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使命だから
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建物の中、食堂から明るい声が聞こえてくる
「アリス、このイチゴもらうよ!」
「ダメだよ!最後に食べるって置いてるんだから!」
大きな食堂に、建物の中にいる、みんなが集まって、おやつのパフェを食べている
「二人とも、お行儀良くしなさい」
口にクリームをたくさん付けた二人を叱るリリス
その顔は、少し悲しそうにしている
「アリス、クリス…」
カフルも少し悲しそうな顔で二人を呼ぶ
「どうしたの?おばあ様」
「イチゴ食べないなら、クリスが食べるよ」
二人をじっと見つめ、話しかける
「二人とも、お話があります」
「なーに?」
「カフルお母様…」
話を遮るように会話に入るリリス
不安そうなリリスを見て微笑むカフル
「リリス…大丈夫です」
カフルとリリスの顔を交互にみるアリス
「どうしたの?」
クリスもリリスの顔を見る
「お母様、泣いてるの?」
じっとアリスと、クリスを見るカフル
「いいかい?二人とも」
「はい、おばあ様」
カフルが、ゆっくりと話し始める
「二人とも、我がルーグ家の双子の災いの事は、わかりますか?」
「しらない。クリス知ってる?」
アリスがクリスに問いかける
クリスは、フルフルと首を横にふり否定する
「私も知らない」
「…二人とも、もうすぐ10歳よね」
カフルは二人に質問する
「うん!」
「そうだー、もうすぐだ!」
誕生日の話に少し喜ぶ二人
カフルは、話し続ける
「そう、私たちルーグ家にとって、10歳というのは、とても大切なものです」
「うん」
クリスが、返事する
その時、ガタッとリリスが立ち上がり、ガタガタっと音を立て、部屋を出ていった
「えっ?お母様?」
「大丈夫?!」
突然のことに驚く二人
カフルは、リリスを見ることなく、まっすぐアリス達を見つめる
「リリスは大丈夫です。二人とも聞いて、ちゃんと座って」
「……はい」
「はい、おばあ様」
静かになる食堂
家政婦達も泣いているのか、鼻をすする音が聞こえてきた
「みんな、どうしたの?」
不穏な空気にアリスが気づく
だが、構わずカフルは話を続ける
「これから、二人はとてもツラい事が起きると思います。イヤだと思う、嫌いになると思います」
「…なにが、あるの?」
クリスが、問いかける
カフルは首をふり答える
「それは、私にもわかりません」
「でも、いい?アリス、クリス。もし、誰かが…誰かが暴れだしたら…」
「暴れだしたら?」
アリスは首をかしげる
「アリスか私が暴れるの?」
クリスが、アリスを不安な顔で見つめる
カフルは、頷き答える
「そうよ、どちらか暴れたら、何かあったら…」
「暴れている方を殺しなさい」
「えっ?」
「なんで?」
カフルの言葉に驚く二人
だが、カフルは言葉を強め話を続ける
「ルーグ家の双子の使命です。もしも暴れだしたら、すぐにそうしなさい」
「でも…どうして?」
「殺すって…どう…なんで?」
雰囲気と言葉に戸惑いだす二人
「ねぇ、おばあ様、アリスが、クリスを殺すの?」
アリスが問いかける
「そうよ」
「じゃあクリスが、アリスを殺すかもしれないの?」
アリスの言葉にクリスも問いかける
「そうよ、クリス」
「なんで!?」
「いやだ、なんで?」
カフルに詰め寄るアリスと、クリス
「それは…」
アリス達の質問に、しばし無言になるカフル
「……いい?二人に何かが起こったら、必ず殺さなきゃいけない…。それはルーグ家の双子の使命、運命なの。その為に、これから私が言うことを聞きなさい。いいね」
強い言葉で話すカフル
その気迫に圧倒されるアリスと、クリス
「わかりました。おばあ様…」
「アリス、このイチゴもらうよ!」
「ダメだよ!最後に食べるって置いてるんだから!」
大きな食堂に、建物の中にいる、みんなが集まって、おやつのパフェを食べている
「二人とも、お行儀良くしなさい」
口にクリームをたくさん付けた二人を叱るリリス
その顔は、少し悲しそうにしている
「アリス、クリス…」
カフルも少し悲しそうな顔で二人を呼ぶ
「どうしたの?おばあ様」
「イチゴ食べないなら、クリスが食べるよ」
二人をじっと見つめ、話しかける
「二人とも、お話があります」
「なーに?」
「カフルお母様…」
話を遮るように会話に入るリリス
不安そうなリリスを見て微笑むカフル
「リリス…大丈夫です」
カフルとリリスの顔を交互にみるアリス
「どうしたの?」
クリスもリリスの顔を見る
「お母様、泣いてるの?」
じっとアリスと、クリスを見るカフル
「いいかい?二人とも」
「はい、おばあ様」
カフルが、ゆっくりと話し始める
「二人とも、我がルーグ家の双子の災いの事は、わかりますか?」
「しらない。クリス知ってる?」
アリスがクリスに問いかける
クリスは、フルフルと首を横にふり否定する
「私も知らない」
「…二人とも、もうすぐ10歳よね」
カフルは二人に質問する
「うん!」
「そうだー、もうすぐだ!」
誕生日の話に少し喜ぶ二人
カフルは、話し続ける
「そう、私たちルーグ家にとって、10歳というのは、とても大切なものです」
「うん」
クリスが、返事する
その時、ガタッとリリスが立ち上がり、ガタガタっと音を立て、部屋を出ていった
「えっ?お母様?」
「大丈夫?!」
突然のことに驚く二人
カフルは、リリスを見ることなく、まっすぐアリス達を見つめる
「リリスは大丈夫です。二人とも聞いて、ちゃんと座って」
「……はい」
「はい、おばあ様」
静かになる食堂
家政婦達も泣いているのか、鼻をすする音が聞こえてきた
「みんな、どうしたの?」
不穏な空気にアリスが気づく
だが、構わずカフルは話を続ける
「これから、二人はとてもツラい事が起きると思います。イヤだと思う、嫌いになると思います」
「…なにが、あるの?」
クリスが、問いかける
カフルは首をふり答える
「それは、私にもわかりません」
「でも、いい?アリス、クリス。もし、誰かが…誰かが暴れだしたら…」
「暴れだしたら?」
アリスは首をかしげる
「アリスか私が暴れるの?」
クリスが、アリスを不安な顔で見つめる
カフルは、頷き答える
「そうよ、どちらか暴れたら、何かあったら…」
「暴れている方を殺しなさい」
「えっ?」
「なんで?」
カフルの言葉に驚く二人
だが、カフルは言葉を強め話を続ける
「ルーグ家の双子の使命です。もしも暴れだしたら、すぐにそうしなさい」
「でも…どうして?」
「殺すって…どう…なんで?」
雰囲気と言葉に戸惑いだす二人
「ねぇ、おばあ様、アリスが、クリスを殺すの?」
アリスが問いかける
「そうよ」
「じゃあクリスが、アリスを殺すかもしれないの?」
アリスの言葉にクリスも問いかける
「そうよ、クリス」
「なんで!?」
「いやだ、なんで?」
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「それは…」
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「……いい?二人に何かが起こったら、必ず殺さなきゃいけない…。それはルーグ家の双子の使命、運命なの。その為に、これから私が言うことを聞きなさい。いいね」
強い言葉で話すカフル
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「わかりました。おばあ様…」
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