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68.涙のあとには、微笑みを
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「それじゃまたね」
家の玄関先で、ユイ達を見送るアカリとルカ。そのそばで余ったアップルパイを貰ってご機嫌なリリとモナカが早く帰りたそうにしている
「本当にこんなに貰って良いんですか?」
「うん。お父さんとお兄ちゃんの分は残してあるし。私達だと食べきれないから」
申し訳なさそうに話すモナカに、アカリが返事をしていると、モナカがミナモの腕をグイッと引っ張った
「じゃあ、早速夕御飯のおやつにしましょ」
「えっ?夕御飯も食べるの?」
ミナモがリリ達の食欲に驚いているそばで、ルナがルカを抱きしめ別れを惜しんでいた
「ルカ……ゴメンね。もう行かなきゃ」
悲しむルナに、心配かけまいとルカが笑って返事をする
「ううん。またすぐ来てね。連絡もたくさんしてね」
「もちろん。ルカも今以上にたくさん頂戴ね」
二人が話をしている隣でも、ヒナタもアカリに微笑み話しかけていた
「アカリ、ヒカリちゃんと仲良くね。喧嘩はダメよ」
と、アカリの肩に座っているヒカリの頭を撫でて、ヒカリにも微笑む
「うん。大丈夫。ありがとう、お母さん」
アカリが返事をすると、ヒカリもヒナタの手をとり、握手をして微笑む
「ヒナタ、そろそろ帰りましょ」
ユラの声に、そっとヒカリの手を離すヒナタ。しょんぼりするアカリの頭を撫でて微笑み、ぎゅっと抱きしめる
「それじゃあ、またね。アカリ」
「うん。またね。お母さん」
ユイ達を見送り、家の中に入り玄関の鍵を閉めると、扉を背に座り込むアカリ。うつ向いてグスグスと泣いている音が聞こえてきた
「アカリちゃん……」
そっと背中をさするルカ。ヒカリもルカの肩に乗って、アカリの様子を心配そうに見ている
「お母さん……知ってたんだね。ヒカリのこと……」
「うん、そうだね……」
「ルカちゃんのお母さんも……」
顔をあげ、ルカの顔を見るアカリ。二人一緒に泣いていると、ガチャと鍵の開いた音が響いた。慌ててルカの背中に隠れるヒカリ。隠れてすぐ扉が開いて、背持たれていたアカリが、そのままコロンと倒れてしまった
「……二人とも、こんなところで何してんだ?」
足元に倒れてきたアカリと、玄関で座っているルカを見て、ため息混じりで話しかける
「お兄ちゃん……おかえり」
ゆっくりと起き上がろうとするアカリに、手を差し出して助けるミツキが、アカリの目が赤く腫れているに気づいた
「なんだ?泣くほど会えて嬉しかったのか?」
「それは……そうだけど……」
ミツキから目を背けて、頬を触るアカリ。ちょっと腫れている目元に、慌ててゴシゴシと目元を拭いた。余計に腫れた目に慌ててルカがアカリの手を止めると、二人とも目が赤くしているのに気づいて、見つめあって笑ってしまう
「ルカちゃん、泣いちゃだめだよ」
「アカリちゃんこそ、泣きすぎだよ」
クスッと笑い話す二人に、その様子を見ていたミツキが二人に声をかける
「……父さんもう帰ってくるって言ってたから、心配するから泣くなら部屋で泣いてこい」
「うん。お風呂入って気持ち落ち着かせてくる……。ルカちゃん一緒に入ろう」
手を繋いで部屋に戻る二人の間から、一緒に部屋に戻っていくヒカリが一瞬見えて、ミツキがまたはぁ。と大きくため息ついた
「やっぱり二人に話すのは良くなかった気がするが、仕方ないのか」
家の玄関先で、ユイ達を見送るアカリとルカ。そのそばで余ったアップルパイを貰ってご機嫌なリリとモナカが早く帰りたそうにしている
「本当にこんなに貰って良いんですか?」
「うん。お父さんとお兄ちゃんの分は残してあるし。私達だと食べきれないから」
申し訳なさそうに話すモナカに、アカリが返事をしていると、モナカがミナモの腕をグイッと引っ張った
「じゃあ、早速夕御飯のおやつにしましょ」
「えっ?夕御飯も食べるの?」
ミナモがリリ達の食欲に驚いているそばで、ルナがルカを抱きしめ別れを惜しんでいた
「ルカ……ゴメンね。もう行かなきゃ」
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「ううん。またすぐ来てね。連絡もたくさんしてね」
「もちろん。ルカも今以上にたくさん頂戴ね」
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「アカリ、ヒカリちゃんと仲良くね。喧嘩はダメよ」
と、アカリの肩に座っているヒカリの頭を撫でて、ヒカリにも微笑む
「うん。大丈夫。ありがとう、お母さん」
アカリが返事をすると、ヒカリもヒナタの手をとり、握手をして微笑む
「ヒナタ、そろそろ帰りましょ」
ユラの声に、そっとヒカリの手を離すヒナタ。しょんぼりするアカリの頭を撫でて微笑み、ぎゅっと抱きしめる
「それじゃあ、またね。アカリ」
「うん。またね。お母さん」
ユイ達を見送り、家の中に入り玄関の鍵を閉めると、扉を背に座り込むアカリ。うつ向いてグスグスと泣いている音が聞こえてきた
「アカリちゃん……」
そっと背中をさするルカ。ヒカリもルカの肩に乗って、アカリの様子を心配そうに見ている
「お母さん……知ってたんだね。ヒカリのこと……」
「うん、そうだね……」
「ルカちゃんのお母さんも……」
顔をあげ、ルカの顔を見るアカリ。二人一緒に泣いていると、ガチャと鍵の開いた音が響いた。慌ててルカの背中に隠れるヒカリ。隠れてすぐ扉が開いて、背持たれていたアカリが、そのままコロンと倒れてしまった
「……二人とも、こんなところで何してんだ?」
足元に倒れてきたアカリと、玄関で座っているルカを見て、ため息混じりで話しかける
「お兄ちゃん……おかえり」
ゆっくりと起き上がろうとするアカリに、手を差し出して助けるミツキが、アカリの目が赤く腫れているに気づいた
「なんだ?泣くほど会えて嬉しかったのか?」
「それは……そうだけど……」
ミツキから目を背けて、頬を触るアカリ。ちょっと腫れている目元に、慌ててゴシゴシと目元を拭いた。余計に腫れた目に慌ててルカがアカリの手を止めると、二人とも目が赤くしているのに気づいて、見つめあって笑ってしまう
「ルカちゃん、泣いちゃだめだよ」
「アカリちゃんこそ、泣きすぎだよ」
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「……父さんもう帰ってくるって言ってたから、心配するから泣くなら部屋で泣いてこい」
「うん。お風呂入って気持ち落ち着かせてくる……。ルカちゃん一緒に入ろう」
手を繋いで部屋に戻る二人の間から、一緒に部屋に戻っていくヒカリが一瞬見えて、ミツキがまたはぁ。と大きくため息ついた
「やっぱり二人に話すのは良くなかった気がするが、仕方ないのか」
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