51 / 98
51. 難しい質問に答えた後に
しおりを挟む
「ナオ、ツムギから連絡あった?」
「いや、まだ……」
ツムギが起きる少し前、学園の教室に着いていたナオとカホがツムギが心配で携帯をずっと睨んでいた
「大丈夫かな?帰りにレアスの家に行ってみる?」
「行ってもなぁ……」
カホにため息混じりに返事をしながら、携帯を鞄に閉まっていると、教室に来たニーナが二人に気づいて声をかけてきた
「ナオさん、カホさん。ツムギさんは今日もお休み?」
「ええ、まあ……」
ニーナの質問に苦笑いで答えるナオ。カホも返事に困って同じく苦笑いをしている
「そう……。テストが終わったからと、休んでばかりだと次の昇級試験に響きますよ」
「はい、ツムギに伝えておきます」
「そうそう、レアスさん、どこにいるか分かる?」
「えーっと……」
また答えづらい質問がきて、困ったナオが苦笑いでカホの方に振り向いて助けを求めた
「レアス、まだ見つかってないんですか?」
ナオの表情を見て、カホがニーナに質問し返すと、今度はニーナが困った顔でため息をついた
「ええそうなのよ、魔力の反応がして、追いかけても見当たらなくて……。もしレアスさんを見つけたら、すぐ学園に連絡してね」
「……分かりました」
ナオとカホが返事をすると、ニーナがニコッと笑って、教壇の方へと歩いていった。その後ろ姿を見た二人が、ふぅ。とため息をついてすぐ、授業の開始を知らせるチャイムが鳴り響いた
「うーん、どうしよっか……」
ナオとカホが、困っていることを知らないツムギは、レアスの家の冷蔵庫とにらめっこして悩んでいた
「別に無理して作らなくても……」
ツムギの側で、呆れた様子で見ていたレアスがそう言うと、ツムギが勢いよく振り向くと、ちょっと怒った顔で返事をした
「ダメだよ!朝ご飯は食べたい!ルトとララだって、そうでしょ?」
と、レアスの肩に乗ってツムギを見ていたルトとララに話しかけると、困ったように見つめ合っていると、ぐぅ。とツムギのお腹の音が響いた
「あなたが食べたいだけじゃない」
大きなお腹の音を聞いて呆れながらレアスが言うと、ツムギがエヘヘと笑って誤魔化している。すると、何か思い付いたのか、冷蔵庫の扉をバタンと閉めるなり、パンッと手を叩いた
「そうだ!ご飯食べに行こう!それとも、寮のご飯食べに行く?」
突然の提案に、レアスがキョトンとしていると、ツムギがレアスの手をつかんで、キッチンを出てレアスの部屋へと向かってく
「やっぱり、お外が良いよね!お洋服も買いに行こう!」
「ちょっと……」
ご機嫌になったツムギに対し、レアスが戸惑いうろたえていると、レアスの部屋に着いてすぐ、クローゼットを開けて、レアスの服をあれこれ選ぶとその様子を呆然と見ていたレアスにニコッと笑いながら手渡した
「ほらほら、早く着替えて!ルトとララもお手伝いしてね」
「いや、まだ……」
ツムギが起きる少し前、学園の教室に着いていたナオとカホがツムギが心配で携帯をずっと睨んでいた
「大丈夫かな?帰りにレアスの家に行ってみる?」
「行ってもなぁ……」
カホにため息混じりに返事をしながら、携帯を鞄に閉まっていると、教室に来たニーナが二人に気づいて声をかけてきた
「ナオさん、カホさん。ツムギさんは今日もお休み?」
「ええ、まあ……」
ニーナの質問に苦笑いで答えるナオ。カホも返事に困って同じく苦笑いをしている
「そう……。テストが終わったからと、休んでばかりだと次の昇級試験に響きますよ」
「はい、ツムギに伝えておきます」
「そうそう、レアスさん、どこにいるか分かる?」
「えーっと……」
また答えづらい質問がきて、困ったナオが苦笑いでカホの方に振り向いて助けを求めた
「レアス、まだ見つかってないんですか?」
ナオの表情を見て、カホがニーナに質問し返すと、今度はニーナが困った顔でため息をついた
「ええそうなのよ、魔力の反応がして、追いかけても見当たらなくて……。もしレアスさんを見つけたら、すぐ学園に連絡してね」
「……分かりました」
ナオとカホが返事をすると、ニーナがニコッと笑って、教壇の方へと歩いていった。その後ろ姿を見た二人が、ふぅ。とため息をついてすぐ、授業の開始を知らせるチャイムが鳴り響いた
「うーん、どうしよっか……」
ナオとカホが、困っていることを知らないツムギは、レアスの家の冷蔵庫とにらめっこして悩んでいた
「別に無理して作らなくても……」
ツムギの側で、呆れた様子で見ていたレアスがそう言うと、ツムギが勢いよく振り向くと、ちょっと怒った顔で返事をした
「ダメだよ!朝ご飯は食べたい!ルトとララだって、そうでしょ?」
と、レアスの肩に乗ってツムギを見ていたルトとララに話しかけると、困ったように見つめ合っていると、ぐぅ。とツムギのお腹の音が響いた
「あなたが食べたいだけじゃない」
大きなお腹の音を聞いて呆れながらレアスが言うと、ツムギがエヘヘと笑って誤魔化している。すると、何か思い付いたのか、冷蔵庫の扉をバタンと閉めるなり、パンッと手を叩いた
「そうだ!ご飯食べに行こう!それとも、寮のご飯食べに行く?」
突然の提案に、レアスがキョトンとしていると、ツムギがレアスの手をつかんで、キッチンを出てレアスの部屋へと向かってく
「やっぱり、お外が良いよね!お洋服も買いに行こう!」
「ちょっと……」
ご機嫌になったツムギに対し、レアスが戸惑いうろたえていると、レアスの部屋に着いてすぐ、クローゼットを開けて、レアスの服をあれこれ選ぶとその様子を呆然と見ていたレアスにニコッと笑いながら手渡した
「ほらほら、早く着替えて!ルトとララもお手伝いしてね」
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
父が死んだのでようやく邪魔な女とその息子を処分できる
兎屋亀吉
恋愛
伯爵家の当主だった父が亡くなりました。これでようやく、父の愛妾として我が物顔で屋敷内をうろつくばい菌のような女とその息子を処分することができます。父が死ねば息子が当主になれるとでも思ったのかもしれませんが、父がいなくなった今となっては思う通りになることなど何一つありませんよ。今まで父の威を借りてさんざんいびってくれた仕返しといきましょうか。根に持つタイプの陰険女主人公。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
(完結)私は家政婦だったのですか?(全5話)
青空一夏
恋愛
夫の母親を5年介護していた私に子供はいない。お義母様が亡くなってすぐに夫に告げられた言葉は「わたしには6歳になる子供がいるんだよ。だから離婚してくれ」だった。
ありがちなテーマをさくっと書きたくて、短いお話しにしてみました。
さくっと因果応報物語です。ショートショートの全5話。1話ごとの字数には偏りがあります。3話目が多分1番長いかも。
青空異世界のゆるふわ設定ご都合主義です。現代的表現や現代的感覚、現代的機器など出てくる場合あります。貴族がいるヨーロッパ風の社会ですが、作者独自の世界です。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる