんた達自分の勘違いは棚に上げて、レオーネに食って掛かるのは間違ってるわ」
「そんなこと言っても、ギルドは冒険者の手伝いをしてくれるところだろ。間違い易そうな事は注意してくれてもいいじゃないか」
男の言うことにも一理あるな。
前世ではよく間違いファクシミリが送られてきた。
俺の名前が上場企業と同じなので、「◯◯さんに見積もり送って」と言われた人が、その企業ではなくて、俺に見積もりを送ってしまうのだ。
この時、指示する側が一言注意すれば間違いは起こらない。
もっとやばいのは八王子市歯科医師フッ化水素酸誤塗布事故だろうな。
あまりにもグロいので、検索しちゃ駄目だぞ。
絶対駄目だぞ。
製品でもそうだ。
大概は品番と呼ばれる番号で、製品を呼ぶのだが、この品番は兎に角長い。
10桁以上にもなる数字やアルファベットの羅列で表されている。
なので、段々省略して呼ぶようになる。
例えば「11223344-00A」なら「00A」と略すのだが(最後がサフィックスでなければだが)、同じく「00A」と略せる品番があったり、「A00」があったりする。
なのでときどき勘違いから、異品出荷してしまう事がある。
そんな経験から、今回もお互いが注意するべきだとは思っている。
「アルト、何かいい案無いの?」
オーリスに訊かれたので、
「類似の呼び名がある時は、依頼書にもそれを書いて、尚且つ受付でももう一度確認をするべきだろうね。ただ、勘違いしたのは冒険者が一番責任がある。確認する義務は彼らにあるからね」
「それでは話し合いでは解決しませんわよ」
「今回の事は、クエストは失敗として処理するけど、等級の昇級にはカウントしなければいいんじゃないかな。失敗の罰金はマンドラゴラの買い取りで埋まるだろうし」
確認を怠ったので、罰則なしという訳にはいかないが、等級降格条件の連続失敗や、10回迄の失敗に留めなければならないという条件には影響しない。
ここいらが落とし処じゃないかな。
その案がギルド長に承認され、今回の騒動はなんとか終わった。
あのままだと、シルビアが暴れそうだったので、早めに収拾がついて良かった。
さて、対策はどうするかということだが、冒険者ギルドで依頼書を書くときに、類似の呼び名がある事を黄色い文字で書くことにした。
注意をするように、冒険者に促したところで、結局は人のやることには間違いが付き物だ。
受付には類似の一覧表も用意したので、これでなんとかなるだろう。
前世では製品については全てバーコード照合だったけどな。
類似品のラベルを色分けしたところで、印刷時に色を間違うとそれまでだし、色しか見なくなるから、余計に悪いという事もある。
全品バーコードしかないんだよね。
客先の納品書と、自社のラベルのバーコード照合をやるっきゃ騎士。
そもそも似た名前をつけるなと言うのは簡単だが、多くの企業は品番に意味を持たせているから、それが類似品番を生む原因となっている。
そう、品番を見ればどんな機能なのかわかる様になっているので、先頭の数文字は同じ物が沢山在るのだ。
類似品番との戦いは終わらないと思います。
後日、再びオーリスと冒険者ギルドの食堂で昼食をとっていると、そこにシルビアがげんなりした顔でやって来た。
「どうした、また結婚の申込みか?」
「似たようなもんよ」
シルビアは俺の隣に座った。
そして俺のコーヒーを勝手に飲む。
「それ、俺の……」
「ちょっと落ち着きたかったのよ。後でお金は払うわ」
「重症だな」
「そうね。まさかレオーネに言い寄られるとは思いもしなかったわ」
「「?!」」
俺とオーリスは固まった。
え、マジで言ってんの?
「この前のマンドラ事件以来、どうにも好かれちゃってね。貴族の男は嫌だと思っていたけど、女性に迫られるのも困りものね」
「素晴らしいですわ!」
オーリスはなにかのスイッチが入ったらしく、シルビアに二人の馴れ初めとかを聞いているが、それってこの前の事件じゃないのか?
この世界の同性愛についてはよくわからないが、宗教的にNGで異端審問の対象じゃなければ個人の自由だしいいんじゃないかな。
「ついでに、アルトは敵認定されているから」
「何で?!」
シルビアからの衝撃の情報。
「いつもあたしと一緒にいるから、恋人じゃないかって疑われているのよ。暗い道では気をつけなさい」
「そこまで?」
レオーネ、何を覚醒してしまったのだろうか。
というか、冤罪で夜道で襲われたくないなー。
※作者の独り言
省略したことで品番・品名・人名を間違うって結構あるんですよね。
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