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53. 明日もまたこの場所で
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「ただいまー」
ご機嫌でミコト達が待つ家に帰ってきたノエル。その声を聞いて、モカがキッチンから出てきた
「おかえり、少し遅かったね」
「うん、少し迷子になってね、それより良い匂いがする!もしかして、今ご飯できた?」
「うん。良い頃に帰ってきたね」
モカとニコニコと笑って話ながらリビングに向かっていると、少し遅れてナギもキッチンから出てきて二人から少し離れるようにリビングへと歩いていく
「あれ?なんか雰囲気悪いね、どうした?」
リビングの扉を開けると、隣同士に座っているノアとミコトが浮かない顔をしていた
「みんな、お腹空いてるからだよ」
ノエルの声を聞いてニコッと笑ってノアが答える
「そっか、待たせてごめんね」
ノアの言葉を聞いてノエルがエヘヘと笑って謝っていると、ミコトがうつ向いていた顔を少し上げる。すると、リビングにちょうど入ってきたナギと目が合って、二人同時に顔を背けた
「じゃあ、モカ。ご飯持ってこよう」
ミコトに声をかけることなく、くるりと振り向きキッチンへと歩きだしたノエルの後ろ姿をナギがボーッと見ていると、またくるりと振り向いたノエルが手招きをしてナギを呼ぶ
「ナギも手伝って」
「えー……」
面倒臭そうに返事をするナギ。トボトボとゆっくりと歩いてキッチンに来たナギに、突然ノエルが後ろからぎゅっと抱きしめた
「明日は一緒に居れるか分かんないんだから」
ナギを抱きしめたまま、そう明るく話すノエル。その言葉を聞いたナギがゆっくりと振り向くとニコッと笑ったノエルがご飯が入った食器をナギに差し出した
「はい、リビングに持っていって。落とさないでよ」
「……うん」
食器を持っていくナギを見届けた後、ふぅ。と深呼吸をして振り向くと、モカがニコニコと微笑んで盛り付けをしていた
「何も聞かないの?」
「私はノエルとミコトのこと信じてるから。また明日も二人と一緒に居れるよ」
たくさんおかずを盛り付けた食器をノエルに差し出しながらそう答えると、ノエルもニコッと微笑みながら、その食器を受け取った
「そうだよね、モカ、ありがと」
「それは構いませんが、本当に良いんですか?」
「構いません。ここにいても、私は強くなれませんから」
その頃、ノエル達の学園の職員室で、サクナがヒカリに何やら相談をしていた
「まあ、他の環境に行って、他の魔力や人々に触れあうのも大切ですが……。すぐにというわけには……」
「一日も早くお願いします」
困った顔で悩むヒカリに、サクナが頭を下げてお願いをする。それを見てヒカリが、はぁ。と深いため息をついた
「分かりました。今から他の先生達とも話をするので、サクナさんは明日また来てくださいね」
「ありがとうございます」
ヒカリにお礼を言うと、職員室から出ていったサクナ。少しうつ向きながら廊下を歩いていると、ちょうど職員室に行こうとしていたクリスと出会い、顔をうつ向きながら小走りで通りすぎていった。そんなサクナの後ろ姿を見てクスッと笑った
「どちらの本の言う通りに動いているのでしょうか。それとも新たな素敵な本が書いているか、ちょっと楽しみが増えましたね」
ご機嫌でミコト達が待つ家に帰ってきたノエル。その声を聞いて、モカがキッチンから出てきた
「おかえり、少し遅かったね」
「うん、少し迷子になってね、それより良い匂いがする!もしかして、今ご飯できた?」
「うん。良い頃に帰ってきたね」
モカとニコニコと笑って話ながらリビングに向かっていると、少し遅れてナギもキッチンから出てきて二人から少し離れるようにリビングへと歩いていく
「あれ?なんか雰囲気悪いね、どうした?」
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「みんな、お腹空いてるからだよ」
ノエルの声を聞いてニコッと笑ってノアが答える
「そっか、待たせてごめんね」
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ミコトに声をかけることなく、くるりと振り向きキッチンへと歩きだしたノエルの後ろ姿をナギがボーッと見ていると、またくるりと振り向いたノエルが手招きをしてナギを呼ぶ
「ナギも手伝って」
「えー……」
面倒臭そうに返事をするナギ。トボトボとゆっくりと歩いてキッチンに来たナギに、突然ノエルが後ろからぎゅっと抱きしめた
「明日は一緒に居れるか分かんないんだから」
ナギを抱きしめたまま、そう明るく話すノエル。その言葉を聞いたナギがゆっくりと振り向くとニコッと笑ったノエルがご飯が入った食器をナギに差し出した
「はい、リビングに持っていって。落とさないでよ」
「……うん」
食器を持っていくナギを見届けた後、ふぅ。と深呼吸をして振り向くと、モカがニコニコと微笑んで盛り付けをしていた
「何も聞かないの?」
「私はノエルとミコトのこと信じてるから。また明日も二人と一緒に居れるよ」
たくさんおかずを盛り付けた食器をノエルに差し出しながらそう答えると、ノエルもニコッと微笑みながら、その食器を受け取った
「そうだよね、モカ、ありがと」
「それは構いませんが、本当に良いんですか?」
「構いません。ここにいても、私は強くなれませんから」
その頃、ノエル達の学園の職員室で、サクナがヒカリに何やら相談をしていた
「まあ、他の環境に行って、他の魔力や人々に触れあうのも大切ですが……。すぐにというわけには……」
「一日も早くお願いします」
困った顔で悩むヒカリに、サクナが頭を下げてお願いをする。それを見てヒカリが、はぁ。と深いため息をついた
「分かりました。今から他の先生達とも話をするので、サクナさんは明日また来てくださいね」
「ありがとうございます」
ヒカリにお礼を言うと、職員室から出ていったサクナ。少しうつ向きながら廊下を歩いていると、ちょうど職員室に行こうとしていたクリスと出会い、顔をうつ向きながら小走りで通りすぎていった。そんなサクナの後ろ姿を見てクスッと笑った
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