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93. 懐かしい目覚めの歌
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もうすぐ午後12時過ぎようかという頃、メイナのベットで寝ていたカリア。寝返りをうつと、誰かがいる気配を感じて、うっすら目をあける
「……リエルちゃん?」
布団の中に隠れていたリエルが、名前を呼ばれて顔を出す
「えへへ。メイナがいないから、独り占め」
カリアの右隣に移動して、顔を見合わせる二人。カリアがリエルの頭を撫でて、一緒に眠ろうとしても、じーっとリエルがカリアを見つめている
「ねぇ、カリアさん」
「……なに?」
頭を撫でて返事を返すカリア。見つめたまま何か考えているのか、しばらく黙っていたリエル
「お母さんの妹なの?」
「えっ……えっと……」
リエルからの質問に、答えられずどうしようか悩んでいると、リエルがもぞもぞと動いてカリアの背中に乗りだす
「お兄ちゃんと、ずっと似てるねって話してたんだ。それとも、お姉ちゃん?」
背中に乗ったまま、カリアの髪の毛を触って遊びながら聞いてくるリエルに、降りるように諭しながら観念して質問に答える
「妹よ。あなた達の叔母さんになるかな?」
ぎゅっとカリアを抱きしめて、嬉しそうなリエル。でも、すぐに寂しそうな表情になる
「お母さんに会えなくて、寂しい?」
今度はカリアが、リエルを強く抱きしめて、
「大丈夫。二人に会えたから。もちろんメイナちゃんやクリル君も……」
ほぼ同じ頃、ノエルも目が覚めていて、鼻唄を歌いながら着替えていた
「懐かしい歌だね……」
クリルのベットで寝ていたが、ノエルの鼻唄で目が覚めたカノン。懐かしい歌に聞き入っていた様子
「やっぱり君達は二人の子供なんだね。今更ながら不思議だ」
「この歌を知っているんですか?」
初めて歌う歌を知っているような様子に、驚くノエル
「ああ、小さい頃から歌っていたよ。幸せになることを願って……」
「子供の頃、僕らはいつも喧嘩しててね。12時過ぎたら違う時間の相手に向かったりね。特に、僕とアゼルは同じ午後だったから、毎日意味なく大喧嘩していたよ。その時に仲直りしてほしいって、みんなの前でよく歌っていたよ」
「へぇ……」
知らなかったみんなの思い出を聞けて嬉しそうなノエルと、急に昔を思い出して、なんだか照れてるカノン。その後も、クリルのベットに座って思い出話しが弾む
「さて、と……」
一通り話し終えて、また布団に入って寝る体制に入っていく
「えっ?寝るんですか?」
「うん、みんなもまだ寝てるだろうからねー。もし来てたら、ちょっと言い訳しておいてくれる?」
話しているそばから、布団に負けてもう眠そう。仕方なしに、一人部屋を出ていく。その後ろ姿を見ながら、カノンが声をかける
「じゃあ、おやすみ。バルバには、今日は休日というとこにしておいてねー!」
「……リエルちゃん?」
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「お母さんの妹なの?」
「えっ……えっと……」
リエルからの質問に、答えられずどうしようか悩んでいると、リエルがもぞもぞと動いてカリアの背中に乗りだす
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ぎゅっとカリアを抱きしめて、嬉しそうなリエル。でも、すぐに寂しそうな表情になる
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今度はカリアが、リエルを強く抱きしめて、
「大丈夫。二人に会えたから。もちろんメイナちゃんやクリル君も……」
ほぼ同じ頃、ノエルも目が覚めていて、鼻唄を歌いながら着替えていた
「懐かしい歌だね……」
クリルのベットで寝ていたが、ノエルの鼻唄で目が覚めたカノン。懐かしい歌に聞き入っていた様子
「やっぱり君達は二人の子供なんだね。今更ながら不思議だ」
「この歌を知っているんですか?」
初めて歌う歌を知っているような様子に、驚くノエル
「ああ、小さい頃から歌っていたよ。幸せになることを願って……」
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「へぇ……」
知らなかったみんなの思い出を聞けて嬉しそうなノエルと、急に昔を思い出して、なんだか照れてるカノン。その後も、クリルのベットに座って思い出話しが弾む
「さて、と……」
一通り話し終えて、また布団に入って寝る体制に入っていく
「えっ?寝るんですか?」
「うん、みんなもまだ寝てるだろうからねー。もし来てたら、ちょっと言い訳しておいてくれる?」
話しているそばから、布団に負けてもう眠そう。仕方なしに、一人部屋を出ていく。その後ろ姿を見ながら、カノンが声をかける
「じゃあ、おやすみ。バルバには、今日は休日というとこにしておいてねー!」
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