128 / 132
128. 夢を叶えた反動
しおりを挟む
「夢を叶えた……?」
「お母さんの夢?」
「そうだよ。リエル、ノエル。ずっと寂しい思いをさせてゴメンね。もう大丈夫だよ」
二人に微笑み、話しかけるアゼル。急な再会に二人とも、どう話せばいいのか分からず困惑している
「……カリアさん。お父さんが……」
カリアに抱きついて離れないリエル。緊急事態に、カリアもカノン、他の隊員達も動けないまま、呆然としていると、バタバタと隊員が屋上にやって来た
「皆さん大変です!世界中の魔力が無くなってしまったそうです!現在、両方の時間の魔術が使えないと……!」
隊員の報告に、更にざわめく屋上。魔術者達が、急いで魔術を使い始める。だが、報告通り魔術の反応がない
「どういうことだ!何をした!」
「んーと、だからね……」
アゼルに怒鳴り詰め寄るカノン。飄々と楽しそうなアゼル。はぐらかそうと、無言になったり笑ったりと、カノンだけでなく、バルバやダングも余計に苛立たせてる
「お父さん……」
リックに話しかけるメイナ。こちらでも気まずく戸惑って、どう話せば良いのか分からないまま、三人無言で見つめあう
「メイナ、クリル。すまなかったな」
そう一言話すと、二人から目を離すリック。二人も何も言えないまま、ただ時間が過ぎていく
「……なんだ?」
バルバか異変に気づく。地震か、地鳴りか。突然、大きな音が本部に響く。音と共に大きく揺れ出す本部。一斉にパニックになる隊員達。アゼルとリックは失敗かと、深いため息をつく
「カリア、四人と急いで避難を!他の者達もここからの避難と、寮に残っている人達の避難の手助け、町の状況も出来るならば確認を!」
カノンの指示を聞いてすぐ、急いで屋上から去っていく隊員と魔術者達。カリアも四人と共に避難の準備をする
「さぁ、みんな急いで」
屋上から離れようとした時、リーリルが突然メイナの腕から落ちた。強く抱きしめていたはずのリーリル。そして、魔力が無いという今、なぜかリーリルが勝手に動いて地面に立っている
「リーリル……?」
二人の様子に、クリルが立ち止まる
「メイナ、どうした?」
「リーリルが、勝手に……」
声に反応して、クルッと向きを変えるとメイナの方に向くリーリル
「どうしたの?リーリル?」
リーリルの不穏な雰囲気と周りを音で、メイナがパニックになっていく
「早く避難を!急いで!」
まだ屋上に残ったままのメイナ達に叫ぶカノン。段々と大きくなっていく本部の揺れ。だが、呆然とした三人とカリアの様子に気づいて、バルバやダングと共に駆けよる
「リーリル!どうしたの?元に戻って!」
カノン達が見たのは、少しずつ巨大化していくリーリルの姿と、自分の意思ではない行動に、メイナが更にパニックになっていた。その騒ぎにリックとアゼルもやっと気づいた
「あのぬいぐるみは、カナメの……」
「おかしいなぁ。魔力はないはずじゃ……」
勝手に動くリーリルを見て、驚くリックと不思議そうなアゼル。予想外の動きに、二人見合わせ首をかしげている
「……リエル!」
みんながリーリルとメイナを見ている中、急にノエルが叫ぶ。隣でリエルが苦しそうに座り込んでいた
「お兄ちゃん……苦しい……」
ノエル達もこの状況にパニックになっていると、またバタバタと、屋上へ隊員が大急ぎでやって来た
「たっ、大変です!魔力が……一時、完全に無くなってしまった反動か、爆発的に魔力が戻ってきているそうです。今、町の人々が、魔力の増加に耐えられず暴徒化しています!寮の方でも数名、暴徒化しています!」
「お母さんの夢?」
「そうだよ。リエル、ノエル。ずっと寂しい思いをさせてゴメンね。もう大丈夫だよ」
二人に微笑み、話しかけるアゼル。急な再会に二人とも、どう話せばいいのか分からず困惑している
「……カリアさん。お父さんが……」
カリアに抱きついて離れないリエル。緊急事態に、カリアもカノン、他の隊員達も動けないまま、呆然としていると、バタバタと隊員が屋上にやって来た
「皆さん大変です!世界中の魔力が無くなってしまったそうです!現在、両方の時間の魔術が使えないと……!」
隊員の報告に、更にざわめく屋上。魔術者達が、急いで魔術を使い始める。だが、報告通り魔術の反応がない
「どういうことだ!何をした!」
「んーと、だからね……」
アゼルに怒鳴り詰め寄るカノン。飄々と楽しそうなアゼル。はぐらかそうと、無言になったり笑ったりと、カノンだけでなく、バルバやダングも余計に苛立たせてる
「お父さん……」
リックに話しかけるメイナ。こちらでも気まずく戸惑って、どう話せば良いのか分からないまま、三人無言で見つめあう
「メイナ、クリル。すまなかったな」
そう一言話すと、二人から目を離すリック。二人も何も言えないまま、ただ時間が過ぎていく
「……なんだ?」
バルバか異変に気づく。地震か、地鳴りか。突然、大きな音が本部に響く。音と共に大きく揺れ出す本部。一斉にパニックになる隊員達。アゼルとリックは失敗かと、深いため息をつく
「カリア、四人と急いで避難を!他の者達もここからの避難と、寮に残っている人達の避難の手助け、町の状況も出来るならば確認を!」
カノンの指示を聞いてすぐ、急いで屋上から去っていく隊員と魔術者達。カリアも四人と共に避難の準備をする
「さぁ、みんな急いで」
屋上から離れようとした時、リーリルが突然メイナの腕から落ちた。強く抱きしめていたはずのリーリル。そして、魔力が無いという今、なぜかリーリルが勝手に動いて地面に立っている
「リーリル……?」
二人の様子に、クリルが立ち止まる
「メイナ、どうした?」
「リーリルが、勝手に……」
声に反応して、クルッと向きを変えるとメイナの方に向くリーリル
「どうしたの?リーリル?」
リーリルの不穏な雰囲気と周りを音で、メイナがパニックになっていく
「早く避難を!急いで!」
まだ屋上に残ったままのメイナ達に叫ぶカノン。段々と大きくなっていく本部の揺れ。だが、呆然とした三人とカリアの様子に気づいて、バルバやダングと共に駆けよる
「リーリル!どうしたの?元に戻って!」
カノン達が見たのは、少しずつ巨大化していくリーリルの姿と、自分の意思ではない行動に、メイナが更にパニックになっていた。その騒ぎにリックとアゼルもやっと気づいた
「あのぬいぐるみは、カナメの……」
「おかしいなぁ。魔力はないはずじゃ……」
勝手に動くリーリルを見て、驚くリックと不思議そうなアゼル。予想外の動きに、二人見合わせ首をかしげている
「……リエル!」
みんながリーリルとメイナを見ている中、急にノエルが叫ぶ。隣でリエルが苦しそうに座り込んでいた
「お兄ちゃん……苦しい……」
ノエル達もこの状況にパニックになっていると、またバタバタと、屋上へ隊員が大急ぎでやって来た
「たっ、大変です!魔力が……一時、完全に無くなってしまった反動か、爆発的に魔力が戻ってきているそうです。今、町の人々が、魔力の増加に耐えられず暴徒化しています!寮の方でも数名、暴徒化しています!」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です
しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。
神様のミスで女に転生したようです
結城はる
ファンタジー
34歳独身の秋本修弥はごく普通の中小企業に勤めるサラリーマンであった。
いつも通り起床し朝食を食べ、会社へ通勤中だったがマンションの上から人が落下してきて下敷きとなってしまった……。
目が覚めると、目の前には絶世の美女が立っていた。
美女の話を聞くと、どうやら目の前にいる美女は神様であり私は死んでしまったということらしい
死んだことにより私の魂は地球とは別の世界に迷い込んだみたいなので、こっちの世界に転生させてくれるそうだ。
気がついたら、洞窟の中にいて転生されたことを確認する。
ん……、なんか違和感がある。股を触ってみるとあるべきものがない。
え……。
神様、私女になってるんですけどーーーー!!!
小説家になろうでも掲載しています。
URLはこちら→「https://ncode.syosetu.com/n7001ht/」
異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~
イノナかノかワズ
ファンタジー
助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。
*話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。
*他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。
*頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。
*無断転載、無断翻訳を禁止します。
小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。
カクヨムにても公開しています。
更新は不定期です。
【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~
柊彼方
ファンタジー
「一族から出ていけ!」「お前は忌み子だ! 俺たちの子じゃない!」
テイマーのエリート一族に生まれた俺は一族の中で最弱だった。
この一族は十二歳になると獣と契約を交わさないといけない。
誰にも期待されていなかった俺は自分で獣を見つけて契約を交わすことに成功した。
しかし、一族のみんなに見せるとそれは『獣』ではなく『魔物』だった。
その瞬間俺は全ての関係を失い、一族、そして村から追放され、野原に捨てられてしまう。
だが、急な展開過ぎて追いつけなくなった俺は最初は夢だと思って行動することに。
「やっと来たか勇者! …………ん、子供?」
「貴方がマオウさんですね! これからお世話になります!」
これは魔物、魔族、そして魔王と一緒に暮らし、いずれ世界最強のテイマー、冒険者として名をとどろかせる俺の物語
2月28日HOTランキング9位!
3月1日HOTランキング6位!
本当にありがとうございます!
異世界をスキルブックと共に生きていく
大森 万丈
ファンタジー
神様に頼まれてユニークスキル「スキルブック」と「神の幸運」を持ち異世界に転移したのだが転移した先は海辺だった。見渡しても海と森しかない。「最初からサバイバルなんて難易度高すぎだろ・・今着てる服以外何も持ってないし絶対幸運働いてないよこれ、これからどうしよう・・・」これは地球で平凡に暮らしていた佐藤 健吾が死後神様の依頼により異世界に転生し神より授かったユニークスキル「スキルブック」を駆使し、仲間を増やしながら気ままに異世界で暮らしていく話です。神様に貰った幸運は相変わらず仕事をしません。のんびり書いていきます。読んで頂けると幸いです。
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
若返ったおっさん、第2の人生は異世界無双
たまゆら
ファンタジー
事故で死んだネトゲ廃人のおっさん主人公が、ネトゲと酷似した異世界に転移。
ゲームの知識を活かして成り上がります。
圧倒的効率で金を稼ぎ、レベルを上げ、無双します。
聖女なのに婚約破棄した上に辺境へ追放? ショックで前世を思い出し、魔法で電化製品を再現出来るようになって快適なので、もう戻りません。
向原 行人
ファンタジー
土の聖女と呼ばれる土魔法を極めた私、セシリアは婚約者である第二王子から婚約破棄を言い渡された上に、王宮を追放されて辺境の地へ飛ばされてしまった。
とりあえず、辺境の地でも何とか生きていくしかないと思った物の、着いた先は家どころか人すら居ない場所だった。
こんな所でどうすれば良いのと、ショックで頭が真っ白になった瞬間、突然前世の――日本の某家電量販店の販売員として働いていた記憶が蘇る。
土魔法で家や畑を作り、具現化魔法で家電製品を再現し……あれ? 王宮暮らしより遥かに快適なんですけど!
一方、王宮での私がしていた仕事を出来る者が居ないらしく、戻って来いと言われるけど、モフモフな動物さんたちと一緒に快適で幸せに暮らして居るので、お断りします。
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる