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28. はじめましての微笑み
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「では、午前の授業はここまでにします。午後は魔術の練習です。みなさん頑張りましょうね」
レイカがパンッと軽くてを手合わせ叩いて授業を終える言葉を言うと、それと同時に、グレニア学園内に授業終了のチャイムが響く。ガヤガヤと騒がしくなった教室で、ログが机の上でスヤスヤ眠るフランの体を揺らした
「フラン、そろそろ起きろ、帰るぞ」
何度か体を揺らしてやっと目を覚ましたフラン。目を擦りながらアクビをしてログの肩に乗ると頬に体を寄せまたスースーと寝息をたてて眠った。フランを落とさないようにしながら鞄を取り教室を出て、学園の玄関へと向かう。その途中、片手に大量の資料を持ち歩きながら読むユグスと出会い、お互い目があい二人とも足を止めた
「おや、午後の授業があるのに、帰るんですか?」
「はい。午後は魔術の授業みたいなので、帰ります」
ユグスがニコリと微笑み問いかけると、ログは不機嫌そうに答えると、ユグスの横を通り玄関を後にした
「嫌われましたかね」
帰るログの後ろ姿を見ながら今度はフフッと笑うと、持ってる大量の資料に目を向け再び歩きだした
「ふぅ……。疲れた……」
その頃、公園の広場で一人魔術の練習をしていたマオ。足元をふらつかせ、近くにあるベンチに座ろうと振り向いた先にある木に、ログが背もたれてマオを見ていた
「あれ?また練習相手になってくれるの?」
ログに駆け寄りながら問いかけるマオ。その時、足元がまた少しふらついてログが呆れた様子でため息をついた
「風邪で休んでいたんじゃないのか?」
「うん、そうなんだけど練習しないとなって思ってさ」
「無理したら、余計に悪化するんじゃないか?」
「そうなったら、術で治すよ」
「じゃあ、今すぐ治せばいいんじゃないか?」
「私は傷とかを治すのは出来るけれど、風邪とかの回復とかはあまり……」
エヘヘと笑うマオの頬が風邪の熱で少し頬が赤くなった。それを見たログが突然、マオの右手を取りちょっと強めに両手でぎゅっとつかんで、少し目を閉じた。ログの様子を不思議そうに首をかしげていたマオ。風邪であまり力が入らなかった足にちょっとずつちゃんと立てるようになり、ログにつかまれていた手を引いた
「風邪治ったみたい。ありがと」
マオがログにお礼を言うと、そよ風が吹いて、ふたりのある木々がユラユラと揺れた
「あれ、マオだ」
と、マオの背後から聞き覚えのある声が聞こえてきて振り向くと、空を飛んで来たミオが、マオの後ろにゆっくりと降りてきた
「ミオ、なんでここに?」
「なんでって、帰る前に練習しようと思ってたんだけど……」
ログの方に振り返りながら返事をするミオ。目線を合わせないように少し顔を横に向けたログにクスクスと笑いながら、近寄るとジッと横顔を見つめペコリと頭を下げた
「はじめまして。私、マオの妹のミオです、よろしく」
「よろしく」
ログがミオに素っ気なく返事をすると、二人の様子を不安そうに見ていたマオの方に振り向き近づくと、マオのおでこに手を当てた
「マオ、風邪引いてたんじゃないの?」
「そうだけど、今ログに治してもらったっぽくて、元気になったよ」
「ログ?」
と、マオの目線の先をミオも見る。ログがはぁ。とため息つきながらマオを見ていた。その視線に気づいたマオがエヘヘと笑って顔を背ける。二人の様子に気づいたミオもクスッと笑って公園の入り口の方へと歩きだし途中くるりと振り返ってマオに声をかけた
「先に帰るよ。お姉ちゃんも早く帰らないと、おやつ無くなっちゃうからね」
レイカがパンッと軽くてを手合わせ叩いて授業を終える言葉を言うと、それと同時に、グレニア学園内に授業終了のチャイムが響く。ガヤガヤと騒がしくなった教室で、ログが机の上でスヤスヤ眠るフランの体を揺らした
「フラン、そろそろ起きろ、帰るぞ」
何度か体を揺らしてやっと目を覚ましたフラン。目を擦りながらアクビをしてログの肩に乗ると頬に体を寄せまたスースーと寝息をたてて眠った。フランを落とさないようにしながら鞄を取り教室を出て、学園の玄関へと向かう。その途中、片手に大量の資料を持ち歩きながら読むユグスと出会い、お互い目があい二人とも足を止めた
「おや、午後の授業があるのに、帰るんですか?」
「はい。午後は魔術の授業みたいなので、帰ります」
ユグスがニコリと微笑み問いかけると、ログは不機嫌そうに答えると、ユグスの横を通り玄関を後にした
「嫌われましたかね」
帰るログの後ろ姿を見ながら今度はフフッと笑うと、持ってる大量の資料に目を向け再び歩きだした
「ふぅ……。疲れた……」
その頃、公園の広場で一人魔術の練習をしていたマオ。足元をふらつかせ、近くにあるベンチに座ろうと振り向いた先にある木に、ログが背もたれてマオを見ていた
「あれ?また練習相手になってくれるの?」
ログに駆け寄りながら問いかけるマオ。その時、足元がまた少しふらついてログが呆れた様子でため息をついた
「風邪で休んでいたんじゃないのか?」
「うん、そうなんだけど練習しないとなって思ってさ」
「無理したら、余計に悪化するんじゃないか?」
「そうなったら、術で治すよ」
「じゃあ、今すぐ治せばいいんじゃないか?」
「私は傷とかを治すのは出来るけれど、風邪とかの回復とかはあまり……」
エヘヘと笑うマオの頬が風邪の熱で少し頬が赤くなった。それを見たログが突然、マオの右手を取りちょっと強めに両手でぎゅっとつかんで、少し目を閉じた。ログの様子を不思議そうに首をかしげていたマオ。風邪であまり力が入らなかった足にちょっとずつちゃんと立てるようになり、ログにつかまれていた手を引いた
「風邪治ったみたい。ありがと」
マオがログにお礼を言うと、そよ風が吹いて、ふたりのある木々がユラユラと揺れた
「あれ、マオだ」
と、マオの背後から聞き覚えのある声が聞こえてきて振り向くと、空を飛んで来たミオが、マオの後ろにゆっくりと降りてきた
「ミオ、なんでここに?」
「なんでって、帰る前に練習しようと思ってたんだけど……」
ログの方に振り返りながら返事をするミオ。目線を合わせないように少し顔を横に向けたログにクスクスと笑いながら、近寄るとジッと横顔を見つめペコリと頭を下げた
「はじめまして。私、マオの妹のミオです、よろしく」
「よろしく」
ログがミオに素っ気なく返事をすると、二人の様子を不安そうに見ていたマオの方に振り向き近づくと、マオのおでこに手を当てた
「マオ、風邪引いてたんじゃないの?」
「そうだけど、今ログに治してもらったっぽくて、元気になったよ」
「ログ?」
と、マオの目線の先をミオも見る。ログがはぁ。とため息つきながらマオを見ていた。その視線に気づいたマオがエヘヘと笑って顔を背ける。二人の様子に気づいたミオもクスッと笑って公園の入り口の方へと歩きだし途中くるりと振り返ってマオに声をかけた
「先に帰るよ。お姉ちゃんも早く帰らないと、おやつ無くなっちゃうからね」
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