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シャオえる

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63.嬉しくても困ったお願い事

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「困ったなぁ……どうしよう……」
「ルカちゃん、どうしたの?」
 ルナからの連絡が来た携帯電話を見て、ため息ついたルカ。リビングでのんびりしていたアカリとミツキが、携帯を見るなり、困った顔になったルカに目を向けた
「お母さんが、何かお菓子を作っててほしいって……こんな時間に急に言われても……」
 はぁ。とまたため息ついて、何を作るか悩み始めたルカ。
アカリも冷蔵庫の中を思い出して、何が作れそうか考える
「でもあまりお菓子の材料が無いから、朝早起きして買いに行く?」
「アカリ、早起きできるのか?」
「失礼だなぁ。出来るよ!」
 ミツキとアカリが、言い争っていると、玄関の扉の鍵が開く音が聞こえてきた

「ただいまー」
「お帰りー」
 聞こえてきたノドカの声に、リビング答えるアカリ達。その声を聞いてノドカもリビングに入ってきた。三人のんびりと過ごしている様子を見て、微笑むノドカ。帰ってきたノドカを見て、ミツキがソファーから立ち上がると、ノドカに話しかける
「夕飯あるけど食べる?」
「そうだね。頂こうかな」
 とノドカの返事を聞いて、キッチンに行ってハンバーグを温め直すミツキ。その間に、部屋に行って着替えを終えたノドカもキッチンにやって来た。アカリもノドカの隣に座って、ノドカとの会話を楽しんでいる
「それでね、お父さん。お母さん帰ってくるんだって」
「そうなの?アカリに連絡来たの?」
「ううん。ルカちゃんのお母さんが言ってたの。一緒に帰ってくるって」
「そっか。帰ってくるならよかった。ところで、ルカちゃんは?」

 一人、リビングに残ったままのルカ。アカリ達の声が聞こえないのか、会話に参加せずに携帯とにらめっこして、何を作るか考えている様子
「さっきお菓子作ってて言われて、なに作るか悩んでるみたい」
 とアカリが話していると、食器棚からお皿を取ろうとしていた、ミツキと目があったノドカがクスッと微笑む
「みんな、ルカちゃんのお菓子にハマってるね。とても美味しいものね」
「えっ?みんなって?」
「カグヤ君も美味しいって言ってたし、ミツキも好きだもんね」
「カグヤさんも?あれ?いつルカちゃんのお菓子食べたんだろ?」

 ノドカの言葉を聞いて、カグヤと一緒にいた時にお菓子を食べていたか思いだす。その間にノドカの夕飯が来て、食べ始めると、ルカも何やらメモを書きはじめた
「ルカちゃん、なに作るか決めたの?」
 思い出すのを諦めて、ルカの隣に駆け寄るアカリ。メモに書かれた買い物リストを見て何を作るか分かり、アカリのテンションがちょっと上がっている。そんな二人を微笑ましくノドカが食べながら見ている。そうこうしているうちに、メモを書き終えたルカが、アカリを見てニコッと笑う
「これでよしっと。明日、一緒にお買い物行って、一緒に作ろう」
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