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第51話 用語解説9

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品質管理部なら知っていて当然な単語を解説


・コンタミ

 どこからともなくやってくるゴミ。
 メッキや塗装では外観不良の原因となり、配管部品においては漏れ不良の原因となる厄介者。
 それ以外の製品でも、圧着痕やら寸法不良の原因となる製造業の敵。
 クリーンルームですら埃の不良が止まらないので、助けてください。
 埃や髪の毛だけでなく、素材の一部を設備や金型で擦って発生させることもあるので、クリーンルームがあればいいってわけでもないけど。
 3S、5Sの徹底でなんとかしろと、上司から指示が出るが、あんた発生原因知っているのかと問いたい、問い詰めたい。
 食品や化学以外の製造業でも日々コンタミと戦っている人がいることを忘れないでください。
 少しくらいのコンタミ、多めに見ろ!


 嘘です。
 コンタミ原因で車が故障した事例があるとか聞いたので、コンタミは根絶しないとですね。


・5S

 整理・整頓・清掃・清潔・躾の頭文字から5Sと呼ばれる職場の環境維持活動。
 整理はいらないものを捨てる事。
 整頓は決められた場所に置く事。
 清掃は常に掃除をする事。
 ここまでを3Sという。
 まずはこの3Sが初歩である。
 清潔はその3Sを維持する事。
 躾は決まったルールを守るよう教育する事。
 となっている。
 3Sですら無理なのに、5Sを強要されても困りますね。
 最近はどこのお客様も5Sの確認に熱心ですが、弊社には無理な要求です。


・へら絞り

 旋盤にマンドレルと呼ばれる金型と、材料をセットしてへらやローラーを押し当てて成形する加工方法。
 中世ヨーロッパでは既にあった加工方法なんだとか。
 最近はへら絞りを行う会社も減りましたね。
 個人的に知っている会社(個人商店ですが)の社長も、「仕事がないから警備員の日雇いだよ」って言ってました。
 自分の住んでいる地域は、戦前からアルミ加工が盛んだったので、アルミのやかんや電気の笠などをへら絞りで作っている会社が多かったそうです。
 最近やかんなんてあまり見かけませんね。
 電気もプラスチックの笠が多い。
 今でも新幹線の先端はへら絞りなんだとか言いますが、年間何台生産すると思っているのかと。
 弊社でもへら絞りを知っている人は少ないです。


・ヘアライン加工

 ステンレスの表面に細い髪の毛の様なキズをわざとつけて、キズを目立たなくする加工。
 番手やキズの付け方で様々な種類がある。
 とある設備でステンレスの扉を作った時に、左右の扉のヘアライン加工が何故か違い、かなり怒られました。
 組み立ては弊社では無かったので、組み付け時に発見されたのです。
 北京オリンピック前の材料が枯渇した次期で、市中の材料を無理に引っ張ったのが原因でしたね。


・汎用彫刻機

 原版に溝を掘って、機械についている針でその溝をなぞると、針に連動した主軸が動いて、原版と同じ彫刻ができるという機械。
 時々針が溝からはみ出して加工を失敗します。
 今は汎用機など使わなくても、ちょちょいのちょいと彫刻できるので、動いているのを見なくなりました。
 彫刻といいながら、自分が使っていたのは、樹脂製品の仕上げなんですけどね。


・昇降盤

 丸鋸チップソーの汎用機。
 特に思い入れはないので、書くことはありません。


・ノミネーションレター

 量産頼むでというお手紙。
 受注確定を知らせる通知なので、これが来てから設備を作ったり、工程を準備したりする。
 何故かノミネーションレターが無いのに、いつまでに準備できますかと問い合わせがきたりするのだが、法律に抵触しそうなので、見なかったことにすることが多い。


・治具

 治具(冶具)は当て字。工作物を固定するとともに切削工具などの制御、案内をする装置。おもに機械加工、溶接などに用いる。
 —日刊工業新聞社刊「機械用語辞典」より
 固定出来なかったりして、良品がとれなかったりする事が多い。
 辛い……
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