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11. 見慣れた部屋と見知らぬ本
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「……お邪魔します」
ミコトに案内されて部屋の扉をそーっと開けたノエル。綺麗に整頓されている部屋の中を恐る恐る入っていく
「どう?なんとなく覚えてる?」
ミコトが不安そうに問いかけると、部屋の真ん中まで歩いていたノエルがゆっくりと頷く
「うん……。ていうか、お部屋ほとんど一緒だ」
朝いた部屋とほぼ同じ模様の部屋を驚きつつも見渡していると、ふと机の上に見慣れない本が一冊置かれているのを見つけて手に取った
「この本……」
「あー、その本ね、よくノエルが読んでた本。とても難しくて私にその魔術が読めないんだけど……」
と、ミコトが説明するが、本を見つめたまま返事をしないノエル。その様子をしばらく見ていたミコトがノエルの背中からぎゅっと抱きしめた
「あっちで飲み物飲みながら、ゆっくり読もう」
「……うん、ありがとう」
後ろからエヘヘと笑って話しかけるミコトに、クスッと笑って答えるノエル。本を抱きしめ、二人で部屋を出て、ミコトはお茶のおかわりを取りにキッチンへと向かい、ノエルはソファーに座ると、本を開いて読みはじめた
「あーあ、聞いてないよ。ノエルが帰ってくるなんてさ。何のために死ぬもの狂いで頑張ったの?ミコトが連れ戻したらしいしさ」
その頃、ノエル達と出会った場所から大分遠くにあるナギとノアの学園の屋上では、おやつのパンを頬張るノアにナギが不機嫌そうに愚痴を叫んでいた
「そうだね。ミコト、あまり良しとされてない術を使ったみたいだよ」
と、鞄から二つ目のパンを取り出しながらナギに返事をすると、その言葉にナギが驚いた顔で振り向いた
「えっ?あいつ、死ぬ気だったの?」
「そうだったのかもね。無事に二人戻ってきたから良かったけれど……」
パンの袋を開けながらナギの話しに答えていたノアが突然、空を見上げ動かなくなった
「ノア、どうしたの?」
「……別に」
素っ気なく返事をすると、ノアが見ていた先をナギが見て首をかしげる。その間にパンを一気に食べ終えたノアが、はぁ。とため息つきながら立ち上がると、うーんと背伸びをした
「ナギ。あまり苛立っている暇はないみたいだよ。私達も生徒会長になるために、頑張らないといけないんだ。そろそろ行こうか」
ミコトに案内されて部屋の扉をそーっと開けたノエル。綺麗に整頓されている部屋の中を恐る恐る入っていく
「どう?なんとなく覚えてる?」
ミコトが不安そうに問いかけると、部屋の真ん中まで歩いていたノエルがゆっくりと頷く
「うん……。ていうか、お部屋ほとんど一緒だ」
朝いた部屋とほぼ同じ模様の部屋を驚きつつも見渡していると、ふと机の上に見慣れない本が一冊置かれているのを見つけて手に取った
「この本……」
「あー、その本ね、よくノエルが読んでた本。とても難しくて私にその魔術が読めないんだけど……」
と、ミコトが説明するが、本を見つめたまま返事をしないノエル。その様子をしばらく見ていたミコトがノエルの背中からぎゅっと抱きしめた
「あっちで飲み物飲みながら、ゆっくり読もう」
「……うん、ありがとう」
後ろからエヘヘと笑って話しかけるミコトに、クスッと笑って答えるノエル。本を抱きしめ、二人で部屋を出て、ミコトはお茶のおかわりを取りにキッチンへと向かい、ノエルはソファーに座ると、本を開いて読みはじめた
「あーあ、聞いてないよ。ノエルが帰ってくるなんてさ。何のために死ぬもの狂いで頑張ったの?ミコトが連れ戻したらしいしさ」
その頃、ノエル達と出会った場所から大分遠くにあるナギとノアの学園の屋上では、おやつのパンを頬張るノアにナギが不機嫌そうに愚痴を叫んでいた
「そうだね。ミコト、あまり良しとされてない術を使ったみたいだよ」
と、鞄から二つ目のパンを取り出しながらナギに返事をすると、その言葉にナギが驚いた顔で振り向いた
「えっ?あいつ、死ぬ気だったの?」
「そうだったのかもね。無事に二人戻ってきたから良かったけれど……」
パンの袋を開けながらナギの話しに答えていたノアが突然、空を見上げ動かなくなった
「ノア、どうしたの?」
「……別に」
素っ気なく返事をすると、ノアが見ていた先をナギが見て首をかしげる。その間にパンを一気に食べ終えたノアが、はぁ。とため息つきながら立ち上がると、うーんと背伸びをした
「ナギ。あまり苛立っている暇はないみたいだよ。私達も生徒会長になるために、頑張らないといけないんだ。そろそろ行こうか」
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