36 / 48
36. 飛び立つ合図で
しおりを挟む
「寝ている方は起きないね」
「そうだねぇ。まだまだ魔術の修行が足りないね」
ノエルに返事をしながら食べる硬めのお菓子の音がリビングに響く。その音を聴きながらノエルが温かいお茶をコップに注ぎ、ふぅ。と一息つきながらゆっくりとお茶を飲んだ
「アオイは魔力がなくて、不自由はないの?」
「んー、すぐお腹がすく以外は今は特にないよ」
そう言うと、空っぽになったお菓子の籠をしょんぼりと見つめたアオイ。その様子をノエルが苦笑いで見ていると、窓の外からカタンと音が聞こえ、鳥が一羽、空へと飛び立った
「やっとメアさん達が帰ったみたいだね」
キッチンからふわふわと飛んでリビングに来た追加のお菓子を食べながらノエルがため息混じりに言うと、アオイも追加のお菓子を食べながらクスクスと笑う
「意外としぶといね。こんなに探しても見つからないなら他を探せばいいのに」
「空を飛ぶ魔術があまり使えないから、遠くには行きたくないんだよ。今、魔術以外の移動なんて歩きだろうし」
「ああ、そっか。それは面倒だね」
また少し硬めのお菓子を食べて、カリッとお菓子の音がリビングに響いた。ノエルは柔らかく甘いお菓子を食べながら窓から見える外を見た
「じゃあ、そろそろ魔術を使えるのはノエルだけ?」
「まあ、そうだろうね。けどもう、魔術を読む記憶が危ういからね。魔力はあっても、一からまた覚えないと……」
そうノエルが言うと、ソファーに無造作に置かれていた沢山の本がふわりと浮かび側に来た。ついでに寝ている方のアオイが敷き布団代わりにしている本もアオイを落とさないようにゆっくりと側に来た
「今から魔術を覚え直すなら、この本とあの子を使うといいよ。その方が一気に覚えられるからね」
「そうだねぇ。まだまだ魔術の修行が足りないね」
ノエルに返事をしながら食べる硬めのお菓子の音がリビングに響く。その音を聴きながらノエルが温かいお茶をコップに注ぎ、ふぅ。と一息つきながらゆっくりとお茶を飲んだ
「アオイは魔力がなくて、不自由はないの?」
「んー、すぐお腹がすく以外は今は特にないよ」
そう言うと、空っぽになったお菓子の籠をしょんぼりと見つめたアオイ。その様子をノエルが苦笑いで見ていると、窓の外からカタンと音が聞こえ、鳥が一羽、空へと飛び立った
「やっとメアさん達が帰ったみたいだね」
キッチンからふわふわと飛んでリビングに来た追加のお菓子を食べながらノエルがため息混じりに言うと、アオイも追加のお菓子を食べながらクスクスと笑う
「意外としぶといね。こんなに探しても見つからないなら他を探せばいいのに」
「空を飛ぶ魔術があまり使えないから、遠くには行きたくないんだよ。今、魔術以外の移動なんて歩きだろうし」
「ああ、そっか。それは面倒だね」
また少し硬めのお菓子を食べて、カリッとお菓子の音がリビングに響いた。ノエルは柔らかく甘いお菓子を食べながら窓から見える外を見た
「じゃあ、そろそろ魔術を使えるのはノエルだけ?」
「まあ、そうだろうね。けどもう、魔術を読む記憶が危ういからね。魔力はあっても、一からまた覚えないと……」
そうノエルが言うと、ソファーに無造作に置かれていた沢山の本がふわりと浮かび側に来た。ついでに寝ている方のアオイが敷き布団代わりにしている本もアオイを落とさないようにゆっくりと側に来た
「今から魔術を覚え直すなら、この本とあの子を使うといいよ。その方が一気に覚えられるからね」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
家出女子高生と入れ替わる。そしてムダ毛を剃る。
矢的春泥
ライト文芸
家出女子高生と目が合ってしまい付いてこられたおじさん。
女子高生にぶつかられて精神が入れ替わってしまう。
仕方なくアパートに部屋に行き、体が入れ替わったままで女子高生とおじさんの同居生活が始まる。
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草
ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)
10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。
親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。
同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……──
※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました!
※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
【アルファポリスで稼ぐ】新社会人が1年間で会社を辞めるために収益UPを目指してみた。
紫蘭
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスでの収益報告、どうやったら収益を上げられるのかの試行錯誤を日々アップします。
アルファポリスのインセンティブの仕組み。
ど素人がどの程度のポイントを貰えるのか。
どの新人賞に応募すればいいのか、各新人賞の詳細と傾向。
実際に新人賞に応募していくまでの過程。
春から新社会人。それなりに希望を持って入社式に向かったはずなのに、そうそうに向いてないことを自覚しました。学生時代から書くことが好きだったこともあり、いつでも仕事を辞められるように、まずはインセンティブのあるアルファポリスで小説とエッセイの投稿を始めて見ました。(そんなに甘いわけが無い)
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
貧乏男爵家の四男に転生したが、奴隷として売られてしまった
竹桜
ファンタジー
林業に従事していた主人公は倒木に押し潰されて死んでしまった。
死んだ筈の主人公は異世界に転生したのだ。
貧乏男爵四男に。
転生したのは良いが、奴隷商に売れてしまう。
そんな主人公は何気ない斧を持ち、異世界を生き抜く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる