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16. 次への希望

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「なんだか我が校には不釣り合いな気がしますね」
「そうだな。どうも見慣れないな」
 生徒達が教室に集まり、静かになったグレニア学園の出入り口前に、ユグスと教師達が数名集まってマオとフランが取った優勝賞品を見ていた
「ユグス校長、ずっとここに飾るつもりですか?」
「ああ、僕が見飽きるまでは飾っておこうかな」
 教師の質問にユグスが嬉しそうにフフッと笑いながら答えると、返事を聞いた教師達もフフッと笑う
「これでこの学園の魔術ランク最下位から少し上がるでしょうか」
「いやー、この大会だけでは……」
「まあせめて、生徒達の総合魔術がもう少し上がれば」
 嬉しさとため息が混じる教師達の会話を聞いているユグスの目線の先に、大量のパンやお菓子を持ちご機嫌で廊下を渡るフランを見つけ教師達に見つからないように、またフフッと笑った




「おや、ログさん風邪ですか?」
「い、いえ……」
 ユグスがフランを見たその数分後、悠がクシュンとくしゃみをした。ホームルーム中の教室に響いたくしゃみに、クラスにいた数名がログとパンを食べようとしていたフランの方に向いた。マオも二人の方を見ると、フランと目線が合いマオがヒラヒラと手を振り、フランもエヘヘと笑ってパンを食べた
「レイカ先生、あの玄関に飾ってあるやつって、誰が優勝したんですか?」
 と、突然クラスメイトの一人が手を上げ、レイカに問いかけると、ログとフランに向いていた生徒達の視線が一瞬で教壇にいるレイカの方に向いた
「このクラスから出たとか?」
「そうかも。でもこのクラスってそんなに魔術が強い人いるの?」
 ヒソヒソと話していた声が段々と大きくなり教室が騒がしくなっていく。そんな中クラスで一人マオだけが頬を緩ませウンウンと頷いていた
「顔がにやけているぞ」
「えっ、うそ……」
 ログからの指摘に慌てて頬を触りクルクル手を回して、頬の緩みを止めようとする。その間、騒がしさが大きくなっていた教室を止めようとレイカがパンッと一度手を叩いた
「そうそう、今回、優勝した生徒さんは、近々また大会があるそうですよ、是非頑張ってまた優勝してくださいね」
「えっ、そうなんですか?」
 レイカの話しにマオが驚いて大声で聞き返すと、数名がマオの方に振り向いた
「ええ、もっと強い魔術者達が集まるそうですよ。参加は一応自由ですが……」
「出ます!私、出たい!」
 話の途中、マオが目を輝かせガタンと椅子の音をたて勢いよく立ち上がった。マオの声にクラスメイト達がマオに目線を向ける中、一人ログだけが深いため息をついて窓の方を見た時、ホームルームの終了を知らせるチャイムが鳴り響いた
「チャイムが鳴りましたので、ホームルームを終わります。今日も一日頑張ってくださいね」
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