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105. 僕らの世界に要らないもの
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カノン達が話し合いをしている頃、ノエル達は、会議室に集まっていた
「メイナ、落ち着いたか?」
「……うん」
人目が少ない場所として選んだ会議室。話が進まない時間は、とても静かで、全員の雰囲気は落ち込んでいきそうになる
「カリアさん、ここの学園はどうなっていますか?」
クリルが急に意外な質問をカリアにする。予想外の質問に、戸惑うカリアとノエル達
「えっ?あなた達はいつでも入れるようになっているけど、急にどうしたの?」
カリアの答えに、ふぅ。とクリルがため息ついて、メイナに話しかける
「メイナ、明日からでも通いな。もうフラワードを忘れて、学校通うんだ」
「でも……」
真面目な顔で話すクリルに戸惑うメイナ。ノエル達も、クリルの話しに入れず戸惑っている
「カリアさん、良いですよね?」
メイナの様子やクリルの思いにすぐ質問に答えれず考え込む
「それなら明日、またみんなで学園に見学に行ってみる?気分転換にもなるから」
カリアの提案にメイナが小さく頷いて、クリルもホッとした表情になる。話しの内容から、少し緊張していたノエルとリエルもふぅ。と安心した表情になる
「ところで、カノンさん達は?」
「まだ休んでいるみたい。遅くまで調べていたみたいだから。あとで会えると思うから……」
あれから見ていないカノン達を、心配するノエルにカリアが答える
「カリアさんは大丈夫?」
「大丈夫よ。二人と一緒にたくさん眠ったからね」
リエルとカリアが話していると、隣でメイナが急にリーリルを抱きながら何やら考え込んでいる。それを見たクリルが声をかけようとすると、メイナがカリアの袖を掴んで話しかける
「カリアさん、そういえばあのね……」
「昔々、この世界は幸せに満ち溢れていました……」
また同じ頃、森の小屋に本を読みながら、語り明かしている二人。お互いご機嫌で話が進んで、次の話題は昔話になっていた
「今が不幸のような話し口だな……」
「え?違うの?」
意外とばかりに驚いていると、パタンと本を閉じコップを持って、キッチンへと向かっていく
「幸せと思っている人も沢山いるだろう」
そう話しながら珈琲を注いでいると、こちらへ来る。足音が聞こえてくる
「えー?そうかなぁ?」
不機嫌そうにコップを持ってキッチンへと来るやいなや、机においてそそくさと部屋へと戻ると、話しの続きが始まる
「時間に縛られているのに?君も今の時間は、ただの人だ。僕の傷だって治せないじゃないか」
「まあ、そうだかな……」
部屋で一人怒った声で話しているのを、笑いながら持ってきたコップに珈琲を注いで部屋へと戻ると、椅子に座って外を見ていた。コップを渡すと、ニッコリ笑ってまた話し始める
「時間を奪う境界線なんて要らないんだ。そう思わないかい?」
「メイナ、落ち着いたか?」
「……うん」
人目が少ない場所として選んだ会議室。話が進まない時間は、とても静かで、全員の雰囲気は落ち込んでいきそうになる
「カリアさん、ここの学園はどうなっていますか?」
クリルが急に意外な質問をカリアにする。予想外の質問に、戸惑うカリアとノエル達
「えっ?あなた達はいつでも入れるようになっているけど、急にどうしたの?」
カリアの答えに、ふぅ。とクリルがため息ついて、メイナに話しかける
「メイナ、明日からでも通いな。もうフラワードを忘れて、学校通うんだ」
「でも……」
真面目な顔で話すクリルに戸惑うメイナ。ノエル達も、クリルの話しに入れず戸惑っている
「カリアさん、良いですよね?」
メイナの様子やクリルの思いにすぐ質問に答えれず考え込む
「それなら明日、またみんなで学園に見学に行ってみる?気分転換にもなるから」
カリアの提案にメイナが小さく頷いて、クリルもホッとした表情になる。話しの内容から、少し緊張していたノエルとリエルもふぅ。と安心した表情になる
「ところで、カノンさん達は?」
「まだ休んでいるみたい。遅くまで調べていたみたいだから。あとで会えると思うから……」
あれから見ていないカノン達を、心配するノエルにカリアが答える
「カリアさんは大丈夫?」
「大丈夫よ。二人と一緒にたくさん眠ったからね」
リエルとカリアが話していると、隣でメイナが急にリーリルを抱きながら何やら考え込んでいる。それを見たクリルが声をかけようとすると、メイナがカリアの袖を掴んで話しかける
「カリアさん、そういえばあのね……」
「昔々、この世界は幸せに満ち溢れていました……」
また同じ頃、森の小屋に本を読みながら、語り明かしている二人。お互いご機嫌で話が進んで、次の話題は昔話になっていた
「今が不幸のような話し口だな……」
「え?違うの?」
意外とばかりに驚いていると、パタンと本を閉じコップを持って、キッチンへと向かっていく
「幸せと思っている人も沢山いるだろう」
そう話しながら珈琲を注いでいると、こちらへ来る。足音が聞こえてくる
「えー?そうかなぁ?」
不機嫌そうにコップを持ってキッチンへと来るやいなや、机においてそそくさと部屋へと戻ると、話しの続きが始まる
「時間に縛られているのに?君も今の時間は、ただの人だ。僕の傷だって治せないじゃないか」
「まあ、そうだかな……」
部屋で一人怒った声で話しているのを、笑いながら持ってきたコップに珈琲を注いで部屋へと戻ると、椅子に座って外を見ていた。コップを渡すと、ニッコリ笑ってまた話し始める
「時間を奪う境界線なんて要らないんだ。そう思わないかい?」
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