19 / 49
18. 寄り道の途中
しおりを挟む
「練習しないといけないのに……」
ログがユグスと話していたその頃、つまらなさそうに授業を受けていたマオが、はぁ。とため息をついていた。ちらりとログの机の方を見てフランもいないのを確認すると、またつまらなさそうに教室の窓を見た。青空の中、ユラユラと動く何かが見えて目を凝らし見てみると、フランの隣でユラユラと不安定に空を飛ぶログの後ろ姿が見えた
「飛行苦手なの……?」
段々と姿が小さくなっていくログを見ながらそう呟くマオの隣の席の女子が首をかしげた
「疲れた、ちょっと休もう」
「ダメです。もっと練習しましょう」
フラフラと不安定なまま飛び続けたログ。ログの頭に乗るフランが何度か叩いて飛び続けるように発破をかける。疲れたログがずっとため息をついて飛び続けていると、学園から少し離れた場所にカラフルなお店を見つけ指差した
「フラン、何かあるぞ。スイーツのお店じゃないか?」
「ご主人様、ちょっと休憩しましょう、すぐに」
フランがまたログの頭をバシバシと叩くと、ログが不安定なまま動きのままゆっくりと地面に降りると、フランがソワソワと落ちつかない様子でログの肩に乗り直した
「早く行きましょ。マオさんの分も買いますか?」
少し先にあるスイーツ屋をご機嫌で指差すフランの髪が揺れる。一方ログはスイーツ屋とは逆の方を見て動かないでいた
「ご主人様、どうしました?」
「似たような魔力を感じる」
「似たような魔力ですか?誰の魔力ですか?」
フランがログが見つめる先を見る。見たことのない公園があり、ログがその公園へと歩きはじめる。公園に入ってすぐ見えた広場に一人立っているのが見えて、側にあった木に隠れ、その人の後ろ姿を見てみると、一瞬見えた横顔にフランがログの肩をポンッと叩いた
「あの人、マオさんですか?よく似てる気がしますね」
「かもな、授業サボって来たんだな」
「ええ、でもなんだかマオさんにしては髪が長いような……」
二人がヒソヒソと話していると、マオに似た髪長い子が二人の方に少し顔を向けた
「私より強い魔力……」
そう呟きながら二人がいる木の方に振り向くと、木から覗いて見ていたフランと目が合った
「マオさん!」
「……マオ?」
フランの言葉に不思議そうに首をかしげた女の子。笑顔で手を振るフランを顔を見た後、フフッと笑った
「ああ、お姉ちゃんが出た大会にいた使い魔か」
そう呟くと足元に魔方陣が現れた。その瞬間、魔方陣から溢れる強い魔力を感じたログが木から少し顔を出すと視線が合った
「お姉ちゃんには今は内緒にしなきゃね」
微笑みながらそう言うと、足元にある魔方陣が小さくなっていく。フランが気づいて近づいていくが、話しかける前に魔方陣と共に姿を消してしまった
「マオさんじゃなかったんですかね」
「髪が長い以外は似ていたけれどな」
ログもフランの側に来て、魔方陣があった場所を見渡す。フランもログの肩に乗り、ふぅ。と一つ深呼吸をした。ふわりと風がなびき、フランのピンク色の髪が揺れると、ログの表情が険しくなった
「少し寄り道して帰る。その間にフランがどうにかしておいてくれ」
ログがそう言うと、二人の目線がさっきまでいた木の方に向けると、そこには、さっきまで居なかったはずの白い鳥が一羽、二人をじっと見つめていた
「分かりました。ご褒美のスイーツを用意していてくださいね」
ログがユグスと話していたその頃、つまらなさそうに授業を受けていたマオが、はぁ。とため息をついていた。ちらりとログの机の方を見てフランもいないのを確認すると、またつまらなさそうに教室の窓を見た。青空の中、ユラユラと動く何かが見えて目を凝らし見てみると、フランの隣でユラユラと不安定に空を飛ぶログの後ろ姿が見えた
「飛行苦手なの……?」
段々と姿が小さくなっていくログを見ながらそう呟くマオの隣の席の女子が首をかしげた
「疲れた、ちょっと休もう」
「ダメです。もっと練習しましょう」
フラフラと不安定なまま飛び続けたログ。ログの頭に乗るフランが何度か叩いて飛び続けるように発破をかける。疲れたログがずっとため息をついて飛び続けていると、学園から少し離れた場所にカラフルなお店を見つけ指差した
「フラン、何かあるぞ。スイーツのお店じゃないか?」
「ご主人様、ちょっと休憩しましょう、すぐに」
フランがまたログの頭をバシバシと叩くと、ログが不安定なまま動きのままゆっくりと地面に降りると、フランがソワソワと落ちつかない様子でログの肩に乗り直した
「早く行きましょ。マオさんの分も買いますか?」
少し先にあるスイーツ屋をご機嫌で指差すフランの髪が揺れる。一方ログはスイーツ屋とは逆の方を見て動かないでいた
「ご主人様、どうしました?」
「似たような魔力を感じる」
「似たような魔力ですか?誰の魔力ですか?」
フランがログが見つめる先を見る。見たことのない公園があり、ログがその公園へと歩きはじめる。公園に入ってすぐ見えた広場に一人立っているのが見えて、側にあった木に隠れ、その人の後ろ姿を見てみると、一瞬見えた横顔にフランがログの肩をポンッと叩いた
「あの人、マオさんですか?よく似てる気がしますね」
「かもな、授業サボって来たんだな」
「ええ、でもなんだかマオさんにしては髪が長いような……」
二人がヒソヒソと話していると、マオに似た髪長い子が二人の方に少し顔を向けた
「私より強い魔力……」
そう呟きながら二人がいる木の方に振り向くと、木から覗いて見ていたフランと目が合った
「マオさん!」
「……マオ?」
フランの言葉に不思議そうに首をかしげた女の子。笑顔で手を振るフランを顔を見た後、フフッと笑った
「ああ、お姉ちゃんが出た大会にいた使い魔か」
そう呟くと足元に魔方陣が現れた。その瞬間、魔方陣から溢れる強い魔力を感じたログが木から少し顔を出すと視線が合った
「お姉ちゃんには今は内緒にしなきゃね」
微笑みながらそう言うと、足元にある魔方陣が小さくなっていく。フランが気づいて近づいていくが、話しかける前に魔方陣と共に姿を消してしまった
「マオさんじゃなかったんですかね」
「髪が長い以外は似ていたけれどな」
ログもフランの側に来て、魔方陣があった場所を見渡す。フランもログの肩に乗り、ふぅ。と一つ深呼吸をした。ふわりと風がなびき、フランのピンク色の髪が揺れると、ログの表情が険しくなった
「少し寄り道して帰る。その間にフランがどうにかしておいてくれ」
ログがそう言うと、二人の目線がさっきまでいた木の方に向けると、そこには、さっきまで居なかったはずの白い鳥が一羽、二人をじっと見つめていた
「分かりました。ご褒美のスイーツを用意していてくださいね」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる