29 / 38
30. 見つめる先にあるもの
しおりを挟む
ミオが帰り、騒がしかった公園の広場が、マオがふぅ。と一つ深呼吸をする音が少し離れたログに聞こえるほど静かになった。ログが近くにある木々や空を見ていると、マオが近づいてログの周りをキョロキョロと見渡しはじめた
「あれ?フランは?」
「今は、出ないように言っている。あまり魔力を見られても困るからな」
ログの言葉を聞いたマオがしょんぼりとうつ向いた。それを横目で見たログがはぁ。と一つため息をついた
「でも、美味しいデザートを食べに行くと聞けば勝手に出てくるかもな」
そうログが小声で言うと、うつ向いていたマオがガバッと顔を上げ、ログの周りをキョロキョロとまた見渡しはじめた
「ねえ、ログ。風邪を治してくれたお礼に、私が奢りで美味しいデザートを食べに行こう!」
「行きます!是非、行きましょう!」
マオのスカートのポケットから嬉しそうに返事をするフランの声が聞こえてきた。意外な場所から聞こえてきて驚いたマオがスカートのポケットの中を開いて覗くと、フランが少し顔を出した
「ログも一緒に行くでしょ?」
「いや、僕は甘いものはあまり好きじゃないから行かない。フラン、あまり遅くならないように」
「了解です。マオさん、早くデザート食べに行きましょう!」
「う、うん……」
フランに急かされながら公園の入り口へと向かっていくマオ。時折フランと話しているのかポケットがある方に顔を向けている。公園から出て姿が見えなくなると、一人残ったログが少し離れた所にある木に向かい、木の枝に止まっている白い小鳥を見つけた。睨むように見ていると、白い小鳥がバサッと翼を広げ大きく揺らした。羽根が数枚ヒラヒラと舞い、ログの近くにも羽根が落ちてきた。その羽根を見ていると、白い小鳥がいた方からクスクスと笑う声が聞こえてきた
「あーあ、気づかれちゃった」
白い小鳥がいた木の枝にミオが残念そうに頬に手を添え座っていた。ログがミオに目線を向けると、ミオが足をユラユラと揺らし勢いをつけて木から飛び降りた
「改めまして、こんにちは。私はマオの双子の妹のミオって言います」
頭や服についた葉っぱを払いながらミオがそう言うとログをチラチラと見て不思議に首をかしげた
「あれ?もう一人の魔力の強い人はどこにいますか?」
「もう一人?」
「ええ、私の小鳥達を跳ね返す魔力が二つあったので気になっていたんです。一つは、さっきお姉ちゃんの風邪を治したと言っていたあなたの魔力と似てました。けど、もう一つが見当たらないので気になって……」
そう言いながらフフッと笑うミオ。ログは特に返事をせず、ミオの様子を見ていると、一羽の白い小鳥がミオの肩に乗り少し羽根を広げた。ヒラリと舞い落ちた一枚の白い羽根が、ログとミオの間に落ちると、ミオがまた木の枝に飛び乗り、ログを見て嬉しそうにフフッと笑った
「言わないのなら別にそれでいいです。また会いましょう」
「あれ?フランは?」
「今は、出ないように言っている。あまり魔力を見られても困るからな」
ログの言葉を聞いたマオがしょんぼりとうつ向いた。それを横目で見たログがはぁ。と一つため息をついた
「でも、美味しいデザートを食べに行くと聞けば勝手に出てくるかもな」
そうログが小声で言うと、うつ向いていたマオがガバッと顔を上げ、ログの周りをキョロキョロとまた見渡しはじめた
「ねえ、ログ。風邪を治してくれたお礼に、私が奢りで美味しいデザートを食べに行こう!」
「行きます!是非、行きましょう!」
マオのスカートのポケットから嬉しそうに返事をするフランの声が聞こえてきた。意外な場所から聞こえてきて驚いたマオがスカートのポケットの中を開いて覗くと、フランが少し顔を出した
「ログも一緒に行くでしょ?」
「いや、僕は甘いものはあまり好きじゃないから行かない。フラン、あまり遅くならないように」
「了解です。マオさん、早くデザート食べに行きましょう!」
「う、うん……」
フランに急かされながら公園の入り口へと向かっていくマオ。時折フランと話しているのかポケットがある方に顔を向けている。公園から出て姿が見えなくなると、一人残ったログが少し離れた所にある木に向かい、木の枝に止まっている白い小鳥を見つけた。睨むように見ていると、白い小鳥がバサッと翼を広げ大きく揺らした。羽根が数枚ヒラヒラと舞い、ログの近くにも羽根が落ちてきた。その羽根を見ていると、白い小鳥がいた方からクスクスと笑う声が聞こえてきた
「あーあ、気づかれちゃった」
白い小鳥がいた木の枝にミオが残念そうに頬に手を添え座っていた。ログがミオに目線を向けると、ミオが足をユラユラと揺らし勢いをつけて木から飛び降りた
「改めまして、こんにちは。私はマオの双子の妹のミオって言います」
頭や服についた葉っぱを払いながらミオがそう言うとログをチラチラと見て不思議に首をかしげた
「あれ?もう一人の魔力の強い人はどこにいますか?」
「もう一人?」
「ええ、私の小鳥達を跳ね返す魔力が二つあったので気になっていたんです。一つは、さっきお姉ちゃんの風邪を治したと言っていたあなたの魔力と似てました。けど、もう一つが見当たらないので気になって……」
そう言いながらフフッと笑うミオ。ログは特に返事をせず、ミオの様子を見ていると、一羽の白い小鳥がミオの肩に乗り少し羽根を広げた。ヒラリと舞い落ちた一枚の白い羽根が、ログとミオの間に落ちると、ミオがまた木の枝に飛び乗り、ログを見て嬉しそうにフフッと笑った
「言わないのなら別にそれでいいです。また会いましょう」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる