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12. 疲れにも負けないように
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マオとフランが大会に出掛けて数時間後、グレニア学園の屋上で、夕暮れの空を見上げ、風に当たりながらボーッと過ごしているログがいた。フランが来る前に食べきろうとしているお菓子を一口食べた時、頬に触れたそよ風でふと食べるのを止めた
「ご主人様、ただいまです」
突然、聞き覚えのある声が聞こえると、持っていたはずのお菓子が無くなりログの右肩が重くなった
「おかえり、フラン。思っていたより帰ってくるのが遅かったな」
「マオさんの魔力と魔術が、私の魔力に耐えられなくて休み休み対戦をしたので遅くなりました」
「そうか、フランの魔力に耐えれたのか……」
「いえ、全くですが、なんとか……」
お菓子をたべながらフランがそう返事をすると、ログがふぅ。とため息をついた
「そうだ。おやつを食べきる前にこれを……」
取ったお菓子を食べきったフランがログの右肩が離れ、目の前にふわりと浮かぶ。ログがその様子を見ていると、二人の間に優勝と書かれたお菓子の袋が現れた
「さすがフランだな」
「いえ、頑張ったのはマオさんなので」
エヘヘと笑うフランの頭を撫で、現れたお菓子の袋を取り、袋を開けるとお菓子をフランに渡した。美味しそうに食べるフランを見つつ、そよ風にあたる。二人で分けて食べるとすぐに無くなったお菓子にフランがしょんぼりしていると、ログがフランをつかんで肩にそっと乗せた
「もう帰りますか?」
「ああ、フランも疲れただろうし、ここに今長居したら……」
フランに返事をしながら立ち上がろうとした時、ログから少し離れた場所に小さな魔方陣が突然現れた
「やっと見つけた。君の魔力を辿ってきたのだが、探すのが大変だったよ」
「フランの魔力を辿れば早かったんじゃないですか?」
魔方陣の真ん中に立つユグスを見て、ログがはぁ。と深いため息をついた。そんなログを見て、ユグスはフフッと笑うと、足元にあった魔方陣が消えた
「君の使い魔の魔術はとても良かったよ。皆、呆気に取られるよりかは、惚れ惚れして見ていたよ。きっと来年の入学希望者も増えるだろうね」
そう言いながらログの右肩に乗るフランを見る。ユグスと目線が合ったフランがログの頬に手を当て少し体を頬に寄せた
「そうですか。じゃあ、ここ来たばかりですが、じゃあもうボクはこの学園には居られないですかね」
「えー、じゃあもうマオさんとお別れですか?せっかく仲良くなれたのに……」
ログの耳元にフランの寂しそうな声が聞こえてくると、頬に振れていたフランの手も離れた
「そうだよ、そう焦らずしばらく居たらどうだい?」
「いえ、フランのためにも良くないでしょうから……」
不機嫌そうに言い返すログにユグスが少し困ったように笑う。見つめ合う二人の間に一瞬目を閉じるほどの強い風が吹いた
「やっと見つけた!」
マオが屋上の出入り口を勢いよく開けた。大会の疲れも見せずログの方に向かって走ってきた
「今日の夕ご飯、奢ってくれるって約束したよね?」
「ああ、そうだったかな」
「そうだよ、フランと大会頑張ったんだから労ってよね」
ログの肩から離れたフランを抱きしめ少し言葉強めに話しかけるマオに戸惑った様子で返事をするログ。二人の会話を聞いていたユグスがクスクスと笑う。その笑い声が聞こえたマオが驚きつつ慌てて振り向くと、ユグスの足元にまた小さな魔方陣が現れていた
「二人にも友達が出来たことだし、これからどうするかは、のんびりと考えてみるといい」
「ご主人様、ただいまです」
突然、聞き覚えのある声が聞こえると、持っていたはずのお菓子が無くなりログの右肩が重くなった
「おかえり、フラン。思っていたより帰ってくるのが遅かったな」
「マオさんの魔力と魔術が、私の魔力に耐えられなくて休み休み対戦をしたので遅くなりました」
「そうか、フランの魔力に耐えれたのか……」
「いえ、全くですが、なんとか……」
お菓子をたべながらフランがそう返事をすると、ログがふぅ。とため息をついた
「そうだ。おやつを食べきる前にこれを……」
取ったお菓子を食べきったフランがログの右肩が離れ、目の前にふわりと浮かぶ。ログがその様子を見ていると、二人の間に優勝と書かれたお菓子の袋が現れた
「さすがフランだな」
「いえ、頑張ったのはマオさんなので」
エヘヘと笑うフランの頭を撫で、現れたお菓子の袋を取り、袋を開けるとお菓子をフランに渡した。美味しそうに食べるフランを見つつ、そよ風にあたる。二人で分けて食べるとすぐに無くなったお菓子にフランがしょんぼりしていると、ログがフランをつかんで肩にそっと乗せた
「もう帰りますか?」
「ああ、フランも疲れただろうし、ここに今長居したら……」
フランに返事をしながら立ち上がろうとした時、ログから少し離れた場所に小さな魔方陣が突然現れた
「やっと見つけた。君の魔力を辿ってきたのだが、探すのが大変だったよ」
「フランの魔力を辿れば早かったんじゃないですか?」
魔方陣の真ん中に立つユグスを見て、ログがはぁ。と深いため息をついた。そんなログを見て、ユグスはフフッと笑うと、足元にあった魔方陣が消えた
「君の使い魔の魔術はとても良かったよ。皆、呆気に取られるよりかは、惚れ惚れして見ていたよ。きっと来年の入学希望者も増えるだろうね」
そう言いながらログの右肩に乗るフランを見る。ユグスと目線が合ったフランがログの頬に手を当て少し体を頬に寄せた
「そうですか。じゃあ、ここ来たばかりですが、じゃあもうボクはこの学園には居られないですかね」
「えー、じゃあもうマオさんとお別れですか?せっかく仲良くなれたのに……」
ログの耳元にフランの寂しそうな声が聞こえてくると、頬に振れていたフランの手も離れた
「そうだよ、そう焦らずしばらく居たらどうだい?」
「いえ、フランのためにも良くないでしょうから……」
不機嫌そうに言い返すログにユグスが少し困ったように笑う。見つめ合う二人の間に一瞬目を閉じるほどの強い風が吹いた
「やっと見つけた!」
マオが屋上の出入り口を勢いよく開けた。大会の疲れも見せずログの方に向かって走ってきた
「今日の夕ご飯、奢ってくれるって約束したよね?」
「ああ、そうだったかな」
「そうだよ、フランと大会頑張ったんだから労ってよね」
ログの肩から離れたフランを抱きしめ少し言葉強めに話しかけるマオに戸惑った様子で返事をするログ。二人の会話を聞いていたユグスがクスクスと笑う。その笑い声が聞こえたマオが驚きつつ慌てて振り向くと、ユグスの足元にまた小さな魔方陣が現れていた
「二人にも友達が出来たことだし、これからどうするかは、のんびりと考えてみるといい」
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