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21. 寝不足のままで
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「おはよう……」
翌日の朝、大きなアクビをしてリビングに来たミオ。先にリビングに来て、朝ごはんを食べていたマオがミオを険しい顔で見ていると、ミオの朝ごはんを持ってきた
「ちょっとマオ。変な顔をしてどうしたの?」
「ミオってば、昨日の夜、ずっと魔術を使ってたんだよ。魔方陣の光で眩しかったし、呪文もうるさくて迷惑だった」
「あらそうなの」
母親の話しにマオが不機嫌そうに返事をする。プイッと顔を背け、ミオを見ないようにしているマオを横目に、テーブルに置かれたミオ用の朝ごはんのおかずを一つつまんで食べはじめた
「もう私出るから」
「え、朝ごはんは?」
「もういらない。友達と練習の待ち合わせしているの。食べてたら遅れちゃう」
「あら……そうなの」
モグモグとおかずを食べながら、急ぎ足で玄関に向かっていくミオ。バタンと勢いよく扉が閉まる音がリビングまで聞こえると、母親がふぅ。と一つため息をついてマイペースにマオを見た
「マオもミオを見習って頑張らないと」
「私はミオみたいに寝不足になるほど頑張りたくないもん」
そう言いながら、マオのお皿の隣に置かれたミオの朝ごはんのおかずをお箸でつまんで食べた
「フラン、起きろ」
数時間後、グレニア学園の教室で、フランがログの机の上で目を閉じ体をユラユラと横に揺らしていた
「フラン聞いているのか?」
ログが背中をつついて起こそうとする。それでもまだフラフラと体を揺らして返事をしないフラン。そんな二人の様子を見ていたマオがログの机の上に置かれていたお菓子を一つ見つけ手に取った
「これってフランの好きなお菓子でしょ?食べないなんて珍しいね」
「食べてもいいぞ」
「いいの?」
「フランには、また新しいのを買うから」
「……そう」
ログの言葉を聞いて、お菓子の袋を開けたマオ。フランの側でガサガサと聞こえる袋を開ける音を気にもせず目を閉じ、ウトウトとしている
「もしかして、フランも寝不足?」
「はい……。昨日、面倒な魔術が現れ続けてて、対応していたら朝になっていました……」
「無理に現れず、休んでいてもいいと言っているんだけどな」
と、ログが話しているとフランがゆっくりと体を起こし、ログの肩に乗り体を頬に傾けた
「そうですね。今はマオさんもいますし、少し休みます」
大きなアクビをして背伸びをしたフランに、マオがフランの頬を指先でつついた
「起きて元気になったら、何か甘いの食べに行こうね」
「はい、是非」
微笑み返事をするフランと目が合いマオもニコリと微笑むと、フランがふわりとログの肩から消えた。ログとマオの二人だけになり、急に会話がなくなり静かになると、マオが貰ったお菓子を一つ食べた
「そっちも寝不足なのか?」
と、突然ログから話しかけられ食べようとしていたお菓子を机の上に落としてしまった
「私も?なんで?」
「さっきフランもって言っていたから」
落としたお菓子を取るマオを見ながら聞き返すと、ちょうど授業開始のチャイムが鳴り、二人のいる教室がガヤガヤと騒がしくなりはじめた。しばらくすると、担任のレイカも教室に入り、ログから貰ったお菓子を慌てて机の中に隠すと、ログを見てヒソヒソと小声で話しかけた
「フランもって言うかさ。私の周りでなんだか皆眠そうだからさ。それよりログは授業中は寝ちゃダメだよ」
翌日の朝、大きなアクビをしてリビングに来たミオ。先にリビングに来て、朝ごはんを食べていたマオがミオを険しい顔で見ていると、ミオの朝ごはんを持ってきた
「ちょっとマオ。変な顔をしてどうしたの?」
「ミオってば、昨日の夜、ずっと魔術を使ってたんだよ。魔方陣の光で眩しかったし、呪文もうるさくて迷惑だった」
「あらそうなの」
母親の話しにマオが不機嫌そうに返事をする。プイッと顔を背け、ミオを見ないようにしているマオを横目に、テーブルに置かれたミオ用の朝ごはんのおかずを一つつまんで食べはじめた
「もう私出るから」
「え、朝ごはんは?」
「もういらない。友達と練習の待ち合わせしているの。食べてたら遅れちゃう」
「あら……そうなの」
モグモグとおかずを食べながら、急ぎ足で玄関に向かっていくミオ。バタンと勢いよく扉が閉まる音がリビングまで聞こえると、母親がふぅ。と一つため息をついてマイペースにマオを見た
「マオもミオを見習って頑張らないと」
「私はミオみたいに寝不足になるほど頑張りたくないもん」
そう言いながら、マオのお皿の隣に置かれたミオの朝ごはんのおかずをお箸でつまんで食べた
「フラン、起きろ」
数時間後、グレニア学園の教室で、フランがログの机の上で目を閉じ体をユラユラと横に揺らしていた
「フラン聞いているのか?」
ログが背中をつついて起こそうとする。それでもまだフラフラと体を揺らして返事をしないフラン。そんな二人の様子を見ていたマオがログの机の上に置かれていたお菓子を一つ見つけ手に取った
「これってフランの好きなお菓子でしょ?食べないなんて珍しいね」
「食べてもいいぞ」
「いいの?」
「フランには、また新しいのを買うから」
「……そう」
ログの言葉を聞いて、お菓子の袋を開けたマオ。フランの側でガサガサと聞こえる袋を開ける音を気にもせず目を閉じ、ウトウトとしている
「もしかして、フランも寝不足?」
「はい……。昨日、面倒な魔術が現れ続けてて、対応していたら朝になっていました……」
「無理に現れず、休んでいてもいいと言っているんだけどな」
と、ログが話しているとフランがゆっくりと体を起こし、ログの肩に乗り体を頬に傾けた
「そうですね。今はマオさんもいますし、少し休みます」
大きなアクビをして背伸びをしたフランに、マオがフランの頬を指先でつついた
「起きて元気になったら、何か甘いの食べに行こうね」
「はい、是非」
微笑み返事をするフランと目が合いマオもニコリと微笑むと、フランがふわりとログの肩から消えた。ログとマオの二人だけになり、急に会話がなくなり静かになると、マオが貰ったお菓子を一つ食べた
「そっちも寝不足なのか?」
と、突然ログから話しかけられ食べようとしていたお菓子を机の上に落としてしまった
「私も?なんで?」
「さっきフランもって言っていたから」
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